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【藤原定家の字】本気とオフの落差 明月記の人間味 「かづらき」フォントは定家の書にヒント

東京国立博物館の特集展示(藤原定家「明月記とその書」2023/6/27 (火) ~8/6(日))へ行き、「ヘタウマ」と呼ばれていることを初めて知った。たまたま今まで、藤原定家の比較的綺麗に見える字を目にしてきていたのだった。明月記の原本はまさに私的な日記らしく「日常・人間味」が感じられるオフモード感あふれる字体だった 笑  悪筆(字が下手)能筆(字が上手)という単語も知り、 今回の展示のような「オフモード」の字 フォントになった「本気モード」の字 定家の字の違いを見る楽し

    • 【出光美術館】 物、ものを呼ぶ《休館前今だけ》低い天井… 《これ以上ない》書画 国宝・重要文化財オールスター

      出光美術館「物、ものを呼ぶ」で学芸員さんの解説があった。メインのお話は意外にも展示作品ではなく、なかなか聞けない ”美術館自体の枠組み” のお話。約30分ひたすらに興味深く、へー!そうなんだ へー!そうなんだの連続。美術館自体の解像度がとても上がった。2024年12月の建替えによる休館まであと少し。展覧会をより楽しめる情報。知らずに見るのは惜しい内容だったので主に学芸員さんから伺った内容を元にまとめ 展覧会へ油断して何も調べずに行ってしまったところ、こんなことになっていたと

      • 【神護寺】秘仏 特別ご開帳「展覧会の仏像は見られる?」…国宝 薬師如来立像の痕跡(9月下旬まで)…運動不足でも拝観

        東京国立博物館で開催の創建1200年記念特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」が2024年9月8日(日)に閉幕。延べ18万人もの来館があったとのこと 神護寺展会期中、ご本尊をはじめとした東京出張中の仏様たちのお戻りを待つタイミングで京都・神護寺では【秘仏の特別ご開帳】と【今しか見られない光景】があるということで、初めて神護寺に行ってきました 展覧会にあれだけ主役級の仏像が全て出てしまって神護寺は ”からっぽ” なのではないか?という声が聞こえたりもしましたが、普段見ら

        • 【神護寺】 空海と安倍晴明も?!高雄山の神仏習合パワー 《修験の祈祷遺跡‥修験道メッカ愛宕山‥八幡神》

          神護寺の歴史や文化財を知る中で、今まで知らなかった神と仏がミックスされた話がたくさん出てくる。こんなに神と仏の線引きがなかったの?!と驚いている。あまり気にとめず”ぼんやり曖昧”にしてきた神仏習合的キーワードを整理したくなった  ⚫︎八幡、八幡神、八幡大菩薩 神なの仏なの?  ⚫︎山岳信仰、権現、修験道、  ⚫︎山岳仏教(真言宗/天台宗)  ⚫︎仏教、神道、陰陽道、修験道の関係性  ⚫︎空海の真言密教がそもそも神仏習合?!  ⚫︎陰陽道はイメージ的には神道だけれど実際は?  

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        【藤原定家の字】本気とオフの落差 明月記の人間味 「かづらき」フォントは定家の書にヒント

        • 【出光美術館】 物、ものを呼ぶ《休館前今だけ》低い天井… 《これ以上ない》書画 国宝・重要文化財オールスター

        • 【神護寺】秘仏 特別ご開帳「展覧会の仏像は見られる?」…国宝 薬師如来立像の痕跡(9月下旬まで)…運動不足でも拝観

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          【醍醐寺】絵因果経 発見記録は(国宝)横山大観筆…明治まで行方不明だった

          絵因果経にまつわる見逃さずにはいられない要素満載のものが醍醐寺国宝展に出ていた。醍醐寺といえば一番気になっている絵因果経出ているのかな?と目録を確認したところ、絵因果経の展示は無くそれ以上に気になるものが… チラシを見たところ、なんとあの醍醐寺の絵因果経は長らく行方不明になっていて、明治に発見された時の記録が国宝として前期に展示されていた ◼️明治まで醍醐寺の絵因果経は行方不明  ◼️発見記録は国宝 ◼️横山大観筆 ←一番えっ?! ◼️本邦初公開 パワーワードばかり 興

