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あの人なんか見覚えあるな〜

※少々怖い話なので大丈夫な方だけ読んでください。


街中を歩いていて、「あれ?なんかあの人見覚えあるな〜」と思うことってありませんか?

「同級生だっけ?」
「知り合いの知り合いか?」 
「顔だけ知ってる芸能人だっけ?」
などと、頭を巡らせるも、誰だか分からないという経験は誰しも一度はあると思います。


これは中学生3年生の時の話。



友人3人と大きいショッピングモールに遊びに行った。一通りゲーセンなどで遊んだ後、フードコートで昼ごはんを食べた。

すると、1人の友人が斜め前の席のおじさんに見覚えがあると言い出した。僕もそのおじさんに見覚えがあった。その後、4人全員、見覚えがあると分かった。

「誰かのお父さん?」
「タレント?俳優?」

色々と考えたが、その日は結局分からなかった。



後日、修学旅行で先程の"おじさん"の正体がわかることとなった。

先程のおじさんは、学校のイベントでみんなの写真を撮ってくれるカメラマンだったのだ。
修学旅行にも同行していて、すぐに気づいた。

僕と友人は顔を合わせて笑い合った。
なんだ、通りで名前を知らないわけだ。

あの人見たことあるんだけどなぁ。となる時は、こんなものなのかもしれないなと思った。






その1ヶ月後、同じメンバーで映画を観に行った。
大きなスクランブル交差点を渡っている時、またしても見覚えがある人を見つけた。

今度は、20代前半のお姉さんだった。
どっかで見たことがある。だけど、中学生が20代前半の女性と知り合いなわけもないし、友人の中に年の離れた姉がいる人もいない。誰だ?



しかし、今回は僕がそのお姉さんが誰なのかすぐにわかった。
「学校に行くときに毎日すれ違うお姉さんだ!」
僕がそう言うと友人たちも納得した。

僕たちは一緒に毎日同じ時間に登校していた。そして、あるコンビニの隣に建っている一軒家を通る時、そこの家から先程のお姉さんが出てきて、すれ違っていたのだ。

全員とてもスッキリして、笑い合った。
明日学校へ行くときに答え合わせできるねって。




翌日、僕たちはいつもと同じ時間に待ち合わせをし、学校へと向かった。お姉さんとすれ違い、答え合わせをすることを楽しみにしながら。

例のコンビニに着いた。
「そろそろお姉さんが出てくるはずだね。」
そう言いながらコンビニを通過した。

そして、いよいよお姉さんの家の前に着いたのだが、お姉さんはいつものように家から出てこなかった。
「あれ?おかしいな?いつもと同じ時間なのに。」
「まぁでも、そんな日もあるよね。」



そんな会話をしながら、ふとお姉さんの家に目を向けると窓は開いていて、風でカーテンが揺れていた。そして、諦めて学校へ向かう僕たちに強い向かい風が吹き、カーテンが開いた。




僕は答え合わせがしたくて、ついついカーテンの向こうを見てしまった。

あぁ、やっぱり昨日僕たちが見たのはいつもすれ違っているお姉さんだったんだ。

部屋の真ん中にある机の上に、お姉さんの遺影があった。









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