遠足の思い出 高1

学校行事に「遠足」というものがある。公園であったり、その地のことが学べる場所であったり、行先は様々だ。そんな遠足で、記憶に残っていることがある。

それは確か高校1年生の頃。遠足の行程には様々な場所があったが、その中にとある醸造所の見学が入っていた。その町は醸造で有名という訳では無いのだが、知る人ぞ知る名酒の醸造所がその町にはあった。高校生なのだから、試飲などできる訳でもない。きっと教師自身が見たくてこの行程に組み込んだのだろう。
様々な場所を巡り、その中で醸造所へ赴く。お酒の作り方など全く知らず、分からないことだらけだった。そして見学は進む。不意に酒精の匂いが強くなる。私は気分が悪くなってきた。それからのことは覚えていない。

私の父は酒好きだが、飲むとすぐ赤くなる。私は、そんな父の血を継ぎ、下戸であった。アルコールの匂いで気分が悪くなるぐらいに。
アルコールへの耐性は、アルコールパッチテストなどで調べることができる。遠足の行程は事前に決まっていたのだから、せめて事前に生徒にアルコールパッチテストをして、アルコールの匂いへの対策などが出来なかったのだろうか。酒好きの多い地域だからこそ、そういう配慮をして欲しいと、今では思わずにいられない。