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目から鱗だけど、改めて専門性とは何かを考えさせられる

ノープラン

こんにちは、こんばんは、おはようございます。

朝晩、涼しくなってきたのに、まだまだ昼間は暖かいので着るものを迷ってしまう日々です。

さて、プロフィールにも綴りましたが、僕は、介護保険のケアマネジャーを生業にしております。

介護の仕事に就いてから、ご利用者さんとの対話が必要と言いつつも、自分の力量不足を感じ、いろいろと学んできたわけです。そして、たくさんの人と面談を繰り返したり、アセスメントを追求したり、産業カウンセラーの資格を取得し、面接技術を追求したりしてきました。

その上で、技法を意識しながら面談を行えるようになってきたとは感じています。

また、おかげさまで研修や事例検討等、人前で話す機会にも恵まれました。

気がつけば、経験を重ねるほど、準備をし過ぎず、その場で起こることや対話の臨場感を感じながら進めていくようになっていきました。

最近では、事例検討する際は、事前に資料を確認することは、ほぼありません。面談前もなるべく、資料を確認し過ぎないようにしています。

いわゆるノープランに近いわけです。

これだけ聞くと、ちょっと慣れてきて怠慢や傲慢になってきたんじゃないのーって思いますよね。

ですが、なぜかしら、その方が自分の考えに固執せず、臨場感も感じ、思考が研ぎ澄まされ、明瞭になった気がします。

施しを考えない

はてさて、なんでだろうと思っていたところ、産業カウンセラーの仲間から一つの思想(手法)を教えてもらいました。

その思想は、オープンダイアローグ

ものすごーく簡単に説明すると、フィンランドの精神科発祥で、患者チームと専門家チームで、なんの申し合わせもなしに対話をする手法です。

とにかく、ノープランで専門的な情報提供もせず、解決させようとか治そうとしないことが前提です。

ノープランでいいの?解決とか考えなくていいの?ってことになると、すでに専門性とはなんなのか、自分がこれまで学んできたものはなんだったんだろうって感じがしちゃいますよね。

なので、事例で考えてみます。

ある日、友人と会うと、少し顔色が悪いようです。

僕 :「どうしたの?なんか顔色が悪いみたいだけど」

友人:「ああ、ちょっとね。最近眠れてないんだよ。」

僕 :「えーー、お前が?寝れない?」

友人:「この間さー、仕事でミスしちゃって。会社の上司からこっぴどく叱責されたんよ。で、周りの人にもすごく迷惑かけちゃったんだけど、その日から周りの目も冷ややかでさ。会社行くのがつらいんだよねー。」

僕 :「マジでー。大変だったねー。じゃあさー。まずは、会社の同僚や先輩にお菓子とか差し入れて、お詫びした後に、仕事でミスしないように原因究明したら、それを上司に相談してみたらどう?あと、夜、眠れてないと大変だから枕変えてみたりとかしたら?それでも大変なら精神科に行って相談して眠剤とかもらった方がいいんじゃない?」

友人:「・・・ん、うん。そうだね。とりあえず、気が向いたらやってみようかな・・・。」

さて、ここまでの話で、どう感じましたか?

いろいろな感じ方やご意見はあるでしょうが、多くの方は、こう思ったんじゃないでしょうか。

「答え出すのがはえーし、答えの量多い!」
「詳しいことわからないのに、なんでもわかってるみたいじゃない」

どうしても、相手に何をしてあげたいと思ったりすると、相手の話を聴かずにすぐに対策を考えがちな気がします。

他にも、自分の方がよくわかってるからなんとかしてあげようという上から目線の感覚(パターナリズム)が無意識に出ちゃってること、相手が悩みを打ち明けて整理することや自分で考える力を奪っているようにも思えます。

これによって、弱っている友人は、「誰も自分の話を聴いてくれないな」と感じ、相談することをあきらめることもあるでしょう。

いずれにせよ、相談した人の力を奪ってしまうことになるってことですかね。

故に、まずは、何をどうしようってことは考えず、ノープランで話をすることで、専門家は相談者を知る、相談者は、自分は何に困っているのかを考え、自然と頭が整理される。

まるで、専門性なんてないやんって感じるかもしれないですが、自身の知識や仮説をすぐに出さないで相手の様子を伺い、自然と整理されることを待つことを「意図的にする」って時点で専門的な関りな気もします。

それでも、「えー、整理されたからってーそれだけでいいのー」と思う方もいるでしょう。

まあまあ、ちょっと、待ってくださいな。

反射する

実は、次の段階があります。
それは、「リフレクティング(反射・反映)」

どういうことかと言うと、専門職にしっかりと話を聴いてもらって頭が整理できたところで、その話を聴いてどう感じ、どう考えたか専門職だけで話し合いするところを観察してもらいます。

そうすることで俯瞰して専門職の考えやアイディアを聴くことができる。さらに、その考えやアイディアでいいなと思ったものを挙げてもらったり、意見交換をしていくことで前向きに課題に向き合ってもらう感じです。

整理すると

・専門職チームと利用者チームに分かれてる。
・専門職チームは、対応策等出さず、ただ受容、共感しながら話を聴く。
・利用者さんの頭が整理されたら、専門職だけで考えやアイディアを検討しているところを観察してもらう。
・専門職が話し合っていた内容で共感できたことを意見交換していく。

となります。

これ、経験が長く対応策がたくさん想起される専門職ほどやってみてほしいなー。

ほんじゃ、また。


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