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風にさらわれた恋(4)

―今から40数年前の、まだ携帯もSNSもない頃のオールド・ファッションなラヴ・ストーリー

レイト・フォー・ザ・スカイ(36)

教授に最後の挨拶に行った。何故か晴れやかな気持ちだった。将来への不安よりも、窒息しそうなこの世界から飛び出せる、やっと自由に息ができるという気持ちの方が強かった。実際は勘違いだったが。父親の顔めがけて筆を投げつけ、「詩歌」の世界を躊躇なく捨て去った、代々勅撰の集の撰者を輩出する家系に生まれた宗頼気取りだったのかも知れない。
「実言うと、君の卒論にはびっくりした。卒論指導の時から、構造分析の方法とかその歴史的沿革とかを論じるのではなく、構造分析のプラクティスやりますって、言い張ってたよね。学部生の分際でそんな事出来る訳ないじゃないかと思っていた。ところが提出された論文読んで驚いた。レヴィ=ストロースの神話の構造式を援用して、モーヌの大将を的確に分析している。さらに加えて物語の運動を形容詞的述部の分布を使って見事に分析している。分析の精度を別にすれば、これはある意味テーマ批評を越えていると思った。こんな事いままで誰もやってない。こいつは将来期待できるぞ。下手したら天才かも知れないと思った」
風の噂に、この話は私の耳にも入っていた。天才でもない人間が何かの間違いで天才と呼ばれるとその後塗炭の苦しみを味わう事になる。少なくとも私の場合はそうだった。
「その直後君は病に倒れたよね。それもかなり重い病気で。君には悪いが、君が倒れたという知らせを聞いた時、夭折の天才という言葉を思い浮かべた。その年、私はサパティカルで日本を離れた。帰国してどれくらい成長しているか楽しみにしていたけど、その後の君は鳴かず飛ばずだったね。才能と引き換えに延命する事を悪魔と取引でもしたのかい。少し言葉が過ぎてしまったようだ。失礼。とにかく君は凡庸な学生になっていたよ。はっきり言って悪いんだが、フランス語ができないのが致命的だったね。言語学や哲学の本は読めるのに、何故小説は読めないんだい。普通逆だろ。文学部の院はまず何より、語学教師の養成機関だという事を忘れられちゃ困る。文学研究者養成機関ではないんだ。それと君の論文難しすぎた。院生の論文は新しい理論の紹介程度でいいんだよ。新しい理論を使ってプラクティスをしちゃ、院生の分を越えている。そこに数式が絡んでくると頭痛くなる。ここは文学部なんだよ。君、去年バンベニストの論文書いたでしょ。あのレヴェルでいいんだよ。君には少し私の手に負えない所があった。留学でもして、君が憧れていた高等実践研究院の聴講生にでもなっていれば、君の目の前に広がる景色も違っていたかも知れない。残念だったね」
留学していれば、グレマスの語りのプログラムの書式を、パースの3rdnessの概念に従って変形したものを、直接グレマス本人に伝える機会があったかも知れない。その確率は限りなく低かったろうけれど。「砕け散った夢(37)」か。グレイトフル・デッドのステラ・ブルーが無性に聞きたくなった。
「今さら何を言っても遅いけれど、秘かに君には期待していたんだよ。ひとかどの学者になるだろうと思っていた。きらりと光るもの持っていたからね。でも原石のまま粉々に砕け散ってしまった。どこかで研磨方法を間違えてしまったようだ」
ゴダール先生がベルトリッチを罵倒する場面、コッポラがヴェンダースに怒りをぶちまける場面はこんな風だったんだろうか。無口な教授にしては珍しく饒舌だった。自分の眼力の無さに腹を立てていたのかも知れない。裏切ろうと思ってそうしたわけではないが、私が教授の期待には応えられなかったのは事実だ。返す言葉も無かった。
「ところでこれからどうするの」
「働きます」
「決まってるの」
「否、これから探します」
「大変だろうけど頑張って。何か困った事あったら相談に乗るから、その時は連絡くれたまえ」
多分教授にはもう会う事もないだろう。実際そうなった。ありきたりの挨拶をして部屋を後にした。かなり酷い事を言われたけれど、不思議と気分は爽快だった。
帰り道偶然安田に会った。とも子さんの件があったので、少し気まずかったが、彼は留学準備で忙殺され、その件はけろっと忘れているようだった。おくびにも出さなかった。彼のプライドの成せる業だろう。晴れやかな表情をしていた。が、相変わらず慇懃無礼で嫌な奴だった。
「松本さん、学校辞めてどうすんの」
「働くよ」
「平田に聞いたよ。一番肝心な時期に恋愛にうつつを抜かしてたんだって。そりゃ落ちるよ」
悔しいがそれは正しい。
「留学するんだって。すごいじゃん。おめでとう」
「今その準備で忙しいんだ。落ち着いたら連絡するよ。遊びに来なよ。案内するから」
「ありがとう。機会があったら」
多分行かないだろう。行くとしても飯田の所だろう。向こうも多分社交辞令のつもりで言ったのだろう。哀れな奴と腹の底では私を見下している事が、表情から読み取れた。腹が立たないうちにそそくさと別れを告げた。「いつでも欲しいものが手に入るわけじゃない(38)」んだぞ。この警句を肝に銘じておけ。今は負け犬の遠吠えとしか響かないだろうけど。安田に会ったのはこの時が最後だった。この学校にももう二度と来る事もないだろう。

