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短編

70
思いついたこと。見た夢の書き起こし。あるいは習作。
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エルデンリングについて根拠のない妄想を垂れ流す

エルデンリングについて根拠のない妄想を垂れ流す


もういくつ寝るとフロムソフトウェアに手によるアクションロールプレイングゲーム、エルデンリングのダウンロードコンテンツことShadow of Erdtreeが発売になります。2024年6月21日発売。

以前、フロムゲーは考古学としても楽しめるという記事を書いたような気がしますが、今回はその続編。ゲームとしてトロコンを楽しむだけでも250時間くらい費やしましたが、考古学的に楽しむとなるともっとです

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もう食べられないだろう汁なし担々麺への思いが昂ったので綴る

もう食べられないだろう汁なし担々麺への思いが昂ったので綴る

 思い出がある。ぼくが大好きだった汁なし担々麺のことだ。

 麺が細い。昔懐かしい冷やし中華みたいに微かに縮れつつ、弾力よりも歯切れの良さがある細い麺だった。
 痺れる麻も食味を損なわない程度。舌先がちょっと麻痺してきたかな? と感じる頃合いで辛さにかわる。
 水菜とパクチーは少量だが適量。シャキシャキと触感を楽しみ、葉野菜の香りをそれとなく味わえる程度。
 そしてひき肉とナッツの甘辛餡。この甘辛

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城攻め先で偶然の再会をした

城攻め先で偶然の再会をした

 あけましておめでとうございます。
 本年も街を歩いたり、面白いお話を考えたり、楽しいお話に触れたり、城攻めしたり、美味しいものを食べたりしながら楽しく過ごしましょうね。

 さて大河ドラマといえば自分にとっては一昨年の鎌倉殿が印象に残っています。中でも序盤のちょっとした壁にして主人公の兄替わりであり年上の友人ってかんじの風情のあの方。
 そう、上総介広常です。

 ふだん実写ドラマをあまり見ない

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[パンとソーセージ、絵本] #パルプアドベントカレンダー2023

[パンとソーセージ、絵本] #パルプアドベントカレンダー2023



 火に呑まれていく凧を捨て、冬空へと飛び出した。燃料に引火した凧はあっという間に火だるまになって落ちていく。

 明日からどう生きて行くんだ。偵察兵が凧を失って、どうすればいい?

 白銀の冬山の間へと落ちていく最中、真っ先に思ったのはそんなこと。いま助かるかも、まだわからないというのに。

 山の中腹で炎がいくつも光る。温泉旅館組合の建物上にずらりと並んだ石弓が次々に火矢を放ち、周囲の空気

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大阪行ってきた

大阪行ってきた



■生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪2023
 逆噴射小説大賞2023期間中にディスコードチャンネルにてお伺いした催し物。興味を惹かれて調べたらまぁ面白そうなこと!
 いまも使い続けられている建築物。その普段は未公開エリアに入れるというだけでも垂涎もの。自身の仕事もそれほど大忙しというわけではない。お金はどうにでもなる。

 良し行こう。

 結論から言います。
 すんごい楽しかった。

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疾駆天救 雷鳥騎士団

疾駆天救 雷鳥騎士団

 トナカイが陽光を蹴って降りていく。光は頭上に広がる大地のひび割れから無数に差し込んでくるが、広大な地下世界を照らすにはまるで足りない。虚無と黒雲と、遠くから聞こえてくる波音が全ての生き物の心を苛む。
 
 乗騎の背で男は目を凝らした。その目にはそびえ立つ世界亀の足が映っている。どんな大木も比較にならない巨大な足。そのにび色の岩肌に生気は無い。だがその色を背景にひらひらと舞う白い花びらがあった。

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異能俯瞰演義-ヤタガラス、人魂を狩る-

異能俯瞰演義-ヤタガラス、人魂を狩る-

 ■

 小島花菜実は、鬼の顔をしていた。

 夜空を炎が赤く染めている。アスファルト道路に改造バイクだったものが散乱し、熱と煙をふりまいていた。白いジャージ姿の男たちはまだ生きている。舗装の上に横たわり、震えながら呻いている。そのうちの一人が炎を睨んで悪態をつくのが聞こえた。

