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【小説】オオカミ様の日常

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自作小説『街風』にも登場した大神(オオカミ)様が主役の物語。 個性が強すぎる他の大神様たち、自分の下で働くミカのような神様たち、神様になりたてのカナエとタマ、様々なことに巻き込…
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【小説】 オオカミ様の日常 第8話 「オオカミ様は起こされる」

【小説】 オオカミ様の日常 第8話 「オオカミ様は起こされる」

 「ねえねえ、本当に入って良かったの?」

 「大丈夫だよ。おいで。」

 2人はひそひそと話しながら、勝手に社へと入っていった。いや、勝手というのは少し違うだろう。きちんと門前で何度も挨拶をしたのに、家主からの返事が一向に返ってこなかったので、しびれを切らして社の中へと入ったのだった。

 「ねー、ねー、ネズちゃん。あのおじいちゃんのオオカミ様を一目見てほしいってどういうことなの。オオカミ様とは

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【小説】 オオカミ様の日常 第7話 「オオカミ様は紹介する」

【小説】 オオカミ様の日常 第7話 「オオカミ様は紹介する」

 「おはようございます!」

 オオカミ様は、まだ戻らないオオカミ姿の自分の毛並みを愛おしそうに毛繕いしていた。相変わらず戻るような気配も無い姿に、半ば諦めのようなものも感じていた。朝陽が差し込む大広間で寛いでいた頃に、その声は社の入り口から聞こえた。

 「入ってきてよいぞ。」

 社の入り口に届くように大きく吠えて声の主がやってくるのを待つ。今日は12月も終わりに近づいていたが、差し込んでくる

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【小説】 オオカミ様の日常 第6話 「オオカミ様は帰宅する」

【小説】 オオカミ様の日常 第6話 「オオカミ様は帰宅する」

 オオカミ様たちは無事に帰ってきた。

 思えば、クチナワとタツミという大神2人と1日にまとめて会うのは、平定に向かった時以来のことだった。大神の中でも強大な神力を持つ2人と会ったせいか、いつも以上にひどく疲れていたオオカミ様は今すぐにでも寝たい気分だった。

 「今日はありがとうございました!」

 ミカとカナエはオオカミ様の背中から降りると、オオカミ様にお辞儀をした。

 「わしも良い息抜きに

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【小説】 オオカミ様の日常 第5話 「オオカミ様は吠える」

 クチナワの治める地方から更に西へと向かう。疲れてはいないが休み無しで大空を駆けるオオカミ様は、背中で呑気にガールズトークを楽しんでいる2人に呆れている。

 「やれやれ。これから向かう地方は、”歪み” の生じた忌み地であるというのに。タツミが治めているから大丈夫だとは思うが…。」

 オオカミ様の独り言は、ミカとカナエの耳にも聞こえた。ミカは、興味津々にオオカミ様に質問をした。

 「オオカミ様

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【小説】 オオカミ様の日常 第4話 「オオカミ様は目が眩む」

【小説】 オオカミ様の日常 第4話 「オオカミ様は目が眩む」

 「ミカちゃんとこんなに早く再会できるなんて思いもしなかった。とても嬉しい。新しい街はどんなところなの。」

 「私も嬉しい。ちょっと引き継ぎとか色々とあって、引っ越し準備ができてなくてごめんね。新しい街はまだゆっくりと見れていないけれど、悪くないところだよ。でも、ミカちゃんの街には長年いたから居心地良いし、いつかまた遊びに行きたいと思ってる。」

 カナエとミカはオオカミ様の背中で楽しそうにおし

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【小説】 オオカミ様の日常 第3話 「オオカミ様は呆れる」

【小説】 オオカミ様の日常 第3話 「オオカミ様は呆れる」

 「そろそろ着きそうだね。」

 オオカミ様の背中から、タマは自分の住んでいた街を見下ろした。いつも日向ぼっこをしていた自分の元住処だった寺を見つけると、自分の街に戻ってきたことが分かった。カナエは、自分の住んでいた街や通っていた学校を指差しては嬉しそうにタマに教えてあげていた。

 自分の社から大空を駆けていたオオカミ様は、目的地である街の端にある小さな祠を見つけると、ゆっくりと下へ下へと向かっ

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【小説】 オオカミ様の日常 第2話 「オオカミ様は説明する」

【小説】 オオカミ様の日常 第2話 「オオカミ様は説明する」

 小鳥のさえずりが遠くから聞こえる。

 オオカミ様はパチリと目を覚ますと、寝た姿勢のまま大きく伸びをした。伸ばした自分の足先を見ると、慌てて飛び起きた。

 「まだ ”この姿” のままか!」

 寝室に置いてある鏡に近づくと、恐る恐る自分の映った姿を覗き込んだ。そこにはピンと耳を立てた真っ白なオオカミの姿があった。オオカミ様が自分の姿を確認すると、鏡の中のオオカミはしょんぼりと耳を垂らしていた。

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【小説】オオカミ様の日常 第1話 「オオカミ様は疲れてる」

【小説】オオカミ様の日常 第1話 「オオカミ様は疲れてる」

「ああー。疲れた。」

久しぶりにオオカミの姿になった大神様は、自分の社へ帰宅するとぐったりした。そして、自分の寝室へと向かい布団の上でとぐろを巻くように丸まると、自分のフサフサとした毛並みを愛おしそうにペロペロと毛繕いした。あまりに疲れきっていたのか、そのままスヤスヤと寝息を立てて眠りについてしまった。

「おはよー!」

朝陽がすっかり昇りきった頃、オオカミ様の社に元気

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