【短編小説】楽園か地獄か
約半年前、私は生きることに飽き飽きしていた。
そして、度重なる猛暑で頭がおかしくなっていたのかもしれない。国のある公募に飛びついてしまった。
3光年先にある新たな楽園を求めるこのプロジェクトは、片道切符であるため命を賭けることになる。テクノロジーの発展により、3光年という距離を30年で移動できるようになったものの、軽量化されたロケットには往復の燃料を搭載できない。行き着く先がどんなところであろうと戻れないのだ。
飛んだギャンブルだが、これから向かう星は水が豊富で年間の平均