          【醍醐寺】絵因果経 発見記録は(国宝)横山大観筆…明治まで行方不明だった

          【神護寺展】前期のみ展示…で見られて良かったもの (8/12まで)全体像と曼荼羅ゾーン図解

          神護寺展の前期に行ってきました。ほぼ《見どころ》しかない展覧会でしたが、そのうち【前期でしか見られないもの】で、見られて良かったと特に印象に残ったものをあげていきます。【通期展示】のうち前期・後期で展示替えアリのものは「前期の方はこうだった」「後期はこう変わる」ということも含めて記載 【神護寺展の全体の感想】 「地味風」イメージの仏教系の展覧会でこんなに最初から最後まで色んな角度の感動、刺激があるのはそうそうないのでは… という充実感でした 前期後期どちらに行くか判断ポイ

          【神護寺展】前期のみ展示…で見られて良かったもの (8/12まで)全体像と曼荼羅ゾーン図解

          【神護寺展】前期・後期どちら?判断ポイント… 朗報「空海展」の重要展示もある

          神護寺展の出品目録から注目展示を確認して、前期と後期どちらに行くべきか判断ポイントなど整理してみました。「出品目録を見るのが面倒」「前期と後期 判断をミスりたくない」「重要展示を逃したくない」という方にご参考まで 前期・後期いずれかを選べぶのが難し過ぎるほど豪華ラインナップ。個人的には「前期と後期 両方行くしかない」ということでチケット2枚買いました 2024年は空海生誕1250年の記念イヤー 【空海さん関連の「超重要」なもの】が6月に終了した奈良博「空海展」に続いて、東

          【神護寺展】前期・後期どちら?判断ポイント… 朗報「空海展」の重要展示もある

          【神護寺展】国宝 高雄曼荼羅(裏話)住職 谷内弘照さん講演…現存最古の両界曼荼羅

          奈良博の「空海展」協賛企画の「神護寺の歴史と文化財」で、神護寺のご住職(貫主)谷内弘照さんから両界曼荼羅(高雄曼荼羅)に関する詳しいお話を聞いてきました。なんとご住職が「徹夜しそうになって作った」パワポを使用 笑  ユーモアあふれる講演で仏教知識のない自分の”曼荼羅って難しそう”イメージが一瞬でどこかへ行きました。「空海さん制作の曼荼羅」とても身近に。曼荼羅が経てきた歴史と修理の裏話を知ると、とんでもないものに立ち会えている…ただただ凄い………と実感します 7月27日に東博

          【神護寺展】国宝 高雄曼荼羅(裏話)住職 谷内弘照さん講演…現存最古の両界曼荼羅

          【神護寺展】国宝 薬師如来立像 左のドレープを…ご住職 谷内弘照さん裏話

          メインビジュアルの神護寺のご本尊。あまり仏像に詳しくないと、「国宝だ」「仏像かぁ〜 」「ご本尊 へ〜」でサラッと終わってしまいそう。←仏像知識の薄い自分のことでもある 神護寺展の準備真っ只中、2024年5月にご住職(貫主)谷内弘照さんから展覧会の裏話を伺い、そこで聞いた薬師如来立像が東京にお出ましなることの貴重さと見逃せないポイント、調べて知ったことをまとめたいと思います 絶対に見る角度は【真っ先に左サイド(向かって右)】 この仏さまの推しポイントはとにかく ホンパシキエ

          【神護寺展】国宝 薬師如来立像 左のドレープを…ご住職 谷内弘照さん裏話

          【神護寺展】知って驚いた空海さんのお寺(おぎやはぎ興味津々)

          おそらく関東では馴染みが薄いお寺なのではと思われる神護寺の展覧会が開催される。東京国立博物館 創建1200年記念 特別展神護寺―空海と真言密教のはじまり―2024年7月17日(水)~2024年9月8日(日) 「神護寺?初めて聞いたな」「空海さんのゆかりのお寺だったの?」という方が多いのではないだろうか。自分自身も空海さんといえば東寺と高野山だけの認識だった。京都の北西の山エリアにある神護寺のこと1年前まで知りませんでした 神護寺…知れば知るほどその重要性に驚きの連続 神護

          【神護寺展】知って驚いた空海さんのお寺(おぎやはぎ興味津々)

          国宝【絵因果経】1300年前のお経 絵巻物原点‥フェノロサと岡倉天心 藝大最初の購入物

          振りかぶりポーズに見えてなんだか面白いこの絵は、釈迦の前世と生涯を分かりやすく伝えるために文字と絵で描いた絵因果経という奈良時代に描かれた経典(お経)で、MOA美術館所蔵 重要文化財の絵因果経の一場面 この絵因果経を調べると、奈良時代に描かれた絵因果経は複数あり、東京藝術大学大学美術館所蔵 国宝の絵因果経は、フェロノサと岡倉天心が藝大最初の収集品として購入していた 醍醐寺所蔵(国宝)絵因果経の制作は奈良時代8世紀半ばで日本最古の絵巻。これ以降で現存する絵巻は平安時代12世