雲行きが怪しくなってきたのは薄々感じていた。クリスマス以来会っていなかった。と言うのは、千恵子が長野市内の職場から野尻湖の近くの系列の病院に移ったからだ。転勤の代わりに彼女は正社員の座を手に入れた。転勤は三ヶ月限定だった。当然長野からは通いきれないので、寮住まいという事になった。三ヶ月過ぎたら戻ってくるので、長野のアパートはそのままにしておくとの事だった。当然転勤、昇進についての相談は受けたが、嫌だ、転勤しないでとは言えなかった。昇進に千恵子の声は弾んでいた。「おめでとう」と言うのが精一杯だった。病院のスタッフが少なくなった分、仕事に忙殺されているようだった。連絡が日を追うごとに少なくなっていった。「忙しいんだからしょうがないよ。そのうちまたゆっくり話す機会できるよ」、今の環境に手ごたえを感じている千恵子にそう慰められた。連絡手段を電話から手紙に変えた。毎日のように手紙した。毎週末には長野に帰るはずだから宛先は長野のアパートにしておいた。会いに飛んで行きたいのはやまやまだったが、それをぐっと抑えて受験勉強に集中するようにした。今、長野に通ったらさすがにまずいだろう、そう思っていた。でも誰に対してまずかったのだろうか。気もそぞろだった。集中できなかった。その結果受験は惨敗した。が落ちた事よりも、これではれて長野に行けるという思いの方が強かった。長野で就職しよう。そう思っていた。

