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子どもの頃の思い出

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私の書いた記事のうち、主に高校生までの思い出に関するものをまとめたものです。但し、続き物については大学以降のものもこちらに収録しています。
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2023年9月の記事一覧

不思議な葉っぱ

不思議な葉っぱ

これは私が中学生の頃の話。私は、部活が終わって家へ帰る途中だった。帰り道の最後の方は、1km以上の連続した登り坂。ママチャリでは立ち漕ぎでもキツく、いつも諦めて押し歩きをしていた。そして、旧道と合流する場所で休憩する。旧道を通る車を見たことはなく、居るとしてもきっと林業など必要に応じて入る程度だろう。だからこそ、その旧道への分岐点はちょうどいい休憩地点となっていた。
自転車の押し歩きに疲れていた私

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初恋(2)

初恋(2)

初恋とはどれを指すのだろう?前回は幼稚園生の頃の話を綴ったが、これを初恋とは認めない人も居るだろう。所詮は幼稚園生で、恋愛感情というものもよく分かっていなかったはずだ。
初めて恋愛感情を持って好きだと思ったことを初恋と呼ぶならば、私にはそれもある。今回はそれを綴っていく。

それは私が小学3年生になった頃。とある女子と同じクラスになった。一目惚れだ。理由は今でも覚えていない。女子と話すきっかけもそ

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初恋(1)

初恋(1)

初恋とは、どのことを指すのだろう?初恋を私の手元にある古い辞書で引くと「その人にとって初めての恋」と書かれており、更に「恋」を辞書で引くと「ある異性に憧れ、慕う気持ち」と出てきた。今では多様な恋愛感情が知られているので、今ではきっと辞書の表現は違ったものになっているのだろう。兎にも角にも、私にとってそれを「恋」だと思った最初のときを綴ってみる。

それは幼稚園生の年中の頃。とある同い年の女の子とよ

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現実に染まる夢

現実に染まる夢

※これは、変化した夢と現実 の続きです。

大学で、教えるよりも研究する方が私には合っていると感じ、私は大学院へ進学した。教育について専門的に検定するという訳ではない。数学の研究だ。
しかし、大学は教育系で、私の居た学科では教育にまつわることも学ぶため、その分教科の専門的な内容までは学べない。具体的に言えば、私の居た学科4年間で学んだ内容は、理学部で言えば2年生前期ぐらいのレベルに相当する。学部の

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変化した夢と現実

変化した夢と現実

※これは、子どもの頃に抱いた「将来の夢」の続きです。

子どもの頃に描いた「将来の夢」。それを諦めるというよりは保留した私は、幅広い選択を取れる普通科高校へ進学することにした。だが、その直前。当時中学3年生である私達の担任の先生が、ちょうど私達の卒業と共に定年退職されることを知った。その先生から学んだことは色々あった。そして卒業式のときにこう思った。
「私達と一緒に卒業し、教師として有終の美を飾っ

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子どもの頃に抱いた「将来の夢」

子どもの頃に抱いた「将来の夢」

子どもの頃の将来の夢は何だっただろうか?小学校に入る前なら、「〇〇くん(または〇〇ちゃん)と結婚する!」みたいな微笑ましいものや、〇〇屋さんみたいなお店、スポーツ選手やパイロットなど、テレビで見るような仕事を言う子が多いだろう。きっと私もその一人、当時のことは覚えていない。
だが、小学校高学年の頃に抱いた、今でもハッキリと覚えている将来の夢がある。当時、ゲームボーイでポケットモンスターが流行してい

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通学路にあった不思議

通学路にあった不思議

これは私が小学校低学年の頃の話。当時は小学校から約4km離れた地域に住んでおり、地区内で班をつくって登校していた。下校は時間帯が異なるので同じ地区であったり、家の方向が近かったりする同級生と下校していた。
それは梅雨に入る前だっただろうか、一見するといつもと同じ通学路に思えた。いや、見た目は変わっていない。通学路の途中で公民館の横を通るのだが、そこに近づくとある匂いがするのだ。バナナの匂いだ。しか

