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世界の素敵な処方箋

「薬づけ医療」とも言われる現代の医療。
そこに私もいつも違和感を感じていました。

もちろん薬は必要です。
私の専門である、免疫領域の治療では、たくさんの免疫を調整する薬の開発、進歩が進み、多くの病気をコントロールできるようになっています。
これは素晴らしいことです。

ただここで勘違いしてはいけないのは
決してそれは根本を治療したことにはなっていないこと。

“病気をコントロール”しただけです。

病気をコントロールしたなら、
次にその根本的原因を考えるべきです。

医師に、『なぜこんな病気になったんでしょう?』と聞いたことがある人もいるかもしれません。
『原因はわかっていません。』
『誰にでも起こり得る病気です。』
『遺伝の要素も少しあるかもしれません。』

そう答えられると、『なら仕方ないか。』
となってしまうかもしれません。

もちろん原因はこれ!
と言えるほど単純な病気はありません。
でもあらゆる要因が積み重なって
その病気が起きていることは間違いありません。
そのあらゆる要因を
一緒に考えてくれる医者が少なくないですか?
でもそれは病院で働いていると仕方がないことかもしれません。病院にはたくさんの急を要する患者さんもおられます。

だから役割を割り振ればいいと思います。
急性期を治療する医師。
その後のその人のトータルを整える医師。

このように医師が理解した上で
薬などを出していればいいですが、
多くは後者の必要性や存在にも気づいていない先生が多いこと。そこが問題。

わたしは、もちろん前者にもやりがいを感じていましたが、診断をつけて、薬を出した後、その方がどのように幸せに、そして健康に過ごしていくのかがとても気になりました。
今回の病気が起きた
あらゆる要因を1人1人一緒に考えたい。
そしてその病気だけでなく、他の病も予防できるように1人1人の身体を丁寧に整えていきたい。

そんな思いで
大きな市中病院での勤務を離れ、いまに至ります。

前置きが長くなりましたが、
海外で話題の医師が出す【社会的処方箋】
聞いたことありますか?

これまでのブログにも記載していますが、
病気を直すのは薬だけではありません。
人間関係や自然、アート。

病気はあらゆる要因からやってきます。
社会の変化や経済の問題、家庭の事情など。
これらの私たちを取り巻くさまざまな要因が、
健康や幸福感に大きな影響を及ぼします。
そうした場合「薬」だけでは解決できないことが
多いのも事実。

そんな中、海外では薬の処方だけではなく
【社会的処方】によってメンタルヘルスの回復や健康を実現するアプローチがあるんです。
素敵すぎません?

世界の「社会的処方箋」アイデア

1.美術館や博物館に無料入場できる「アート処方箋」

アート鑑賞は、不安や抑うつを軽減し、幸福感をもたらすという研究もありますが、ベルギーの首都、ブリュッセルでは、医師が患者に「美術館や博物館への無料入場」を処方する試験的プロジェクトを2021年に実施。
カナダでも、カナダ医師会とモントリオール美術館が提携して行っている「美術館の処方箋」があるそう。

2.オーダーメイドのクラシックコンサート「ミュージック処方箋」

イギリスでの取り組み。聞く人の気分やテーマに応じて、30分間のピアノと歌のオーダーメイド生演奏を提供する。団体名は、Song Surgery。(歌の手術)

3.スコットランド森林局の「森林浴処方箋」

スコットランド森林局は、メンタルヘルスの屋外治療プログラムを提供。週3日、3か月のプログラムで、森林のなかでのウォーキングや太極拳などの身体活動、鳥小屋作りや焚火などのクラフト作り、写真撮影や柳の彫刻などの環境芸術などに取り組むそう。素敵ー🦢🪵🤍

4.自然で過ごす時間の「自然処方箋」

カナダで2020年から処方箋。医師が患者に対して「自然のなかで過ごすこと」を処方するだって。
患者がこの団体Park Prescriptions(PaRx)のプラットフォームに登録すると、1人ひとりに最適な【自然処方】のアドバイスを受けたり、自然体験時間を記録したりできるそう。

5.お金の苦労を和らげる「ファイナンシャル・アドバイス処方箋」

心身の健康と経済問題は密接です。
ロンドンのランベス区とサザーク区では、こうした課題を抱える患者に対して、一般開業医が【ファイナンシャル・アドバイス・セッション】を処方することができるようになっているよう。
すでに約500人が、給付金の請求、補助金の取得、借金の処理などの支援を受けているという。
すごい取り組み。

6.サーフィン、ローラースケート、ダンスなど若者向け「アクティビティ処方箋」

こちらもイギリスの取り組み。不安や抑うつ状態を感じている11歳から18歳の若者600人を対象に、本格的な医療を開始する前に、症状を悪化させないためサーフィンやローラースケート、ガーデニング、音楽、ダンス、エクササイズなどの各種活動に参加させる社会実験を開始したと。
これまでの小規模実験では、こうした社会的処方によって個人的・精神的なウェルビーイングが改善し、孤独感が軽減したと報告されているみたい。

「社会的処方箋」の可能性

6 Best Doctor in the World
SUN
REST
EXERCISE
DIET
SELF RESPECT
REAL FRIENDS

これらを感じる処方箋。
もちろん自分たちで趣味や好きなことに打ち込むことでリフレッシュもできるでしょう。
でも気分が落ち込んでいるとき、
健康ではないと言われた時こそ、
医師がこのような手段を提示してくれたら。
薬の効果だって相乗効果で上がりそう。

日本ではまだこのような処方箋は出せませんが、
世界ではこれらの自然、アート、孤独感の改善が
医学的に、薬の処方箋と同様に、とても重要であるとされていることの現れでしょう。
ぜひ自分が自分の主治医になって、
こんな処方箋を自分に出してあげてください🤍

Have a nice day🤍

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その人の好きなものや生活スタイル、食事や趣味まで。できるだけその人をたくさん知る。そして病気ではなく、その『人』を診る。現代の日本のような”治療=西洋医学”ではなく、自身の自然治癒力を高める栄養療法なども用いた【バランスメディカル】の重要性を伝える『病気にさせない内科医』るり先生。問診や血液検査などにより疾患の原因を追究し、その原因に対する根本的治療を行っている。2021年から栄養療法を開始 ライナスポーリング博士の提唱する分子整合栄養医学を医療に取り入れた観点からのバランスメディカルを展開する。がんや糖尿病、リウマチ疾患、精神疾患まで幅広い患者を治療している。

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