初見で千恵子が自我にコーティングされているのが分った。ひび割れた箇所は無かった。表情が硬かった。冗談を言っても不器用に愛想笑いをするだけだった。が、「何かあったの」と聞く勇気は無かった。怖かった。想像はついていた。いつものホスピタリティ精神は全く無かった。歓迎されていないのが嫌なほど分かった。窓から斜めに差し込む午後の光が埃の乱舞を照らし出している。部屋の埃っぽい臭いが主人の長い不在を物語っていた。
「お腹すいたから、何処かレストランでも行かない」
重たい雰囲気にたまらず口を切った。返事は無かったが、千恵子が急いで外出の支度を始めたのがOKのサインだった。俺と話したくもないのか。そう思うと酷く悲しくなった。一体彼女に何が起こったんだろう。クリスマスまではあんなに仲良かったのに。アパートを出て、レストランに着くまで終始無言のままだった。
当然のようにオムライスを注文した。話を切り出すには酒の力が必要だった。生中をあっという間に飲みほした。これである程度度胸がすわった。何を言われても耐えられる。準備はできた。驚いた事に、話を切り出したのは千恵子の方からだった。声のトーンはどこかよそゆきだった。
「試験どうだったの」
「落ちたよ」
「どうするの」
「働くよ」
「失敗したの私のせい」
「そうじゃない。努力しなかった事も含めて自分自身の能力不足。確かに大事な時期に君に夢中になって勉強に手がつかなかった。でもそれは君には関係ない事。君に熱上げたのは誰に頼まれたわけでもないから…」
しどろもどろだった。語尾が沈黙に吸い込まれてゆく。
「とにかく君のせいではないから、安心してよ。それより何かあったの。いつもと全然違うよ」
千恵子は黙っていた。しばらくして「私もビール頼もう」と言った。ビールを一口飲むと、意を決したかのように重い口を開いた。
「私達もう終わりにしない」
一瞬何を言われたのか分からなかった。同時に「グシャッ」と何かがつぶれるような音がした。次に今聞いた事は嘘に違いないと思った。
「えっ、今何て言ったの」
「もう終わりにしましょう」
意に反して突然笑い声をあげてしまった。店のスタッフがこちらをにらんだ。可笑しくもないのに何故笑ったんだろう。悪い予感があまりにも見事に的中してしまった為だろうか。この笑いは否認だった。
「これで達磨の弟子になれる」独り言が思わず口に出てしまった。
「えっ、高崎で達磨でも売るの」
「違う、達磨大師。達磨大師の話知ってるよね」
「知らない」
ある金持ちの商家の跡取り息子が達磨大師の説法にえらく感動して、弟子を志願したが断り続けられる。何もかも捨てて達磨大師の元にはせ参じたにも関わらずだ。一計を案じ大師の先回りをして、言われる通り何もかも捨てたのに、何故弟子にしてくれないのか問うた。答えは「お前にはまだ捨てるべきものがある」、そういう話だ。院にも落ちた、千恵子にもふられた。私には達磨大師の弟子に志願しても良い資格ができたように思えた。端折ってその話をした。
「あなたのそういう所が分らない。酷く私を不安にするの」
ディランに振り回されたジョン・バエズのような台詞を言った。
「どういう所」
「だって突然の別れを告げられても、急に笑いだしたり、関係のない達磨の話を始めたり、ついていけない。あなたが良く解らない」
「どれも俺にとっては地続きなんだ。私という一続きの領野なんだ」
「わからない。普通はまず理由聞くでしょ。それから何とか関係を修復しようとするでしょ。元カレは真っ赤になって怒った。ああいうのが普通の反応なのに」
「だってしょうがないでしょ。例えばここで嫌だ嫌だって泣き喚いたいところで、君の心変わりは覆らないでしょ」
「つらくないの」
「そんな事聞くなよ。つらいに決まってんだろう。こんなにうまく行った恋愛なんていままで無かった。このまま一緒になるもんだとばかり思ってた。だから余計つらいんだよ。もう生きてる意味なんてないかも知れない」
「君って振られても素直なんだね。普通そういう事、自分を振った相手に冷静に言えないでしょ。第三者が立ち会っていたら、私が一方的に悪者にされちゃいそうで嫌だ」
千恵子がビールを一口飲んで、意を決したように言った。
「これだけは言わせて。たとえ君が聞く耳持っていなくてもね。はじめは、君が私を好きだという事が素直に嬉しかった。私も君が好きだった。ところがだんだんと状況が変わってきた。私が君を好きになっていく速度におかまいなく、ものすごいスピードで君は私に夢中になっていった。何でそんなに急ぐの。私の気持ちを置いてきぼりにしないでよ。君は私に私以上のものを見ていた。私は私よ。だからだんだんと君の愛情を重荷に感ずるようになっていった。だんだんと居心地悪くなっていった。特にこの一ヶ月本当君変だった。毎日のように手紙くれたでしょ。最初は微笑ましいと思っていた。ところが、週末長野に戻って郵便受けを開けるのがだんだんと気が重くなっていった。いつも郵便受けには10通近くの君からの手紙が入っていたから。最後にはもう読むのやめたわ。それで決めたの。今度君と会った時、もし居心地の悪さを感じたら、しばらく距離をおこうって。実際会ってみたら、自分でそう思っていた以上に苦痛だった。一刻も早く君の前から逃げ出したいと思った。罪悪感はあるけど、生理的にもう駄目なの。だからもう別れるしかないと思った。そういう訳。本当はこういう事話したくなかった。お互いに傷つくだけだから。本当の事は何も言わないでお別れっていうのが良かった。でも成り行き上仕方なかった」千恵子は唇を噛んだ。
分かっていた。千恵子が私から距離をおこうとしている事は。わたしの気持ちが一方的に暴走してしまったのだ。大好物を最後まで残しておけない。我慢している間に死んでしまったらどうする。ブレーキが壊れていたのだ。自分でもどうしようも無かった。何故なら、千恵子は外界に吹き荒れる物凄い「嵐からの唯一の避難場所(39)」だったのだから。ここに逃げ込めば安心できる「サンクチュアリ(40)」だったのだから。Chieko Addictionだった。依存してしまったのだ。ぞっとする程夢中だった。それを重荷に感ずる千恵子の気持ちもわからないではない。が、そんな気配りができるほど私には余裕が無かった。袋小路に追い詰められていたのだ。
初めは私の周りをぶんぶん飛びまわっていた千恵子の別れの言葉は、じわじわとボディーブローのように浸潤してきた。私は千恵子に溺れていた。これは比喩ではない。私の自我は千恵子のそれと区別がつかないくらいに混ざりあっていた。そこから突然千恵子の自我が引き揚げていったのだ。この突然の引き潮は私の内壁にあまたの擦り傷を残していった。私という大地に亀裂が走ったのだ。亀裂は徐々に深くなり、そこから私は裂けていった。だから生木が引き裂かれるように痛かった。「痛い」というのがこの時の一番的を射た感覚だった。「感情は内臓の感覚である」という長年理解できなかった命題がこの時初めて腑に落ちたような気がした。
「痛い」
「どうしたの。何処か痛いの。君飲みすぎ。自分を振った人間相手にやけ酒飲まないでよ。もう止めなさい。それだけ飲んだら体壊すよ」
アルコールで感覚を麻痺させようとしていたのだろうか。それとも、突然ぽかっと空いてしまった空洞をアルコールで満たそうとしていたのだろうか。どちらにしろ、この場合の飲酒は緩慢な自殺だった。どれだけ飲んだらアルコールで溺死できるのだろうか。虚ろな頭でそんな事を考えていた。店のスタッフが嫌な顔をした。私の醜態に気をもんでいるのだ。ここはレストランだ。居酒屋ではない。ファミレスでもない。もう出よう。帰ろう。でも何処へ。

