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#ビルマ

続  花揺れる黄昏

続 花揺れる黄昏

(2021年11月6日投稿)

 9月11日付でnoteに投稿した「花揺れる黄昏」では、1980年代のビルマ(現ミャンマー)での旅の記憶と現在の情勢に関する事柄を結び付けたものを記事にしたが、今回は同じ旅で撮影したその他の写真と、その若干の説明を加えたものを投稿したい。 これらもフィルムカメラで撮った写真で、40年近く押し入れに無造作に保管していたためにだいぶ劣化が目立つ。

 依然として混迷が

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アジア微笑1980s

アジア微笑1980s

 終戦から今年で77年という歳月が経つ。私がアジアの国々を巡る旅に出ていたのは、その中間点にあたる1980年代初期の頃。
日本の戦後の流れを経済史として見るならば、戦後の混乱から復興し、やがて高度経済成長期を迎え、安定成長から世界同時不況の波に飲み込まれようとしていた時期である。
その後の日本経済は、バブル崩壊によって長期低迷期が続き、そして現在はコロナ禍を経験している真っ最中ということになる。

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花揺れる黄昏

花揺れる黄昏

 梅雨空の重く垂れこめた雲を見上げると、40年程前、ビルマ(現ミャンマー)へ一人旅に出かけた時のことを思い出す。6月の雨季に入った首都ラングーン(現ヤンゴン)の目抜き通りには、生活必需品を扱う商店や小さな屋台が延々と連なり、現地の人々でごった返していた。歩道には鍋一つ火鉢一つで揚げ物を出す店もあった。しかし観光客向けの商店や飲食店というものはなく、怪しげな客引きに出会うことも皆無だった。他のアジア

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