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Late for the Sky

今から40数年前の、まだ携帯もSNSもない頃のオールド・ファッションなラヴ・ストーリー。旅先の九州で運命的な出会いを果たした二人。数ヶ月後の再開の後、遠距離恋愛にも…

nyaho
5か月前
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風にさらわれた恋(4)

―今から40数年前の、まだ携帯もSNSもない頃のオールド・ファッションなラヴ・ストーリー レイト・フォー・ザ・スカイ(36) 教授に最後の挨拶に行った。何故か晴れやかな…

nyaho
2年前
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風にさらわれた恋(3)

―今から40数年前の、まだ携帯もSNSもない頃のオールド・ファッションなラヴ・ストーリー 翌週、教授の研究室に呼び出された。少し面倒な事になってしまった。提出したド…

nyaho
2年前
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風にさらわれた恋(2)

―今から40数年前の、まだ携帯もSNSもない頃のオールド・ファッションなラヴ・ストーリー ロング・ディスタンス・ラブ(18) すぐに会えると思っていた。が、そうではなか…

nyaho
2年前
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風にさらわれた恋(1)

―今から40数年前の、まだ携帯もSNSもない頃のオールド・ファッションなラヴ・ストーリー 雨のウェンズディ(2) 脱臼した時間の中にいた。時と時の狭間のエアーポケットに…

nyaho
2年前
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Bonnie Raittの三大バラード

ボニー・レイト、エミル―・ハリス、ルシンダ・ウィリアムスのライブをみてみたいが、日本では無理だろう。日本でのファンの数は各々精々1,000人いるかどうか。箱としては…

nyaho
3年前
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僕と「僕とカミンスキー」

初めに。とある社会人講座の独語演習で、Daniel Kehlmannの”Ich und Kaminski”を2年かけて読破した。その記念として、感想文をここに残す。 マチスの弟子にして最後の…

nyaho
3年前
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EAGLES Now and Then

Eaglesの新譜が10月に出る。確か去年の9月から「Hotel California」全曲再現ツアーを続けていたので、てっきりそれのlive盤かと思ったら、そうではなく2018年9月のlive。…

nyaho
3年前
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Late for the Sky

今から40数年前の、まだ携帯もSNSもない頃のオールド・ファッションなラヴ・ストーリー。旅先の九州で運命的な出会いを果たした二人。数ヶ月後の再開の後、遠距離恋愛にも関わらず、順調に愛を育んでいたが…。


雲行きが怪しくなってきたのは薄々感じていた。クリスマス以来会っていなかった。と言うのは、千恵子が長野市内から野尻湖の近くの系列の病院に移ったからだ。転勤の代わりに彼女は正社員の座を手に入れた。

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風にさらわれた恋(4)

風にさらわれた恋(4)

―今から40数年前の、まだ携帯もSNSもない頃のオールド・ファッションなラヴ・ストーリー

レイト・フォー・ザ・スカイ(36)

教授に最後の挨拶に行った。何故か晴れやかな気持ちだった。将来への不安よりも、窒息しそうなこの世界から飛び出せる、やっと自由に息ができるという気持ちの方が強かった。実際は勘違いだったが。父親の顔めがけて筆を投げつけ、「詩歌」の世界を躊躇なく捨て去った、代々勅撰の集の撰者を

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風にさらわれた恋(3)

風にさらわれた恋(3)

―今から40数年前の、まだ携帯もSNSもない頃のオールド・ファッションなラヴ・ストーリー

翌週、教授の研究室に呼び出された。少し面倒な事になってしまった。提出したドラフトを教授が気に入ってしまい、今秋に開かれる小規模な学会で発表しないかという事になった。以前なら小躍りしただろう。が、この時は、自分でもびっくりするほど乗り気ではなかった。が否とは言えない。そんな事したら、このギルド社会から追放だ。

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風にさらわれた恋(2)

風にさらわれた恋(2)

―今から40数年前の、まだ携帯もSNSもない頃のオールド・ファッションなラヴ・ストーリー

ロング・ディスタンス・ラブ(18)

すぐに会えると思っていた。が、そうではなかった。二人とも雑事に追われていたのだ。

帰京した翌週、指導教授の研究室を訪ねた。こういう呼び出しは珍しいというか初めてだった。何だろう。ひょっとしてクビの宣告かも知れない。どう考えてもいい話ではなさそうだ。そう考えると足取りも

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風にさらわれた恋(1)

風にさらわれた恋(1)

―今から40数年前の、まだ携帯もSNSもない頃のオールド・ファッションなラヴ・ストーリー

雨のウェンズディ(2)

脱臼した時間の中にいた。時と時の狭間のエアーポケットに転落してしまったのだ。思春期に味わって以来の「Hard Times (3)」の真只中だった。「Blue (4)」から何とか脱げだそうともがいていた。

上り下りいずれにせよ、早く来た方の列車に乗ろう。延岡の駅の連絡橋のガラスのな

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Bonnie Raittの三大バラード

Bonnie Raittの三大バラード

ボニー・レイト、エミル―・ハリス、ルシンダ・ウィリアムスのライブをみてみたいが、日本では無理だろう。日本でのファンの数は各々精々1,000人いるかどうか。箱としてはビルボードクラスだろう。一方ギャラは本国での人気、知名度などを考えると、少なくとも最低でも2万か3万はくだらないだろう。ひょっとすると5万はくだらないかも。趣味にそこまでは出せない。何たってこの11月に来日するウィーンフィルでも34,0

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僕と「僕とカミンスキー」

僕と「僕とカミンスキー」

初めに。とある社会人講座の独語演習で、Daniel Kehlmannの”Ich und Kaminski”を2年かけて読破した。その記念として、感想文をここに残す。

マチスの弟子にして最後のシュルレアリスト、そして何よりも盲目の画家として有名だった、カミンスキーは今ではすっかり世間から忘れ去られている。また、彼は高齢故に「死」も近いだろう。いくら無名になったとは言え、死後しばらくはブームになるだ

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EAGLES Now and Then

EAGLES Now and Then

Eaglesの新譜が10月に出る。確か去年の9月から「Hotel California」全曲再現ツアーを続けていたので、てっきりそれのlive盤かと思ったら、そうではなく2018年9月のlive。ちと残念。しかし、ダンカン・フライ、ヴィンス・ギルが参加した新生Eagles初のオフィシャルCDなのでファンは必聴でしょう。

オフィシャルではないが「Hotel California」全曲再現ツアーの音

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