【賛成?反対?】外国人労働者の受け入れ。
「外国人労働者の受け入れに、賛成ですか反対ですか??」
「うーーん、、、、賛成!!!」
「では、その理由はなんですか??」
「。。。。」(ちーん)
という方も多いのではないでしょうか。
仕事や家庭で手一杯で、考える余裕ないです!!
わかります、その苦労。。僕も30歳で平日は仕事しながらなので。
幸いにも僕はまだ独り身で家庭がないので、週末に時間を取ることができています。
そこで、今日は知りたい、学びたいという方に向けて、海外労働者受け入れについて説明します。
「えっ、自分には関係ないよね??」
と思っている方。
「そんなことないですよ。笑」
賛成、反対どちらでも良いのですが、感情的にではなく理性的に判断できるようになりたいもの。
そんなお手伝いができれば幸いです。本日は経済学的な視点に沿い説明していきます。
■日本の外国人受け入れ状況
日本の外国人数は2012年から2017年で203万人⇒256万人(126%増)、労働者数は68万人⇒128万人(188%増)
同様に推移すれば2022年には322万人(人口構成約2.5%)、2027年400万人超(人口構成3.5%)程度まで近づきます。
(引用元:News week 日本版:日本における外国人労働者受け入れの現状と今後の課題https://www.newsweekjapan.jp/kim_m/2020/01/post-7_1.php)
2019年には、出入国管理及び難民認定法(入管法)の改正が施行されました。
改正前は、技能実習で5年間の在留資格が与えられていた外国人の方は、法的に5年間しか日本の在留が認められておらず、
母国に帰国させられました。
法改正によって特定技能1号、2号という枠組みが設けられ、技能実習の延長として最大10年間日本に在留できるようになります。
ちなみに、政府が定めた特定技能1号の14対象業種受け入れ目標数は、
ざくっと30万人です。
今後外国人労働者の方々は更に増えていき、近い内には人口の5%程度になるかもしれません。
僕ら日本人に関係ないことではありません。
■外国人労働者は最低賃金と失業率を悪化させる??
さて、外国人受け入れの多くの人の心配ごとは、
「外国人によって単純労働が担われるようになると、日本人は仕事を奪われてしまうの??」
「外国人労働者が安い賃金で労働を行うと、日本の最低賃金も下がってしまうの??」
という質問かと思います。
中には、このようなタイトルで不安を過度に煽る記事もちらほら。
欧州で今、議論されていること、問題になっていることは日本の未来。
いざ5年後に感情的になるのでなく、理性的に判断した上で賛成・反対の立場を取りたいものです。
結論から言うと経済学的には、
「低技能移民の流入が、受入国の既存労働者の賃金と雇用を押し下げることはない。」
これが結論です。
特定の技能を持ち合わせていない移民の流入は、日本人の賃金を下げることも、失業率を悪化させることはもりません。
それは、米国科学アカデミー(アメリカで最も尊敬される学術団体)が報告しており、10年間の実証研究で証明されています。
「え、でも出稼ぎにくる労働者は裕福になるために、自分の国を飛び出して、受け入れ国よりも安い賃金で働くんじゃないの??」
という質問が聞こえてきそうです。
まず、地域間賃金格差は外国人が出稼ぎする理由にはなりません。これは、実証研究によって証明されています
基本的に国を出るという行為は、賃金以外の理由(紛争や戦争)などによって自国で生活することが、非常に危険な場合に発生します。
しかし、どうして安い賃金で働いても良いという人が存在するのに、賃金が悪化しないのか。
それは、経済学的に考えてみることが必要です。
■なぜ、失業率・最低賃金は悪化しないのか。
下の図は、いわゆる経済学的な労働需要・供給曲線です。
赤線=労働の需要曲線。賃金が下がれば下がるほど雇用主は雇用したくなるので、右肩下がり。
緑線=労働の供給曲線。僕ら労働者は給与が高い職につきたいので、右肩上がりとなります。
図を見ると、移民(外国人受け入れ)によって曲線が右にシフトしていることがわかります。
赤線の右シフト:同じ賃金でも労働者を雇用する量が増える。
緑線の右シフト:同じ賃金でも労働を提供したい労働者が増える。
つまり、移民を受け入れることで、労働供給が増えるだけでなく、労働需要も増えるんですね。
それが、雇用・賃金水準が下がらない背景です。
主に、4つの理由があります。
①海外受け入れ人材が消費するから。
②機械化が遅れるから。
③生産方式の編成。
④移民と受け入れ労働者の補完関係。
①労働需要の増加は、海外の受け入れ労働者が受け入れ国で消費をするからです。
人口が増える⇒消費が増える⇒雇用が増える。
という単純なロジックです。
②機械化の遅れは、実際にメキシコからアメリカへの移民の研究で実証研究がなされています。
安定的に低賃金労働者が供給されると、雇用主が機械化するインセンティブは低くなります。
そのため機械化が遅れ生産性が低いままでいるので、賃金も雇用もキープされます。
③生産方式の編成④移民と受入国労働者の関係性は似ています。
例えば、デンマークでは移民が肉体労働産業に従事することで本国労働者が、より複雑で高度な仕事に就くことができるようになりました。
つまり、単純な肉体労働や本国労働者がやりたがらない仕事を移民に任せることで、
自分自身は高度な職に就職する、もしくは現行の職でキャリアアップできるようになるんですね。
例えば、移民の方がベビーシッターのような新しいサービスを低賃金で行うようになり、
職場復帰やキャリアアップが容易になり賃金水準が上がるということは、実際に起きています。
■理性的に判断しよう。
外国人、移民の受け入れは、どうしても感情的な側面が強調されます。
文化が破壊される、雇用が奪われる、賃金が下がる。
と、すぐに批判的になるのは、ちょっと”大人気ない”ですね。。
要は、実態の掴めない何かを怖れて、感情的になっている状態です。
しかし、それではまともな議論ができません。
移民の受け入れは僕らの生活を豊かにする可能性さえあります。
その時に、
感情的に相手を非難し、自分を正当化する人
知識と事実に基づき、理性的な判断をする人
あたなはどちらの人物になりたいですか??
いろんな側面を学んだ上で、物事に対する考えや意見を持てるようななりたいですよね。
少しでも、そんなことを考えるきっかけにこのnoteがなれば幸いです。
海外受け入れ労働者は、決して対岸の話ではありません。
少しだけ考えてみてはいかがですか。
ではでは、本日はここまででした。
P.S
難民の実態について興味がある方は、是非さわぐりさんのブログを拝読してください。
難民の方々の本当の苦しみを知ることも大切なことだと思います。
<本日の参考文献>
最新の経済学がいかに世界の課題を捉えているのかを学びたい方!!
社会問題に興味がある方!!
正しい知識を身につけたい方!!
お試しあれ。
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