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Bonnie Raittの三大バラード

ボニー・レイト、エミル―・ハリス、ルシンダ・ウィリアムスのライブをみてみたいが、日本では無理だろう。日本でのファンの数は各々精々1,000人いるかどうか。箱としてはビルボードクラスだろう。一方ギャラは本国での人気、知名度などを考えると、少なくとも最低でも2万か3万はくだらないだろう。ひょっとすると5万はくだらないかも。趣味にそこまでは出せない。何たってこの11月に来日するウィーンフィルでも34,000ですからね。見たかったら、アメリカ行くしかないでしょう。コロナ禍の後で。

さて本題。私的バイアスで勝手に決めてしまうと、①ラブ・ハズ・ノー・プライド、②エンジェル・フロム・モンゴメリー、③ディミング・オブ・ザ・デイ。

①ラブ・ハズ・ノー・プライド :エリック・カッツとリビー・タイタスの作の超名曲。ボニー・レイトよりもリンダ・ロンシュタットのカバーの方が有名かもしれない。ボーカルの上手さではリンダにはちとかなわないかも。が、ボニーの滑り系ギターを中心に据えた素晴らしいアレンジとサウンド・プロダクションで、私はボニーのヴァージョンを推します。作曲者のエリック・カッツもあの淡々とした声で歌っているが、なんせ内容的にフィメール・ボーカルの方があっている。リビー・タイタスのバージョンも私は好きだ。兎に角とろけてしまいそうに甘い。ちなみにエイミー・ヘルムは彼女の娘。大きな目が母親そっくりだ。父親はかのレボン・ヘルム。無骨な南部男とソフィスティケートされた都会の美女の組み合わせは、グレッグ・オールマンとシェールを思わせる。うまくいきっこないんだから、やめときゃいいのにね。案の定、二人は別れた。リビー・タイタスの現在の夫はドナルド・フェイゲン。納得!

②エンジェル・フロム・モンゴメリー:コロナで亡くなってしまったジョン・プラインの名曲。ジョン・プラインのバージョンはフォーキー。そこにゴスペル的要素を入れて南部っぽくしたのが、ボニーのバージョン。メロディは崩している。が数段、訴求力がアップしたように思えるのは、私だけか。このアレンジをパクったのが、テデスキー・トラックス・バンド(TTB)。ちなみにスーザン・テデスキーはボニー・レイトとそのハスキーな声質は瓜二つ。ボーカル・スタイルも似ている。ボストンのフォーク・シーン出身という所もそっくりだ。デレク・トラックスと結婚して新境地を得たのは、彼女のキャリア上で大正解だったと思う。いつまでも二番煎じはつらいからね。TTBのバージョンで唯一違うのが、間奏で、コフィ―・バーブリッジの印象的なフルート・ソロが入る所。残念なことに彼は亡くなってしまったが、後任のキーボード奏者がそこをピアノ・ソロに変えている。はっきり言って、ボニーとTTB、甲乙付け難い。いい歌です。

③ディミング・オブ・ザ・デイ:上記2曲に比べて認知度は低いかも。が、これも名曲です。作者はリチャード・トンプソン。夕暮れのカテドラルにたたずんでいるような雰囲気の、荘厳なバラードです。ボニーのスタジオ録音は、1994年のLonging in Their Hearts所収。リチャード・トンプソンもアコギで参加。特筆すべきはハモンドを引いているのは、あのベスモンド・テンチ。宗教的雰囲気を持ったこの曲にハモンドは合っている。ちなみに、近く発売されるリチャード&リンダ・トンプソンのボックス・セットにもこの曲のデモ・ヴァージョンが入ってます。

残念ながら、ボニーはこれらの曲をあまりライブでやらなくなってしまった。自作でグラミーを取った曲なのでニック・オブ・タイムを優先するのも分るけど、上記の曲を生で聞いてみたいものだ。

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