ワンオーダー 〜キャッシュがないと戦えないヒーローとそれを支えるボクの話〜_30
槇村さんは、スマホでどこかに連絡すると立ち上がり、繁華街へと向かった。
帰宅ラッシュの電車を乗り継ぎ、降りた駅は近辺の街でも比較的栄えている土地だった。
居酒屋等の通りを抜けると、いわゆる夜の大人の街にさしかかる。
仕事を終えたサラリーマン集団や、デートらしき社会人カップル。接待をしているようなスーツの集団。客を呼び込もうと声をかけるキャッチ。
槇村さんは意外と慣れた様子でずんずん進んで行く。
人ごみをかき分けながらボクは後を追った。
不意に差し出される槇村さんの