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#ブックレビュー

『最悪の予感』パンデミックとの戦いを読んで

『最悪の予感』パンデミックとの戦いを読んで

なかなか収束しない新型コロナウィルスに、先の見えない不安を感じ、専門家と名乗る医師やSNSなどの不明瞭な情報に振り回され、今まで味わったことのない恐怖を感じている人は多いと思う。私も間違えなくその一人である。

コロナ対策に失敗した印象のアメリカだが、コロナ渦になる随分と前から感染症のパンデミックへの備えを熱意をもって研究している人がいたことをこの本で知った。それも無名の保健衛生官や医師、研究者た

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ブックレビュー『はかれないものをはかる』

ブックレビュー『はかれないものをはかる』

奇しくも、この本を読んだ後に音声メディアvoicyの澤円さんの放送で
「自分を測る単位を知ると幸せになる」という回を聴いた。

人を測る単位として「お金」はよく使われるが、
稼いでる人ほど、そして幸せな人ほど、人を測る単位が「お金」ではない。

一方、命や愛は、はかる単位がありません。
はかれないものをはかるには、自分なりの天秤が必要で
自分独自の天秤を持っている人は幸せだと思う。

私がこの本で

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ブックレビュー『宇宙に行くことは地球を知ること』

ブックレビュー『宇宙に行くことは地球を知ること』

宇宙に行きたいなんて思ったことは一度もない。
冬の透き通った夜空に輝く星を眺めたり、真っ暗な空にぽっかり浮かぶ月を見つけると、いつも幸せな気持ちになるのに、不思議とその宇宙に行ける未来を想像したことは一度もない。
最近では、民間人が気軽に宇宙に行く未来も現実の話しになってはいるけれど、私にとってはお金持ちの、そして欲張りな人間の行為としか捉えていなかった。

一方、矢野さんは、素直な興味で宇宙に行

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ブックレビュー『女は太もも』

ブックレビュー『女は太もも』

田辺聖子さんの『女は太もも』を読んだ。

下ネタ満載のエッセイなのだが、田辺さんの人柄なのか、計算しつくされた文章力だからなのか、はたまたカモカのおっちゃんとの掛け合いがユーモアたっぷりだからか、下ネタなのに全く下品な印象はなく、むしろ、こんな風に男と女の性について楽しく話せる友人がいることへの憧れすら覚えた。

男女の性欲の違いは、昔より色々と目にする機会の増えた時代ではあるが、やはり性のことを

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ブックレビュー『ドリアン・グレイの肖像』

ブックレビュー『ドリアン・グレイの肖像』

古典文学を味わおうと今回、選んだのはオスカー・ワイルド著『ドリアン・グレイの肖像』 色々な人の翻訳本が出ているし、映画化もされた世界中で読まれている作品だ。

この本で描かれる「耽美主義」は、私にとっては学校の歴史の授業で習ったくらいの知識しかなかったのだが、この本を通して、その時代の人々がいかに「美」に重きをおき、芸術や享楽を求めたかが描かれていて興味深かった。
現代でも美しいものへの崇拝や憧れ

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ブックレビュー『宇宙は何でできているか』

前に「勝手に斎藤塾」という投稿をした。https://note.com/dori_jiritsu/n/n4843684debdc

それは『大人のための読書の全技術』に書かれていた「社会人が読むべき50冊」から毎週1冊ずつ読んで、ブックレビューを投稿しようと始めたもので、まず1冊目に選んだのが村山斉著『宇宙は何でできているか』という本。

私は学生の頃から、物理にも化学にも全く興味がなく、このよう

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勝手に「斎藤孝塾」

勝手に「斎藤孝塾」

毎日このnoteにブログを書き続けていると
「自分の文章力を上げたい」
「話の引き出しを広げたい」
と強く感じるようになってきた。

私は斎藤孝さんの本が大好きで、最近では、
「大人のための全技術シリーズ」は何度も読み返した。
学生の頃に彼のような先生に出会えたらよかったのにと思うほど
彼の考え方、勉強方法などを尊敬している。

そこで2021年の後半は、あらたな目標として、
斎藤孝さんが推奨して

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ブックレビュー『メイドの手帖』

ブックレビュー『メイドの手帖』

この本を手にした最初は、シングルマザーが幼子を抱えながらメイドの仕事をしつつ、しかも勉強して大学に通う姿に感動し、勇気をもらえるような実話の感動ストーリーだと思っていた。

まず私が驚いたのは、アメリカにおいてメイドという仕事に対する差別的な扱いがあるということ。私が映画の中で知るメイドたちは、優しくて大らかで、ちょっぴり太ってて。仕事で留守がちな両親に代わって、子供たちの心の支えとなっているよう

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ブックレビュー『家族のトリセツ』

ブックレビュー『家族のトリセツ』

最近読んだ本で、意外にも心に沁みた本が『家族のトリセツ』だ。

今の私の基本的な行動指針となっているのは、「アドラー心理学」なのだが、難解で、生涯をかけて真の意味を理解していくようなもので、
まして、これを遂行するには、強い決意と努力が求められる。
一方、『家族のトリセツ』は私の中で、ストンと腑に落ちて理解しやすかった。

心に残ったことは、
「家族」こそ、失敗を許してあげる唯一の場所であるべき。

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