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どうする? 学校における統計データの活用まとめ

教育現場において、データの活用はますます重要になっています。特に統計データは、児童生徒の学習状況や成果を客観的に評価し、教育の質を向上させるために役立てることができます。

しかし、現場では依然として前例の踏襲による意思決定や、教師の主観的な「みとり」に基づいた指導が行われており、ますます多様化する児童生徒の実情や、目まぐるしく変化する社会に対応するために必要な手立てを打つことができていないケースが目立ちます。

もちろん統計データのみに頼ることはできませんが、各教師による「みとり」の正確性や、業務における意思決定を、データによって補強することで、指導の質の改善や、業務の円滑化や効率化に繋げることができます。

また、データを収集することで、比較的クラスサイズの大きな日本の教室においても、成績優秀な生徒や教師による指導対象になりやすい生徒のような「目立つ」生徒だけではなく、より多くの児童生徒の学習や生活面での実情を把握し、支援することが可能になります。

統計といっても、必ずしも専門的な知識を必要とするものばかりではありません。
以下にいくつかの事例をご紹介します。

学習進度や理解度の追跡のためのデータ活用


統計データを活用することで、個々の学習進捗を追跡し、学習に遅れが目立つ児童生徒や、より高度な学習の準備ができている児童生徒を特定することができます。

ここでは、授業で問題演習を行なう際に、Google フォーム などのオンライン フォームを活用する利点を考えてみましょう。

一般的な教室では、児童生徒が問題演習に取り組み、教師による解説を経て、各自で答え合わせをするという光景がよくみられます。教師は机間巡視を行ったり、児童生徒とのやりとりの中で、学習のつまずきを把握しようと努めますが、それぞれの手元で、どのような解答が出てきているか、またどのような問題でつまずいているかを具体的に把握することは簡単ではありません。

しかし、児童生徒の解答を オンライン フォームで収集することで、どのような誤答が多いのか、どの内容が理解されていないのかをデータに基づいて判断することができるようになります。

また、テストモードなどを活用し、最後にその日の授業における要点を問うようなクイズ(Exit ticket)を行うことで、重要なポイントを児童生徒が理解しているのかを、データに基づいて判断することができるようになります。例えば、Google フォーム のテストモードでは、児童生徒の解答を自動で採点し、返却することができるので、手軽に理解状況を把握することができます。

記述式の解答を求めたい場合は、児童生徒の解答データを収集し、テキスト マイニングを行うことで、どのようなキーワードが挙げられているのかなどの傾向を掴み取ることができます。

このように得られた統計データを活用して、児童生徒の理解が覚束ないポイントを次の授業の冒頭で復習するなど、授業プランに役立てたり、教師による説明の仕方を変えたり、より理解の進むような具体例を提示したりと、様々な方法で教師の指導や児童生徒の学習を改善することが可能です。

統計データを活用することで、従来では教師の感覚頼りで、把握することが難しかった児童生徒の理解度を、より鮮明に把握することができるようになり、個々に合わせた適切なサポートやチャレンジを提供できます!


株式会社エデュテクノロジーでは、児童生徒から集めたデータを学びにつなげるため、学習用端末を含めた ICT 機器の環境デザインや活用マニュアル等のハード設計から、ICT やデータの強みを活かした授業デザイン等のソフトウエア設計までトータルに支援する「教育DXコンサルティング」を提供しています。長年培った経験とノウハウで、これからも児童生徒の学力向上に向けた「学びと ICT 」について、学校と教育委員会へのサポートを行っていきたいと考えています。

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