ふらふらと店を出た。突然ヘッドライトの閃光とクラクション、ブレーキ音が同時に襲ってきた。危うく轢かれる所だった。運転手がクルマから身を乗り出して罵声を浴びせかけてきた。
「何処見て歩いてんだ。轢かれそうになったのに、にやにやしてんじゃねえ。何だ酔っ払いか」
嘲るように言った。そう言うと満足したのか走り去っていった。
「しょうがないなあ。こんなに酔っちゃって。だから止めなさいって言ったでしょ。まっすぐ歩ける?」
千恵子にかかえられて、彼女のアパートに戻った。この期に及んで優しくして欲しくは無かった。
「しょうがないから今日は泊まっていきなさい。私明日仕事だから、始発の列車で野尻湖へ戻る。君もその時間帯の列車で東京へ帰りなさい」
酔った頭に虚ろに響いた。自然に涙があふれてきた。止まらない。どうしよう。
「今度は泣き上戸。いい加減にしてよね。泣きたいのはこっちの方よ」
人間ってこんなに泣けるんだってびっくりするくらい泣いた。身体中の水分がなくなって干上がってしまうのではと思えるくらい、涙は止まらなかった。「Here Come Those Tears Again(41)」だった。どうやら泣き疲れて寝てしまったようだ。深夜にふと目が覚めた。毛布がかかっていた。この優しさも残酷だ。ハッとした。「俺は一人ぼっちなんだという驚きの何と虚しい事か(42)」。涙も止まるくらいの虚しい驚きだった。手を伸ばせば触れる事ができるくらいのところに千恵子が寝ている。だが千恵子はもう他人よりも遠い人になってしまった。もう二度とあの微笑みを見る事はないだろう。もう二度と千恵子を抱く事は出来ないだろう。もう二度と千恵子のオムライスを食べる事もないだろう。絶望とはこういう事だったのか。いやというほど味わった。
昔、語学学校と大学のダブル・スクールをしていた頃、Jackson BrowneのLate for the Skyを愛聴していた。デヴィッド・リンドレイのギターが胸に刺さる。恋愛には憧れていた。が、ここに歌われているような悲痛な恋愛はしたくない。そんな事を語学学校の女友達とままごとのような疑似恋愛をしながら思っていた。その数年後にそこに歌われているような悲痛きわまりない失恋を実人生でトレースするとは。全く夢想だにしていなかった。クリスマスまでは私の人生はバラ色だった。が、突然の失恋は私を奈落の底へ突き落とした。去年のクリスマスまではWe Have It Allだった。それが今や「We Had It All(43)」に、過去形になってしまった。

駅までどうやって来たのかも覚えていなかった。全く夢遊病者のようだった。私の後ろを歩いてきた千恵子が言った。私のあまりの傷心ぶりに、少し後ろめたさを感じたのか、声音は妙に優しかった。
「じゃ、これでお別れね。今思い出してみるとこの一年楽しかったわ。それに君はある意味私の恩人だしね。元気でね。…」
この場からすぐにでも消え去りたかった。千恵子の言葉にいたたまれず、彼女が話している途中で階段を上り始めた。千恵子が追いかけてきた。もう少しで中央連絡通路だという所で千恵子は追いついた。
「人の話最後まで聞きなさいよ。忘れてた。これ取りに来たんでしょ」
と言って、チョコレートを私に手渡した。そう数時間前まではヴァレンタインだった。
「いらない」
一旦受け取ったチョコレートから手を離した。チョコレートの箱は階段を勢いよく転げ落ちて行った。デ・パルマの「アンタッチャブル」の乳母車のシーンを見ているようだった。その光景を今でも鮮やかに覚えている。二人の間の何か決定的なものが壊れる「ガシャ」という音を聞いたような気がした。千恵子は「あっ」と小さく叫び声をあげた。千恵子は怒りとも悲しみともつかない表情を浮かべ、私を睨んだ。哀れな奴とでも思っているのだろうか。
私は振り返る事なく残りの階段を駆け上がり、中央連絡通路を進み、次に階段を駆け下り、上野行きの列車に飛び乗り、窓際の席に座った。別れの挨拶もせずに。何か発しようとしても、全て嗚咽になってしまう。何もかもフリーズしていたのだ。
視線を上げて、何気なく隣の線路に停車している列車を見た。何とその列車の窓際の席に、窓ガラス二枚を隔ててすぐそこに、千恵子が座っていた。まるでボックス席に斜め向かいに座っているかのようだった。視線が会った。が、見つめ合っていたのではない。お互いフリーズして視線を動かせなかったのだ。千恵子の頬に一筋の涙の跡を見たような気がした。「千恵子は泣いているのか。涙で曇った私の目にはわからない(44)」。こんな偶然ってあるのだろうか。こんなドラマチックな別れってあるのだろうか。まるでメロドラマのワンシーンのようだ。こんな事が私に起こっていいのだろうか。私はこの光景に酔ってしまった。この陶酔がさよならと感謝を千恵子に告げる最後のチャンスを私から奪っていった。数秒後、千恵子と「私の嘆きを乗せて(45)」野尻湖行きの列車がゆっくりと暗闇の中に吸い込まれていった。
「これで完全に終わった(46)」と思った。私を乗せた上野行列車もその後すぐ出発した。空はまだ漆黒だった。次の瞬間、オレンジ色の炎の舌先が山の端からが現れ、徐々に闇を侵食していった。まるでアメーバーのようだ。瞬く間に朝焼けが空全体に燃え広がっていった。こんな鮮やかな朝焼けはいままで見た事が無かった。地獄の業火の様だった。空だけでなく、大地全体、何もかも焼き尽くしてしまえ。この列車も焼き尽くしてしまえ。そうすれば私の身体ごと、千恵子との思い出もなにもかも消えてなくなる。
私の希望は叶わなかった。やがて、夜が明けていった。昨日と変わらぬ普通の朝が訪れた。が、私にだけは朝が訪れない。私の時間は昨日の夜で止まったままだ。闇の中に取り残されてしまったのだ。空は私を置いてきぼりにした。「空に遅れて(47)」しまったのだ。

