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【神護寺】秘仏 特別ご開帳「展覧会の仏像は見られる?」…国宝 薬師如来立像の痕跡(9月下旬まで)…運動不足でも拝観


東京国立博物館で開催の創建1200年記念特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」が2024年9月8日(日)に閉幕。延べ18万人もの来館があったとのこと

神護寺展会期中、ご本尊をはじめとした東京出張中の仏様たちのお戻りを待つタイミングで京都・神護寺では【秘仏の特別ご開帳】と【今しか見られない光景】があるということで、初めて神護寺に行ってきました

今後の仏像拝観の参考に
【実際のところ神護寺拝観の山登りは大変なのか】
期間限定の仏様】(金堂イメージ図作成)
神護寺展で見た仏像は「神護寺で見られるのか」】
という展覧会後の状況についてもまとめたいと思います

展覧会にあれだけ主役級の仏像が全て出てしまって神護寺は ”からっぽ” なのではないか?という声が聞こえたりもしましたが、普段見られない奈良時代や平安時代の貴重な仏様や秘仏で賑わっていました。もしかすると特別ご開帳限定普段見られない距離仏様を拝観できるチャンスなのかもしれない



運動不足でも大丈夫だった神護寺の拝観

京都の神護寺に行くにあたって気になっていたのが、「神護寺大変だ」「大変だ」「大変だ」「遠い」「行きたいけど手が出せない」そして猛暑もあり「神護寺はおろか、東京国立博物館の神護寺展ですら暑くて断念だ」というような声

どれだけ大変なんだ… 神護寺拝観への気構えハードルがぐんぐん上がっていた。しかし「神護寺展開催中の激アツ感情を抱えた勢いで神護寺を体感したい!」と8月下旬30度越えの日に決心して行ってきた。(熱中症にならないかと内心はドキドキしていた)

①神護寺の最寄りのバス停「高雄」から神護寺の「参道入口」
②参道入口から拝観料を収める場所「楼門」までの経路

<京都駅から神護寺楼門まで計 1時間10分>

結果、通勤くらいしか歩かないような1日5000歩程度の運動不足でも問題なかった。翌日筋肉痛にもならなかった。楼門あたりまで行くとさすがに息がきれるけれど、想像より大変ではない。年配の方で足腰によほど不安のある方でない限り事前にトレーニングしなくても行けるのではないだろうか。秋であれば余裕な気がする

とにかく「行きの経路の登り」で上記地図の緑の部分10分間だけそこそこ頑張れば神護寺に到達できる。帰りは下りなので余裕。やはり現地に行ってみることは大事だなと思った

楼門が見えた時の感動
楼門 8月下旬
二天王立像(平安時代) 空の状態
この時、東京国立博物館 神護寺展フォトスポットでポーズ中↓


(余談)神護寺横付 特権 参道ショートカットを目撃

神護寺でご年配の方の集団にすれ違い「あれ?!年配の方も普通に来られている凄い!!」と思いながらその集団を見ていたところ、神護寺の楼門近くに横づけされたマイクロバスを利用されていた。ショートカット判明。参道登ってない〜笑 あの余裕の表情。なるほど。そういった手法があったとは。ひとまず歳をとったとしても、あの特権さえ行使できれば神護寺に来られるということは分かった。
(この特権が何の特典かは特定できず。高雄観光ホテル団体利用かな?) 


楼門を入ってすぐにベンチがあるのでそこで一旦休憩できる。左手にトイレがあり、水道の水が真夏であるにも関わらず冷えっ冷えで生き返った。山の水さすが(泣)

楼門を入って開ける景色
朝一に行ったところ、人がいないショットが撮れた

神護寺展の音声ガイドでさだまさしさんが
「なんて清いお寺さんなんだ」と思った
と語られたそのままの雰囲気
大きな神宮に行った時のような広がりと清々しさだった

ここを真っすぐ進み、突き当りを右に折れて進むと
特別ご開帳の仏像が安置されている金堂がある ↓

神護寺 金堂

◼️1200年以上前制作 ご本尊(国宝)薬師如来立像を安置
◼️2023年5月(国宝)高雄曼荼羅
230年ぶり修理を終えて開眼法要が行われた場所
◼️現在 神護寺展に合わせて秘仏「特別開帳」中

金堂はとても大きく圧巻だった
この立派な金堂を昭和10年に寄進した山口玄洞さん凄い
五大虚空蔵菩薩のある多宝塔も山口さん寄進…




【期間限定】神護寺 特別ご開帳・特別編成

8月下旬に初めて神護寺に伺ったので、神護寺展以前の金堂での一般拝観の位置が正確には分からないけれど、過去の映像で見た拝観位置と比較して仏様にかなり接近できるようになっていた。もう少しでお戻りになるであろうご本尊も秘仏公開期間中は通常より近くで見られるのではないだろうか。チャンス!

