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どんなナイフを持つか? ステーキを食べるのも、世界を見るのも「切り口」次第だった

突然ですが皆さん、「トラモンティーナ」というブランドのステーキナイフをご存知でしょうか。

シュラスコが好きな方なら聞いたことがあるかもしれません。「肉大国」のブラジルが誇る、ステーキナイフが有名なブランドです。

皆さんもぜひ、チェックしてみてください! 日本では燕三条、南米ではトラモンティーナです。

ちなみにトラモンティーナはその名のとおり、イタリア系移民が立ち上げたブランド、というか最初は鍛冶屋だったようです。

(イタリアは南米を植民地にしていませんが、イタリア系移民は南米に少なくありません。支配層ではなく、ワーカーとして移民したのです。とくに多いのがアルゼンチンで、スペイン系とイタリア系の割合はだいたい半々)

で僕は先日、トラモンティーナのステーキナイフがセールになっていることを知り、楽天市場のキョウダイマーケット(ラテンアメリカの食材やキッチン用品を売る店)でゲットしました。

幸い、ウチの近くには「フーコット」という日本屈指の激安スーパーがあります。そこに行けば、オーストラリア産の牛のステーキ肉が100グラム当たり130円ほどで手に入ります。300グラムでも400円! ナイフ代の元はすぐに取れそうです。

肉を買って帰り、年季の入った鉄のフライパンでザッと焼いた後、トラモンティーナのナイフを使って食べてみました。

いうならば、「オーストラリア(牛肉)」対「ブラジル(トラモンティーナ)」の対決。

結果はブラジルの圧勝ならぬ、驚くほどキレキレでした。100円ショップのナイフとは全然違いますね。

不思議なのは、ナイフの切れ味が抜群だと、激安の肉の味も絶品になること! ゴシゴシと切っていた肉が、トラモンティーナのナイフがあればスイスイ。自分のテンポで口に運んでいきます。気持ち良い。ストレスからの解放。

こんな体験って、ほかにもいろいろありますよね? 履きやすい靴を買ったら体重は重いのに足取りが軽やかになったとか、叩きやすいキーボードを買ったらいつもより筆が進むとか、漕ぎやすい自転車を買ったら億劫だった外出が好きになったとか。

道具って意外と大事。素材(安い肉、体重の重さ、遅筆の傾向、億劫に感じる性格)を良い方向に変えてくれますから! 形(道具)から入りたくなるのも納得です。

実は、「エッセーのネタを考える作業」もそれとちょっと似ています。といってもパソコンやペンといった“もろ道具”の話ではありません。ナイフつながりです。

ユニークなエッセーを書く最大のコツは物事・事象・体験をどう切り取るか、です。つまり切り方(切り口)次第で、エッセーは劇的においしくも、ふつうにも、またまずくもなります。言い換えるなら、他人と同じものを見て、同じような経験をしても、感じ方は段違い。素材を生かすも殺すも、自分の中に持つナイフ次第なのです。

自分の中にどんなナイフを持つか。これによって見える世界は天と地ほど変わります。

ではキレキレのナイフはどうやって手に入れればいいのか。道具でないのでネットで買えません。自分自身で自分の中のナイフを磨くのです。

この夏休みに海外へ行ったら、他人と違うエッセーを書いてみたいと考えている方、その前に自分のナイフを磨いておきませんか。磨けば磨くほど、キレキレのエッセーが書けるようになっていきます。見えないことが見える(気づかないことが気づく)ようになります。

というわけでganasはいま、「切り口」を意識したエッセーの書き方を学ぶプログラムの受講者を募集中です。6回のさまざまなグループワークを通じて、ナイフをひたすら磨いていきます。

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