「松本さん、大丈夫」私の顔を覗き込みながら馬場さんが言った。
「大丈夫じゃなさそうだな。こりゃ相当重症だ」平田がカーテンと窓を開けながら言った。空気がよどんでいたこの部屋に陽の光が入るのは何週間ぶりだろう。陽光と一緒に冷気も流れ込んできた。寒かったが何か蘇生したようにも感じた。
「臭い。お前風呂入ってないだろう。シャワーでも浴びてさっぱりして来いよ」
平田は今度は私から布団を引きはがしながら言った。
「飯食いに行くぞ。早く支度しろ。お前の好きなともちゃんも来るぞ」
バスルームから出てくると、あれほど散乱していた部屋が少しこざっぱりしていた。平田と馬場さんが掃除してくれたのだ。この時程、友人って有難いと思った事は無かった。
「後は自分でやりなさいよ。掃除してあげたんだから、今日はおごりなさいよ」馬場さんは言った。
「俺にもおごれよ」平田が言った。

長野から帰ってきたその日に40度の高熱で倒れた。風邪だった。長野の冬の冷え込んだ夜に毛布一枚では当然だった。おまけに酷い二日酔いだった。頭が割れるように痛かった。何度も嘔吐した。医者に行き、服薬したおかげで、身体は回復した。が、メンタルは駄目だった。布団から出る気力が全くわかなかった。起き上がろうとしても身体がいう事をきかない。空腹なのはわかっているが、何も食べる気がしなかった。かといって眠っていたわけでもない。睡眠障害を起こしていた。このまま衰弱して死んでしまうんだろうかと漠然と思っていた。かつては単なる失恋如きで精神病院へ駆け込むジェームス・テイラーの愚かさを嘲笑していた。が今はその気持ちが嫌という程分かる。さすがに親はこの事態に尋常でないものを感じたようだ。そこで親も顔見知りの平田にヘルプを要請したのだ。

「松本さん、髭そった方がいいよ。汚い」馬場さんが言った。
「じゃ、髭そったら出かけるか。今日お前酒飲むなよ」
何週間かぶりの外界は眩しかった。始めは足元がふらついた。道すがら、長野での顛末を簡単に話した。まだ、突然泣き出したり、手が震えたり、自分の身体なのに時々制御不能に陥る。何がきっかけでそうなるかもわからない。だから対処不能だった。抗うつ剤を服用していた。
「あのな、恋愛は二人でするものなんだよ。それを忘れて、相手の気持ちも考えずに、一人相撲取って、空回りして、自爆したって所だな。もう少し自分の気持ちを制御できなかったのかい。お前、恋愛初心者だろう。まあ、一刻も早く忘れる事だな。職探しに専念すれば忘れるよ」
「私、千恵子さんの気持ちわからなくはないな。例えばだよ、私を好きな人がいるとして、その人の私に対する気持ちが勝手に暴走し始めたら、私も引くよ。『She's So Many Women(48)』だよ。まあ忘れなさいよ」
平田、馬場さんのいう事は分かる。その通りかも知れない。が違う点もある。千恵子は私にとって「ファム・ファタル」でもあったのだ。この色恋沙汰には日常生活へとは自然にソフト・ランディングできない何か過剰なものがあったのだ。ある意味、この程度のダメージで済んだのはラッキーな事だったのかも知れない。
「何だったらデートしてあげようか」馬場さんは言った。
哀れみはいらない。
「断る」
「酷い。せっかく親切で言ってあげてるのに、何さ。でもやっと普段の松本さんの片鱗見えてきた。少しほっとした」
その後の話題は二人の近況だった。平田はミステリーを一冊翻訳して出版社に売り込んだそうだ。今その結果を待っているとの事だった。合格なら念願の翻訳家デビューだ。おめでとう。馬場さんは来るべき留学生試験に向けて仏会話の猛特訓中だそうだ。かなり上達したそうだ。皆自分のキャリア・アップへ向けて着実に進んでいる。私の場合はまず抗うつ剤を服用しなくても済むようにしなければ。