特別ご開帳【金堂の内部イメージ図】

金堂内は撮影不可なので
期間限定の特別編成の配置を図にしたもの
■青の色塗りは9月下旬までの特別御開帳の仏様
■過去は下の青の点線位置から
 ご本尊 国宝薬師如来立像を拝観していたようだけれど
 8月末時点上の通路部分まで行くことができた
※9月18日薬師如来立像がお戻りになった模様(追記)


①ご本尊(国宝)薬師如来立像の「空の御厨子」

展覧会が終わってみて振り返ると一番印象に残ったのはポスターのメインビジュアルでもある神護寺ご本尊(国宝)薬師如来立像だった。会場の空気を一変させる存在感。あの緊張感と神々しさが忘れられない。ご本尊がお出ましにならない可能性があったことが全く想像できないほど圧倒的だった

現在、ご本尊がご出張中ということで「空の御厨子」が見られた。くっきりと跡が残っていることに感動。これは今後見られないはず。東京国立博物館でご本尊が見られたことと同じレベルの貴重な光景。この神々しさを見られるのは9月下旬のご本尊お戻りまで

9月下旬、タイミングによっては神護寺で
ご本尊「薬師如来立像」の東京からのお帰りに遭遇される方もいるのではないだろうか?!


特別ご開帳は2パターン。取り急ぎは9月下旬までのもの

②特別ご開帳

【9月下旬まで】ご本尊がお戻りになるまで
日 時
 2024年7月1日(月)~9月下旬
 【脇侍 吉祥天 善膩師童子ぜんにしどうじ
 【秘仏 五大明王像】
  不動明王、降三世明王、軍荼利(ぐんだり)明王、
    大威徳明王、金剛夜叉明王

※9月18日薬師如来立像がお戻りになった模様(追記)
 こちらの秘仏ご開帳はいつまでになるか不明


【12月10日まで】ご本尊お戻り後も一定期間継続
日 時
 2024年7月1日(月)~12月10日(火)
秘仏 毘沙門天】 国指定 重要文化財(平安時代)

首をかしげていてとても可愛いらしい。思ったより小さめなのが可愛いさ増し増し。ところどころ彩色が見えて、元はとても派手だったのだとと想像できる
昭和10年に毘沙門堂に安置されて以来の公開
かなり貴重

東京国立博物館の神護寺展の最後の展示室に
この毘沙門天の「特別ご開帳の告知」が貼ってあった↓





金堂で空海展と神護寺展で見た国宝【高雄曼荼羅】がかけられていた光景に思いを馳せる

金堂の中に入ってとにかく大きさに圧倒された。天井高い〜。ここにあの1200年前空海さん制作の高雄曼荼羅がかかっていたのか…と上の動画の光景を想像
光格天皇制作の江戸時代の曼荼羅をまずは掛けて様子見してから、国宝の高雄曼荼羅を掛けたという

金堂は昭和10年に山口玄洞さんが個人で金堂を寄進され、2024年5月に高雄曼荼羅が230年ぶりの修理を終えて神護寺に150年ぶりに戻ってきて開眼法要が行われた。あの巨大な高雄曼荼羅がかけられる大きさの金堂があったからこそ法要ができたのだ。曼荼羅の帰りを万全の体制で待っていたかのよう。過去から現在色んな人のリレーで繋がって実現された開眼法要なのだとしみじみ浸ってしまった