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利き腕に着けた腕時計

今ではスマートウォッチなるものがあり、改札で便利だからと右手首に腕時計を着ける人が増えてきたように思える。しかし、日本では基本的に利き腕の逆側の手首に腕時計を着けるのが一般的で、右手首に腕時計を着ける人は左利き、と考えるのが普通だった。
しかし私は、右利きにも拘わらずずっと前から右手首に腕時計を着ける習慣がある。何故かその方がしっくりくるのだ。そのルーツを振り返ってみる。

それはまだ小学校に上が

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第二次性徴と母の気遣い

私は、成長期は割と人並みのタイミングに来たように思う。背が急に伸びたのは中学1年生の頃。最初の4ヶ月で8cmは伸びた。声は中学2年生か中学3年生か、気付いたらもう変わっていた。だが、中学生の頃に来なかったものが1つある。
保健体育の保健で、それを中学1年生の時に教わった。体が大人に成長していく過程で、大抵の人は経験するのだと、そう聞いていた。でも、中学3年になっていた私にそれが来た実感はなかった。

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子どもの頃に好きだった食べ物

子どもの頃に好きだった食べ物

それは私が5歳ぐらいだった頃の話。両親に連れられ、父方の祖父母宅を訪れていた時のことだ。
祖母から、
「〇〇くん、好きな食べ物は?」
と聞かれた。当時のことを覚えていないが、私は
「カボチャ!」
と答えたそうだ。祖母は困惑する。そう、5歳ぐらいの子どもの好きそうなものと言えば、ハンバーグだったりお子様ランチだったり、そんな「子どもらしさ」を感じるものだろう。
その場では何も無かったが、母は父方の祖

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名前の由来

名前の由来

私は、私の名前が好きではない。理由は、名前負けしていて劣等感を覚えるからだ。その名前の由来について、母に尋ねたことがある。
「僕の名前ってどういう風に付けたの?」
と。母は教えてくれた。この名前は、考えていた数ある名前の候補のうちの1つで、母としては別の名前を付けたいと考えていたのだ、と。しかし、母の父、つまり私にとっての祖父が譲らず、今の名前になったのだ、と。母が付けたがっていた名前も聞いた。素

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遠足の思い出 高1

学校行事に「遠足」というものがある。公園であったり、その地のことが学べる場所であったり、行先は様々だ。そんな遠足で、記憶に残っていることがある。

それは確か高校1年生の頃。遠足の行程には様々な場所があったが、その中にとある醸造所の見学が入っていた。その町は醸造で有名という訳では無いのだが、知る人ぞ知る名酒の醸造所がその町にはあった。高校生なのだから、試飲などできる訳でもない。きっと教師自身が見た

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編み物への興味

編み物への興味

一時期、編み物に興味を持ったことがある。年子の姉がおり、その姉が編み物をやっていたので、男である私も興味を持ったのだった。
編み物には、一般的に「編み物」といったときに想像する、2本の棒を使った棒編みと、カギ針という1本の棒で編むカギ針編みというものがある。棒編みは思った通り難しいらしい。私は姉からカギ針編みを教わった。
当時、私は高校3年だっただろうか、受験勉強そっちのけで編み物をする私を、同級

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リベンジ!二度目のカラオケ 大学1年

リベンジ!二度目のカラオケ 大学1年

※この話は、「初めてのカラオケ 高1」の続きの内容です。そちらを読んでからだとより一層楽しめます。

人生初めてのカラオケを高校1年生の頃に経験した私は、それからカラオケに行くことなく、大学に進学した。
そして、大学ではとあるサークルに所属し、新入生歓迎会の二次会でカラオケに行くことになった。私の脳裏には高校生の頃の嫌な思い出が蘇る。
大所帯だったので、いくつかの個室に別れて入る。一部屋の人数は5

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