 炎がその男を踏みしめた。軽く、どこかいたわる様に恐る恐る。しかし、なにかで目にしたような仕草でしっかりと、呻く男の背

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ハシゴダイク#むつぎ大賞2023

ハシゴダイク#むつぎ大賞2023

 こっちこっち!とでも言っているのだろうか。少女の姿がぴょんぴょん飛び跳ねるのが見えた。白くダボついた奇妙なかっこうで、足元にがれきがなんて無いみたいに。

「うっせー。そうほいほい進めるか」

 切断の跡はまともに歩ける道なんてない。地盤ごと粉々に砕かれた挙句かきまわされ、高熱でローストされている。炭化とガラス化で脆く、鋭く、険しい瓦礫の山にはまともに歩ける道なんてない。

 遠くで戦闘の音がす

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シン仮面ライダーネタバレ込み感想

シン仮面ライダーネタバレ込み感想

■序

人間。もっとお互いに会話をしよう。

映画「シン仮面ライダー」を見てきたので感想をまとめます。
ネタばれがふんだんに含まれておりますので未見の方はご注意のほどを。

■悪かったところ

100点満点中1万点とってる映画ということ前提で悪かったところを上げていく。

・こじんまりとまとまっている
 人の幸福と生き方が主題の映画で世界全体が大変という感じはしない。
 そのためシンゴジ、シンウル

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エルデンリング第1周目を終えて

エルデンリング第1周目を終えて

我が敬愛するフロムソフトウェア謹製のアクションロールプレイングゲーム「エルデンリング」。
その一周目を完了しました。以下ネタバレと考察前回でお送りするのでご注意ください。

1.総括

面白かったわー! 良いもん見れたわー!!
ただ長い! スタートからエンドまで延べ210時間近くの旅で、まだまだ遊びつくしていない要素もあるようです。この長さ! 物語を追いかけるにはちょっと難があります。

具体例は

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小説版ダークソウル弁明の仮面劇はシリーズのDLCなのか?

小説版ダークソウル弁明の仮面劇はシリーズのDLCなのか?

 小説版ダークソウル弁明の仮面劇を2周したのでそろそろ感想文をまとめようと思います。

 2周している時点でマジ面白いファンタジー小説。
剣戟がある。魔法がある。未知の土地への冒険がある。まだ読んだこと無いが氷と炎の歌ってこんな読み味なんだろうかと想像しました。別の作者の別作品読んで氷と炎の歌が読みたくなった次第。

■以下ネタバレ込みの感想兼考察

 大きな問題がひとつ。暗い魂の話がありません。

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黄泉界の人

黄泉界の人

 あれは、俺の手じゃないのか。

 薄暗い部屋の中で力の抜けた手のひらが弱い光に照らされている。その生白い腕を、白く薄汚れた糸くずの山が覆いつくしていた。
 腕だけじゃない。夜風ではない何かに揺られるその山は、汚らしい羽毛布団のように床に広がっている。青白い手や足先が見えていなければカーペットと言ってもおかしくない。

 あの手足に覚えがある。ほくろ、しわ、骨の形の浮き出る皮。見れば見るほど、覚え

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宇宙龍脈幹線 地球支線(スペースレイライン・ジ・アースブランチライン) #むつぎ大賞

宇宙龍脈幹線 地球支線(スペースレイライン・ジ・アースブランチライン) #むつぎ大賞



 烏帽子型ヘルメットの給気口からガニメデの大気がしみ込み、おごそかな駆動音と共にヘルメット内へもたらされる。タンク内の酸素と混合された冷気をゆっくり、時間をかけて吸込み、また同じ時間をかけて吐き出す。吐息は狩衣を模した袖の排気口から外へ出ていく。

 ごく微量、異星の大気を呼吸する。
 星の一部を取り込み、自分の一部を吐き出す。

『客船、界面より浮上』
『承知』

 金属板瓦を葺いた屋根の

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こんなにウルトラマンが好きだったかボクは  -映画シン・ウルトラマン感想-

こんなにウルトラマンが好きだったかボクは -映画シン・ウルトラマン感想-

結論
めちゃくちゃ楽しみました。

映画シン・ウルトラマンを見てきました。
以下、ネタバレが含まれていますのでご注意ください。

5

4

3

2

1

序:けなすこと言ってガッカリさせる前にまずは褒めておく
某ラジオのパーソナリティー氏から言葉をお借りすると
「前提として(任意の数字)億点出してる映画なんだけどその上でマイナス点もある」
映画だった。

だだでさえ厄介だったシンゴジくんレベ

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