          国宝【絵因果経】1300年前のお経 絵巻物原点‥フェノロサと岡倉天心 藝大最初の購入物

          空海展【弘法大師 直筆の書】7年越しの聾瞽指帰‥風信帖の美しい訳文 奈良国立博物館

          奈良国立博物館 生誕1250年記念特別展  「空海 KŪKAI―密教のルーツとマンダラ世界」で空海さんの直筆の書や触れたであろう物を間近で見ながら、会場の垂れ幕の言葉にグッときた 虚空尽き、衆生尽き、涅槃尽きなば、 我が願いも尽きなん この世の全ての物が消滅し、仏法の世界が尽きるまで、 私は人々が救われることを願い続ける 開催概要    出品目録PDF掲載リンク 展示件数:115件(うち国宝28件、重要文化財59件) 前期と後期で大幅に違う 前期展示に行ってきたので

          空海展【弘法大師 直筆の書】7年越しの聾瞽指帰‥風信帖の美しい訳文 奈良国立博物館

          【大元帥明王図像】俵屋宗達の風神雷神‥風⁈ 鎌倉時代“ほのぼの” 秘法の密教仏画

            鎌倉時代に描かれた、俵屋宗達(風)を感じずにはいられない大元帥明王図像という仏画の癒し系の絵に出会った。秘法の仏画のため図像類の遺品は比較的少ない貴重なもの。とっつきにくいイメージだった仏画がほのぼの的な画風によって一瞬でお気に入りに。何度見返しても飽きないクセになる絵 描かれた大元帥明王を本尊とする大元帥法は「国を守るための本気の祈祷(呪術)」であり、江戸時代までは宮中で、明治以降は民間で極秘に行われていた。可愛さとの興味深いギャップ。その絵の背景について調べてみた

          【大元帥明王図像】俵屋宗達の風神雷神‥風⁈ 鎌倉時代“ほのぼの” 秘法の密教仏画

          【九曜星図】【弘法大師請来目録】空海の持ち帰った《宿曜経》が惑星や曜日の元‥陰陽師と共に活躍《宿曜師》とは

          二つの展覧会で見たものが、1200年前に空海が密教の一部として唐から持ち帰った占星術に関係していて興味深かったので調べたことをまとめ 発端は、2022年11月にMOA美術館 開館40周年記念名品展 第3部で展示されていた平安時代に描かれた九曜星図像(重要文化財)。人物の横に曜日が書かれていて「この頃から曜日があったの!?」と印象に残っていた 空海生誕1250年記念特別展「空海 KŪKAI―密教のルーツとマンダラ世界」奈良国立博物館会期:令和6年(2024)4月13日(土)

          【九曜星図】【弘法大師請来目録】空海の持ち帰った《宿曜経》が惑星や曜日の元‥陰陽師と共に活躍《宿曜師》とは

          【勝林院】 法然380人論破の地2000人の僧で平和フェス‥創建は藤原道長の妻 倫子の弟《寂源》‥声明の聖地

          東京国立博物館で特別展「法然と極楽浄土」が開催されているので、法然さんにまつわる大好きなエピソード、壇ノ浦の戦いの翌年鎌倉時代に入ったばかりというタイミングで数多の僧をその教えで無双論破したという伝説の【大原問答】という大きな出来事と、その伝説の地である京都大原の【勝林院】そして宗教音楽【声明】についてまとめ。 平安末期から鎌倉時代に入った頃、源平合戦で武士が戦っていた一方で、後の日本仏教界に大きな影響を与えた事件が起きていた しかも、その仏教界において伝説の地となった勝

          【勝林院】 法然380人論破の地2000人の僧で平和フェス‥創建は藤原道長の妻 倫子の弟《寂源》‥声明の聖地

          【三の丸尚蔵館 所蔵】皇室固有に限らず‥上流貴族と贈答品ネットワーク

          先日参加したギャラリートーク冒頭で全く知らなかった歴史的な文化を知った。皇室に伝来する美術品は必ずしも天皇家固有のものとは限らず、その背景には皇室と上級貴族の間で行われていた贈答品ネットワークの存在があった   これは、三の丸尚蔵館所蔵品以外も含めた中世から近世の名品と言われるような国宝・重要文化財などの伝来を理解するうえで基本となる部分ではないかと。この背景をふまえると《なるほど、だからこう伝わっていたのか》と点と点が繋がった 文化財の伝来を考えるときの重要事項、 しかし

          【三の丸尚蔵館 所蔵】皇室固有に限らず‥上流貴族と贈答品ネットワーク