そして自分が高雄曼荼羅の情報を得て展示に立ち会えたことも本当に奇跡。生きているタイミングが違っていたら見ることができなかったし、少しでも自分の興味関心が向いていなかったら展覧会で曼荼羅を見ることも、この場に来ることもなかったのだ…。とにかく知ることができて良かった。高雄曼荼羅はおそらく京都国立博物館に委託。当分見ることはないだろう(230年前に修理しても今回の修理前はボロボロだったので劣化を防ぐために厳重保管されそう)

神護寺展で明治時代の古写真の展示があり当時の金堂が写っていた。説明には現在の毘沙門堂はその金堂だった建物を移築したものだと。実際に行って見た毘沙門堂のサイズ感からすると高雄曼荼羅かけられるのだろうか?と…。ますます山口さん寄進の金堂あってこその開眼法要… すごい

あらためて金堂の大きさ…. 実物本当に圧巻

外は暑いけれど、中は風が入って良い感じの涼しさだった
良いお香の香りがしていた よくあるお寺のお香ではなさそう
セミの鳴き声にカラスの鳴き声
癒し過ぎて寝てしまいそうなくらい心地よい空間だった

参道山登り後に金堂で ぼーっ とするのもありかもしれない




【神護寺展の仏像】と【神護寺の安置場所】

果たして神護寺展の仏像は京都の神護寺に行って見られるのか?まず、2024年9月8日で閉幕した神護寺展からのお帰りを待つ仏像の一覧

↑左の公開状況の列が神護寺の通常拝観が可能かどうか
神護寺展の仏像展示エリア 位置抜粋 
※弘法大師像のみこのゾーンではなく第1章に展示

■通常公開の仏像
9月展覧会終了後お戻り次第、
楼門と通常金堂に安置される仏像は見られるはず 
金堂  薬師如来立像
   日光菩薩/月光菩薩/四天王立像/十二神将立像
楼門 二天王立像

■非公開の仏像
特別公開の時期を待っての拝観となる
(特別公開日は要確認)秋のシーズン公開あり
※運慶の孫 康円作の愛染明王坐像は公開があるのか不明

五大虚空蔵菩薩像】
 5月13日~15日
 10月の第二月曜日、祝日をはさむ三連休
 神護寺展の立体曼荼羅展示も素晴らしかったけれど
 多宝塔で見るのは雰囲気があって良さそう

弘法大師像】 11月1日~7日 
空海さんがお住まいだった納涼房跡に建つ大師堂で見られるかと思うとこれも行かずにはいられない。あの風信帖をおそらく書かれた場所なのではと思うとますます…



神護寺行きのバスに乗る際の注意「日焼け」

バスの窓は暗いガラスになっているのでUVカットなのではと勝手に思い込んで油断していた紫外線。景色をとても楽しんでしまった。帰って気づいたすっごい日焼け。主に顔~(泣) 日頃の美白活動が思わぬところで無になってしまった。50分の夏のバスは要注意。次回はバスでも帽子かぶろう


過去・現在・未来 支援が支えの神護寺

拝観料が主な収入源だという神護寺さん
微々たる貢献だけれどこれから何度も足を運びたい

応援していたクラウドファンディングも目標額を達成され嬉しい限り。今後も金堂なども含めて修理を待っているものがたくさんあるとのことなので、継続して応援していきたい



文覚上人のお墓への道 まるで修行

神護寺展で文覚上人の奮闘を知ると、これはお参りしておきたいと思った。神護寺の楼門までの参道が思ったよりも楽だと思ったのは「文覚上人のお墓まで行こうとトライして挫折した」ということがかなり影響している。あの道を恐れ知らずにトライした結果、楼門までの参道がなんてことないレベルに感じてしまった。神護寺の本当の本当の大変は文覚上人の墓所…あの場所にお墓を建てたのは日々の密教修行のためなのでは?!と思うハードな道だった

文覚上人のお墓はここで合っているのか?と何度も思った。倒木もある舗装無しの山道。通る人が少ないのか道が消えそうでかなりあやしげな状態。直近の台風の影響もあったのかもしれない。行き先表示は一切無い


おわりに

初めて伺った神護寺は見どころ満載で、仏像以外のことも記録として残しておきたいことがたくさんあったので忘れないうちに別途まとめたい


◼️神護寺とはどんなお寺かをまとめたもの


◼️神護寺展 展示物 前期と後期の違い

◼️神護寺展の前期展示で特に良かったものまとめ


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