ファミレスに着いた。ともちゃんに会うのは久しぶりだった。相変わらず可憐な少女だ。私を見て少し動揺しているようだった。そりゃそうだろう。ずたぼろだもの。かなり痩せたし、廃人一歩手前だからな。
「松本さん、どうしたんですか。すごく痩せちゃって、顔色もよくないし…」
とも子さんが聞いてきた。だんだん声が小さくなっていった。語尾が聞き取れない程だった。どう答えようか思案して私が黙っていると、平田が代わりに答えた。
「こいつ今悲惨なんだよ。学校はクビになるは。長野ではぼろ雑巾のように捨てられるは。そうでしょ。松本さん」
「否定したいけど、そう」
「嘘。全然知らなかった。何で連絡してくれなかったんですか」
「こいつ、フィジカル、メンタル両方やられちゃって。長野から帰って来てからいままで寝込んでたんだ。今日やっと何週間かぶりに外出したんだ。電話するどころじゃなかったみたいだ。俺たちもこいつの親御さんから連絡もらって、初めてこいつの惨状を知ったって訳」
「嘘、全然知らなかった。大丈夫なんですか」
「わからない。ただ部屋に引きこもってるよりはいいと思って出てきた。精神的に不安定なんでちょっと自信はない。でも、ともちゃんに会えたのは嬉しいよ」
「とにかく何か食べよう。お前はアルコール止めとけよ」
まともに食事したのは何週間ぶりだろう。量は食べられなかったが、少し力が湧いてきたような気がした。口は悪いが、心優しい奴らだ。誰に感謝しよう。こいつ等のおかげでどん底でも何とか持ちこたえる事ができる。どん底の日々から脱出できるかも知れない。和やかに食事が終わり散会となった。勿論食事代は私が全額払った。
「ともちゃん、悪い今日送っていけない。御免」
「まだ早いから大丈夫です」
「俺が送ってこうか」平田が言った。
「大丈夫です。一人で帰れます」とも子さんは何処か思案気だった。もじもじしていた。意を決したように言った。
「松本さん。明後日時間ある。私、見たい映画あるんだ。一緒に行かない」
「ありがとう。嬉しいよ。多分大丈夫だと思うんだけど、精神的にちょっと自信ない。明日連絡するという事でいいかな」
「じゃ、連絡待ってます」
平田と馬場さんは、このやり取りに突っ込みを入れてきた。
「いいな、ともちゃんとデートできるなんて。俺も連れてってよ」
「私の誘いはきっぱり断ったくせに。差別するな」
二人とも始めは真顔で言った。そして話し終えると同時にふきだした。奴ら一流の冗談だ。皆で笑いながらさよならした。社会復帰できそうな気がした。明日は診療内科へ行こう。

「All Things Must Pass(萬物将自化)(49)」だ。良い事も、悪い事も全ての事は過ぎ去っていく運命(さだめ)なのだ。時の流れに研磨され全ては風塵と化していく。「退路を断って開き直れ」だ。その日を境に徐々に私は回復していった。出来るだけ用を作って外出するようにした。就職活動も始めた。修士で辞めて就職した先輩からアドヴァイスを貰ったりもしたが、結局自分流でやるしかないという結論に達した。履歴書を出しまくった。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるだ。そのうち何とかなる、そう思っていた。ともちゃんとも時々会った。映画を見たり、買い物につき合ったり、食事に行ったり、彼女の好きなユーミンのコンサートに行ったりもした。楽しかった。彼女の弾けた笑顔は私にとって最高の精神安定剤だった。どんな抗うつ剤にも勝った。ともちゃんに感謝だ。
5月の連休明けからバイトを始めた。編集の仕事だった。といっても制作に近かったが。平田が本格的に翻訳業に専念するため、いままで勤めていたバイトの後任に私を推薦してくれたのだった。はっきり言って専門的なスキルはそれ程必要ではない仕事だった。雑務の集合体だった。だから私にもこなせたのだが。そこで編集以外の本づくりの全工程のノウハウを学んだ。それが後の正社員への転職につながった。平田に感謝だ。

