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名もなき日々を過ごす生活

アラームの音で目覚めれば、そこには何の変哲もない日常が顔をだす。外からは、朝を知らせる小鳥のさえずりが聞こえてくる。

新たな一日が始まった。

起きるのが億劫だなと感じながらも、そろそろ動き出さなければ、今日という日に出遅れてしまう。そう、2限から授業があるのだ。よし、ベッドから出るとしよう。

一階に降りたらすぐに洗面所に向かい、洗顔と寝ぐせ直しとコンタクトを付ける。その後自部屋に戻り、その日のコーディネートを決める。とは言っても大体決まっているので迷うことはない。

ちなみに朝食は食べない。そもそもお腹がすいていないからだ。

ん~、少し時間があるなぁ。簡単にベッドメイキングと部屋の整理でもしよう。実はこれが意外といい。心が整う感覚を味わえるからだ。

お、そろそろ出発の時間だ。じゃあ行ってきます。玄関の戸を押し、その日初めて外の空気に触れる。東から射す日の光が、心地よさを与えてくれる。


倉庫から自転車を出し、まずは駅へ向かう。自転車よ、今日もよろしくな。見慣れた地元の田園風景を眺めながら、自転車をこいでゆく。

10分ほどして駐輪場に着いた。先着の自転車やバイクが所狭しと置かれている。置ける場所あるかなぁ…。あぁ、あったあった。やっぱ平日は利用する人が多い。

俺の最寄り駅は、開業してまだ10年もたっていない新しい駅で、その周辺も開発が進められている。だからきっとこの街を出ていく頃には、もっと様変わりをしているんだろうなぁ、なんて考えたりする。

駅のホームで待っていると、聞き慣れたアナウンスが流れてきた。まもなく電車が参るようだ。

電車に乗ってシートに腰をかける。この時間帯はラッシュじゃないから席にゆとりがある。最高だ。

見飽きるほど見ている車窓からの景色だが、それが落ち着くのだ。それに意外と新しい発見もあったりする。

にしてもこの時間帯に乗っている人たちってやっぱり学生なのだろうか?でもサラリーマン風の人も多い。時差通勤だろうか?

そんなこんなで1時間かけて大学へと向かう。意外とこの1時間って大きいんだよなぁ。そう考えると、オンライン授業は楽だよなぁ。


大学の最寄り駅で友達と落ち合う。相変わらず背が低いから人混みに紛れて見えなかったよ。

大学に着いた。緑あふれる落ち着きのあるキャンパスは俺のお気に入りだ。このキャンパスに来るたび、この大学に入ってよかったと思う。

いつものように授業は惰性で受ける。90分が長い…。大講義であればスマホをいじっていればいいのだが、それがやりづらい授業なのだ。

ようやく終わった。昼だ。外にあるベンチに腰掛けながら何を食べるか友達と話す。

キャンパス周辺には、実は美味しい料理屋が立ち並んでいるので、意外と飽きなかったりする。

じゃあ、あそこ行こうぜ。行き先が決まった。回転しない寿司屋だ。ここの寿司屋の海鮮丼が美味いんだ。


腹が満たされた。さぁ、我が地元に帰ろうじゃないか。駅へと向かいながら、友達と他愛もない会話をする。

ほんとにコイツとする会話は中身がすっからかんなのだが、でもそれがおもしろい。気の置けない友達との会話って全然覚えていないんだけど、楽しいんだよな。

この時間帯は電車が空いているからいいな。いつもこのくらい空いていればいいのに。なんか、だんだん眠くなってきたな…。

目を覚ますと、ちょうど地元の駅に着いていた。危うく乗り過ごすところだった。

今日はバイトがあるのだが、まだ時間に余裕がある。というか、ありすぎる。一旦家に帰ろう。

朝来た道を、再び自転車で疾走していく。相変わらず田んぼしかないな〜ここは。


我が家に帰ってきた。そそくさと自部屋に行き、靴下を脱ぐ。暑くてしょうがない。さて、小一時間昼寝でもするか。

だいぶ寝た気がする。そろそろバイトに行く準備をしなければ。

バイト先は、駅前にある。学習塾で働いている。元々、人に何かを教えるのが得意だったし好きだったので、このバイトは楽しんでやることが出来ている。

大体は英語を教えている。たまに国語と社会も。このバイトを始めてものすごく感じたのが、実は「教える」ことが1番の勉強になっているということだ。

バイトが終わった。今日もわかりやすく教えられたかな??さて、マイスイートホームに帰ろう。


帰ってから遅めの夕食をとる。今日はデミグラスハンバーグ。母の作るハンバーグが1番美味くて好きだ。

夕食が終わったら、今日の疲れを癒すために風呂に入る。窓を少し開けて、夏の夜風を感じながら湯船に浸かるのは最高だ。

風呂に入ってさっぱりしたら、自部屋に戻り就寝の準備をする。


今日という1日が終わりを迎えようとしている。365日分の1。それはそれは平凡な日。でも我々は、一日一日を確かに生きている。

名もなき日々を過ごす日常こそ、実はかけがえのないものなのかもしれない。

特段何もなくたって、「毎日がスペシャル」なのだから。

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