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昔愛用していたカメラが写すもの

パンデミックの最盛期、旅が出来なかった期間、私は一台のコンパクトデジタル・カメラと常に一緒であった。このカメラで4K動画を沢山撮り、会えない日本の家族と親類に、この町の四季を見せようと駆け回っていた。

しかし、家族は(町内会活動等に走り回っているため)インターネットさえも滅多に使用せず、動画を鑑賞する習慣も無い。私は動画を撮ることを止めた。そして、ミラーレス・カメラを購入したと同時にこのコンデジ・カメラを娘の一人に譲った。

八か月ぶりに再会した娘は、このカメラを二回しか使っていないと言う。携帯電話の方が彼女にとっては使いごごちが良いのだそうだ。

それならば、と返してもらうことにした。一旦人に譲り渡したものを返してもらうと言う行為は好まないが、

このコンデジは、私が何度も石畳に落としてしまっても、健気に頑張ってくれていた。リタイアするにはまだ早すぎる。

そして、先週末、バルト海沿いの庭園へ長距離サイクリングをした際に、昔のようにこのカメラを一緒に連れて行くことにした。


どんよりと肌寒い土曜日の午後、ボートが通過するつど、多少波が激しくなるバルト海の岩場。あまりに暗かったため、いずれの写真もかなり露出補正をしている


(ミラーレス撮影)ミラーレスを購入して最初に撮った近くの湖。この二枚を見比べるとミラーレスの写真のほうが輪郭が明瞭に感じられるが、見分けの付かないような写真も多い


波が多少高くなった時、静穏なバルト海、この海の塩分濃度は前海洋平均の塩分濃度(31.9パーミル)を遥かに下回っている


秘密のビーチのようである。この日、青空は一度も顔を出さなかったが、気温は18度と涼しかったため、サイクリング日和であったことは否めない


この日はどこまでも、いつまでもどんよりと曇っていた。晴れ渡っている日々には、お弁当を広げてピクニックをしている人々の姿が写るはずである


森を歩いていたら突然姿を現すバルト海、砂の大海原も良いが、このように控えめな様相にも心惹かれる


ペガサスならず白牛、この写真は何故かミラーレスで撮ってみたかった


この写真は、携帯電話で撮ったようにも感じられるがコンデジのものである


悪天候を多少なりとも明るく照らしてくれるものたち、数日間のうちには花びらを落としてしまうであろう。ストックホルムの短い夏の終わりを暗示している


この土地にあった博物館を覗いてみた。館内ではこの島の歴史が垣間見られた。こちらは昔の学校の教室である


この国を訪れた日本人観光客の中には、キッチンタオルを好んで購入してゆく人もいらっしゃるが、ここに座ってタオルを単調に織って行く作業はストレス解消にもなりそうである


晴天の日には森林浴という言葉が似合いそうな場所であったが、この日は涼しく湿った空気が森全体を覆っていた。シダの葉からジャングルを想起するのは私だけであろうか


カメラ懐古談にお付き合い下さり有難う御座いました。


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