そんな初夏のある日、絵葉書が届いた。何処からだろう。北海道からだった。誰からだろう。千恵子からだった。古傷がうずいた。寝た子を起こすな。始めは無視してゴミ箱直行にしようと思った。が未練が全くないと言ったら嘘になる。
千恵子にとっても私との別れはショックだったようだ。彼女の気持ちを最後に私が拒絶した事で傷を負ってしまったようだ。軽い抗うつ剤を服用したとの事だった。が、以前とは違い仕事には支障がなかった。野尻湖の病院での任期は延び、長野の本院にやっと戻れるようになったのを機に、有給休暇を利用してリフレッシュの為、北海道を訪れたそうだ。そんな事が書いてあった。問題は以下のくだりだ。
「君はつむじ風のような人だった。突然私の前に現れたかと思うと、私を連れて空高く駆け上がった。君は私に夢中だった。私も君の気持ちが嬉しかった。この恋は私達を一体どこへ連れていくんだろう。そう思ってある時ふと下を見たら急に怖くなってしまった。その恐怖はどんどん増していった。そこで意を決して私は飛び降りた。君は一人でどこかへ飛んで行ってしまった。さよなら。お元気で」
いや違う。二人は出会った。ボーイ・ミーツ・ガールだ。そして恋に落ちた。ところがある日突然つむじ風が吹いて、二人から恋を奪い去っていったのだ。「風にさらわれた恋(50)」だ。「恋恋風塵(51)」だ。しかし、何のつもりでこんな葉書をよこしたのだろう。

長野に行くべきか、行かざるべきか悩んだ。その週の土曜日、ともちゃんと国立で会う約束があったので、彼女に相談してみようと思った。彼女の言葉に自分の気持ちがどういう化学変化を起こすか、それを知りたかった。喫茶店の分厚い木の扉を開けると、大音量の音楽が襲い掛かってきた。ベン・ワットの「Some Things Don't Matter」だ。ボサノバ・タッチの涼やかな歌だ。間奏のピーター・キングのサックス・ソロが物悲しくて良い。
「松本さん、ここ」
ともちゃんの笑顔が弾けた。うす暗い店内のそこだけがぱっと明るくなったような気がした。
「私、この秋からインテリアの学校に通うの。大学とダブル・スクールになるから、忙しくなるけど」
ともちゃんは安田との事件を機にかわいいだけの女の子から脱皮しようとしている。応援するよ。
「相談あるって何。松本さんにしては珍しい」
おもむろに鞄から絵葉書を取り出し、テーブルの上に置いた。
「どうしたの。これ千恵子さんから。読んでいいの」
「意見聞かせて欲しいんだ。俺長野へ行った方がいいのかな。それとも行かない方がいいのかな」
葉書を読み終え、しばしの沈黙の後、ともちゃんは言った。
「行くのよしなさい。もう忘れたほうがいいよ。3月に松本さんに久しぶりにあった時びっくりした。失恋でこんなにボロボロになる男の人っているんだと思った。直視できないくらい悲惨だった。何故か分からないけど、この人をほっとけないと思った。またあんな風にはなりたくはないでしょ。せっかく立ち直ったのに…」
そう言うと、彼女は少し不機嫌そうな表情を浮かべた。ともちゃんがいなかったら、こんなに早く立ち直れなかったのは確かだ。長野行はその結果がどうであれ、彼女の応援を裏切る事になるかもしれない。ともちゃんが怒るのも当然だ。御免、それでも行かなくてはならない。よりを戻そうとは全く思っていない。ただ言い残した「さよなら」を告げたいだけだ。そうしないと時間が脱輪したままなのだ。
相変わらずベン・ワットがかかっていた。「エヴァ―ラスティング・ラヴ(52)」か。俺にとっては砕け散った夢だ。その破片は長野に散乱している。

