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期待はしない、でも信じる、むしろ騙されたい Part2

テーマ:#人間らしさとは何か 第三回

こんばんは、ゆうたろうです。
前回投稿からすこし時間が空いてしまいましたが、今回は「期待はしない、でも信じる、むしろ騙されたい Part2」と題して、前回記事の続きの議論を展開したいと思います。前回記事は以下からご参照ください。

前回議論では私が他人に「期待はしない」理由について述べ、それは「信じる」ということは別物である、というところまで主張しました。今回はその先、「信じる」ということは何か?からスタートし、「信じる」のその先にある「騙されたい」というところまでたどり着きたいと思います。



3.でも信じる

さて2.の議論で「マイナスな感情」を生じさせてしまうリスクを最小化することができました(実際、実践することはとても難しいことなのですが…)。次は如何にして「プラスの感情」を表に出す、あるいは「ポジティブに前に進められるようにする」ことが出来るか?という点に議論を移していきます。まずは、星野源さんの著書「蘇る変態」から、印象的な名言を引用させてください。

人を心から信じるということは、その相手の失敗をも受け入れられれば可能なのだ。

星野源「蘇る変態」

前述の問いに対する回答として重要と考えるのは、まさにこの考え方です。相手がどのような失敗をその後してしまうとしても、その存在そのもの全てを「受け入れる」という考え方です。言うは易しですが、本当に難しいことだと思います。自分一人で出来ることが限られる中で、そして共同性を持って他者と協働するからこそここまで進化してきたヒトにとって、物事を前に進めるために必要なことは「他者を信じる」ことだと考えます。そして「他者を信じる」ために必要なことが「相手の失敗をも受け入れる」ことというのです。これは非常に感動的な示唆で、これが出来ればこそ初めて「他者に任せる」ことが出来るのです。

ここで一つツッコミが来ると思います。それは「重大な失敗が起きてしまったらどうするんだ?」というツッコミです。当然、重大な失敗まで許容しろと言いません。前回記事にも記載の通り、重大とは”critical(致命的な)”,” fatal(生死に関わる)”,” illegal(法律違反になる)”のいずれかと定義します。重大な失敗は事前に起こらないようにするか、起きても重大にならないように準備するのです。そのためには2つ方法があります。

1.何が重大な失敗なのかを事前に相手と擦り合わせておく
2.信じられる人にだけ重大な失敗リスクが伴うものを任せる

どちらも当然といえば当然ですが、①は慎重に慎重を重ねて決めておくべきでしょう。むしろ任せる相手と話すべきことはこれとゴール設定くらいだと思います。「何を重大な失敗とするか?」に客観性は必要なく、主観的に重大だと判断するものをしっかり伝えておくべきです。それを相手が受け入れるかどうか、受け入れてくれなければ、その相手は任せるに値しない相手という事です。またそれに関連して②について、「ポジティブに前に進めるには相手を信じることが重要だ」と主張しますが、「全員を信じることは無理」だというスタンスです。信じられる相手にだけ、重要なタスクを任せることがとても大切です。信じられない相手は短中期では重大でないタスクのみを任せ、長期的には関わりを絶っていくべき、というのが私の考えです。この1.2.を実行すれば、星野源さんの言葉は実現できると信じています。

4.むしろ騙されたい

これは以前、上司だった方が常々「俺を騙してくれ」と仰っていて、とても本質的だと印象に残っていたものです。「騙す」というととてもネガティブな印象を持ちますよね?この「騙す」という言葉、

他人に自分の思い通りの行動をさせるために、本性を隠したり、うそをつくなどして誤認させる。

Wikipedia「だます」

という意味だそうです。この意味からもネガティブなことが連想されますね。

でもビジネスの場を想像してください。今をときめく様々なスタートアップが実現したいと掲げる目標たち、当然誰も実現したことのない壮大なもので素晴らしいですよね。「誰も実現したことのないことを自分たちが将来実現するんだ」という宣言、この宣言とウソの本質的な違いはなんなのでしょうか?「物事を前に進める」時、特に「誰も実現したことのないことをやろうとする」時、周囲に協力を仰ぐにあたっての目標宣言はほぼウソだと思っています。現に、壮大な目標を実現できずに散っていく(つまりウソのままな)スタートアップは数えればキリがありません。

それでもスタートアップのCEOやメンバーの熱意、人間性、持っている技術に気圧されて、投資家やビジネスパートナーたちは肩を貸すのです。それでいいのです。だから「物事を前に進める」時、多かれ少なかれ「騙す」という行為は生まれており、むしろ「この人になら騙されてもいい」と思える相手と協働できればこそ、初めて「物事は前に進み」、「誰も実現したことのないことを実現する」旅が始まるのです。そんな自分が騙されたいと思えるほどの力のあるメンバー、事業であれば、きっとウソはホントに変わっていくでしょう。

日常的な場面でも頻繁にあります。洋服店にて今まで買ったことないような挑戦的な服を買おうか迷っているときの、とても誠心誠意対応してくださる好印象な店員さんからのアドバイス。「とてもお似合いです」「新しいスタイルが生活の幅を広げますよ!」という言葉。きっとお世辞なんだろうなとか思ってしまったら、買う事を躊躇してしまいますよね?だから個人的には洋服を買うときの一番の基準は店員さんです。「この人が似合うっていうならきっと似合ってるんだろう」と騙してくれるような店員さんから買いたいのです。これもウソとホントの違いは本当に曖昧なところにありますが、それをホントにする力が店員にあればいいのです。これはキャバクラやホストで貢ぐのと本質的には変わらないとも思っています。

最後にですが、「騙される」ってネガティブなニュアンスですねと触れましたが、私はこれまでの議論からお分かりの通り、そうは思っていないです。なぜなら一生「騙され」続ければ、それは当人にとってはウソではなくホントになります。それで物事が前に進み、本人が幸せなのであれば、それでいいのです。だから私は騙されてでも幸せであることを選びます。

この章の最後に私の大好きな2曲のフレーズを引用させていただきます。この2曲からは恋愛における幸せについても「騙される」ということが重要なのではないか、という示唆を感じられます。

抱きしめたり甘いキス交わすのなら 完璧な嘘で私を騙してよ

Superfly 「Perfect Lie」

浮気しても言わないでよね 知らなければ悲しくはならないでしょ

back number 「花束」

5.最後に

以上、かなり長文になりましたが、いかがでしたでしょうか?ここまで書いての気付きですが、「期待する」は相手のdoingに対してのもので、「信じる」「騙されにいく」は相手のbeingに対してのものであるように感じます。つまり相手のbeingの全てを受け入れるということが、物事を前に進めるうえでとても重要なのではないでしょうか?逆にいえば、相手のbeingの全てを受け入れることができない相手とは、一緒に物事を前に進めるべきではないともいえます。繰り返しになりますが、そういう相手とは短中期では重要ではない共同作業のみに留め、長期的には関わらない方向へ舵を切ることが重要です。そういう相手は付き合うまでは良いけど、結婚まではしないほうが良い、ということでしょうか。

これらの考察が、読者の皆様の新たな気付きにつながれば、これ以上の幸せはありません。

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