翌日の午後、長野にいた。蒸し暑かった。この通りを直進して三つ目の角を曲がれば、千恵子の住むアパートだ。かつての愛の巣だ。ところが何とそこは更地になっていた。えっ、嘘だろ。軽いめまいがした。頭が真っ白になった。こんな事があっていいのか。愛の巣が跡形もなく消え去っている。全て幻だったのか。俺は今様浦島なのか。電信柱でやっと身体を支えた。千恵子は何処に行ったのだろう。長野で働いているのだからまだ市内に住んでいるはずだ。とにかく探そう。千恵子と散歩した道をくまなくめぐった。善光寺の参道にあるジェラート屋にも行った。オムライスの材料をよく買いに出かけたスーパーにも行った。実家に持っていくお土産を探しに行ったデパートにも行った。クリスマスにチキンを買った肉屋にも行った。最後に大喧嘩したレストランにも顔を出した。思いつく限りのところは全て行った。が何処にもいない。涙があふれてきた。誰もいなかったら号泣した事だろう。行きかう人が私を避けて歩いていく。その事で自分の形相の異様さを知った。きっと、恋に狂って英国中尉ビンソンを追い回すアデル(53)のようだったんだろう。
どれくらいの間、長野市内を彷徨していたんだろうか。ふと歩を止めた時、陽が傾いているのに気づいた。突然猛烈な空腹が襲ってきた。ふらふらと目の前のレストランのドアを押した。店の人は少しぎょっとしていた。まだ異様な形相をしていたのかも知れない。しまった。反射的にオムライスを注文してしまった。ビールでも飲んで少し落ち着こう。オムライスは砂を噛むような虚しさだけを残した。ジャリジャリしていた。一時的に味覚障害になってしまったのだろうか。口の中に残った虚しさを一気にビールで流し込んだ。
延岡の駅で鹿児島行きの列車に乗ってさえいなければ、鹿児島で観光バスに乗ってさえいなければ、千恵子に会う事は無かっただろう。こんなに苦しい思いをする事も無かっただろう。そうなれば、今目の前に展開する光景も違っていた事だろう。千恵子という対象を失ってしまったことがこの悲しみの原因なんだろうか。それとも千恵子を失ったことで「愛=真理」との関係が断たれてしまったことがこの苦悩の原因なんだろうか。解らない。
ふと目を上げるとテレビニュースが流れていた。そうか、今日浅間山が噴火したのか。浅間は地異の形見に灰を降らせたのだ。灰地は記憶を新たにしたのか。突然このフレーズに、雷に打たれた様な衝撃を受けた。急に何か憑き物が落ちたような気がした。そうだ、私も記憶を新たにしよう。千恵子の記憶を何かで上書きしよう。別名で保存では駄目だ。
昔フロイトを齧っていた時、「お前対象喪失も知らないの」と友人を揶揄していた事があった。今はあの時の自分を揶揄してやりたい。お前が知っていたのは机上の空論に過ぎない。所詮他人事だったのだ。飲んだ事もないのにロマネ・コンティについて語るのと同じだ。千恵子との事件で対象喪失がいかなるものかを、身をもって経験した。そうか、こういうのを対象喪失っていうのか。痛い程身に染みた。納得した。大学2年以来の哲学的宿題「解るという事がどういう事なのか」の模範解答を得たような気がした。
スペイン映画「シルビアのいる街で」の中で、主人公の青年がシルビアの面影を求めてストラスブールの街を彷徨い歩いたように、今日、私は千恵子の面影を求めて長野の街を彷徨い歩いた。そうか、こういうのを喪の仕事っていうのか。思わず膝を打った。悲しい記憶を正しく忘却するためには、それを正しく悲しむという儀式が必要なのだ。それが今日行った事だった。砕け散った夢の欠片を拾い集め埋葬し、喪に服したのだった。勿論、兄、ポリュネイケスの野ざらしにされていた屍を、やっとの思いで埋葬できたであろう時、アンティゴネが襲われたであろう安堵感と決定的な喪失感を、同時に味わったのだが。
顔を洗ってさっぱりした。店を出た。何故か気分は晴れやかだった。外はほとんど暮れかけていた。赤い残光が山の端にしつこく貼り付いていた。が、消え去るのも時間の問題だ。考えたって仕方のない事を、もう考えるのは止めよう。N'y pense plus… Tout est bien.(くよくよするな)。さあ帰ろう。明日は仕事だ。雑踏の中、駅へ向かう足取りは確実に軽くなったような気がした。ピースフル・イージー・フィーリングが無性に聞きたくなった。

Adieu Chieko.
Adieu Mon Amour.
もう、オムライスは絶対食べない。
もう、長野には絶対来ない。
もう、鹿児島にも絶対行かない。
もう、海へも絶対行かない。
何故なら、
♪「忘れるよ、君の事
返す波にうずくよ、
マイ・ブロークン・ハート(54)」
だから。

                               (終)

36 Jackson Browne, Late for The Sky(Jackson Browne), Late for The Sky
37 The Grateful Dead, Stella Blue(Robert Hunter/Jerry Garcia)の歌詞, Wake of The Flood
38 The Rolling Stones, You Can't Always Get What You Want(Mic Jaggar/Keith Richard), Let It Bleed
39 Bob Dylan, Shelter from The Storm(Bob Dylan), Blood on the Tracks
40 Eric Kaz, Sanctuary(Eric Kaz), Eric Kaz:41年目の再会
41 Jackson Browne, Here Come Those Tears Again(Jackson Browne), The Pretender
42 Jackson Browne, Late for The Sky(Jackson Browne)の歌詞, Such an empty surprise to feel so alone
43 Donnie Fritts, We Had It All(Tony Seals/Donnie Fritts), Prone to Lean
44 大滝詠一、スピーチ・バルーン(作詞:松本隆、作曲:大滝詠一)の歌詞、A Long Vacation
45 はちみつぱい、塀の上で(鈴木慶一)の歌詞、センチメンタル通り
46 Neil Young, Birds(Neil Young)の歌詞, After The Goldrush
47 Jackson Browne, Late for The Sky(Jackson Browne), Late for The Sky
48 Warren Zevon, Hasten Down the Wind(Warren Zevon)の歌詞, Warren Zevon
49 George Harrison, All Things Must Pass(George Harrison), All Things Must Pass  老子道徳経37章の英訳
50 Warren Zevon, Hasten Down the Wind(Warren Zevon), Warren Zevon
51侯孝賢の映画
52 Ben Watt, Some Things Don't Matter(Ben Watt)の歌詞、North Marin Drive
53 François Truffaut,「アデルの恋の物語」
54 岡田徹、「海すれすれの空」の歌詞、Fine Fisherman on the Fine Beachj

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