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文学者は大成功が嫌い?

僕は、70年代の生まれですが
ある意味、音楽の世紀(時代)を生きたとも言えるかもしれません。

(最初は、少し、文学ではないはなしから入ります)

洋楽が流行っていて、それに感化されました(エルビス・ビートルズ以降)
15歳から40歳くらいまでは、洋楽のスターがアイドルで
ジミーペイジやジェフベック(故人)といったギタリストがアイドルでした。
これらの人のすごかったところは、60歳をすぎてもスターという虚像を引き受けたところだと思っています。
デビッドボウイ(故人)やエリッククラプトン、ローリングストーンズといった面々もそうだと思います。

全部クソジジイやん!

若い人が見たらそう思うでしょうけど
かなり、これらの人を励みにしてた部分があります。



こうした、虚像であることを引き受けた、ロック界の巨匠に比べて
文学者は、大成功という位置にとまどいを感じる人が多いようです。

『老人と海』を書いて、ノーベル文学賞を受けたヘミングウェイは、その後飛行機事故などに遭い、かろうじて生還したのですが、そのあと、うつ病などに悩まされ、結局、猟銃自殺をしてしまいます。



『異邦人』を書いて、やはりノーベル賞を受賞したカミュも、自動車事故死してしまいます。



ノーベル賞を辞退したサルトルも、『嘔吐』などを著して、やはり自殺してしまいます。



暗いはなしばかりで恐縮ですが
日本人で、初のノーベル文学賞を受賞した川端康成も、当時ノーベルは、三島か川端か?と噂されてたのですが、川端に女神が微笑んで、それが理由ではないでしょうが、そのあと三島が自殺してしまい、川端も後を追うように自殺してしまいます。



いや、ノーベル賞が呪われてると言いたいのではありません。

『ジャンクリストフ』『ベートーヴェンの生涯』などの著書がある、ノーベル受賞者のロマンロランは、おおむね世界的文学者としての生涯をまっとうしたといえるでしょう。



日本人で川端につづくふたりめのノーベル文学賞受賞者の大江健三郎も、大成功(?)などそっちのけで、川端の『美しい日本のわたし』に対抗するような形なのか『あいまいな日本のわたし』という講演的な著述をして、政治デモに参加したり、晩年まで独自の視点を貫き活動しました。



このように、成功などに動揺せず、独自の活動を続ける人も多いのですが
前述したように成功者であるというポジションに違和を感じる文学者(や創作家)も多く、そういったデリケートな感受性こそが支持基盤の一因だったりもします。

もちろん、こういったことは文学だけのはなしではなく
前述したロック音楽の世界も、虚像な部分(自己の)ばかりが膨れ上がって
そのことに疲れて早死にした人もそこそこいたのです。

文学も、万葉集から源氏物語、奥の細道あたりまでは、そんなに商業市場的な成功とは結びついていませんでしたが
明治以降は、創作の成功は、商業市場で名が売れることと同義になり
そのことが、ある感受性を持つ創作家の自己を脅かしたのです。

そういったデリケートな感受性に、文学などを通して触れてみるのも一興かもしれません
それは、多くの人が通る道なのかもしれません。

というわけで、「文学者は大成功が嫌い?」でした


(あとがき)
まったく個人的なはなしですが
昨日、生活保護を申請すべく、いろいろ持参して役所へはせ参じたのですが
当然というか、水際作戦っぽく一旦ご帰宅されて再検討をというはなしになりました。
すべてが当たり前のことなんですが
思い過ごしかもしれませんが
軽蔑に値するヤツみたいな視線を勝手に感じて(事実と違うかもしれませんが)翌日の今日、前科者ですらないのに、かなりの自己否定感に打ちのめされ、昼の3時過ぎまで布団でぐずってしまい、70をすぎた母に3度も飯をつくらせた挙句、コンビニに新聞を買いに行くという最低タスクも放棄して
いよいよ自己否定感がマックスになりました(殺人とかをやってしまった人のそれに比べたら全然屁でもないハズなのですが)
そこで、自己否定感と創作家という着想がうまれ、このような文ができたともいえ、この文は、今日の自分の多少罪滅ぼしみたいな側面もあります。
大成功した創作家も、自己否定感に打ちのめされることは普通にあったんだと
僕は、かろうじて、こんな着想に結びつけることができたため、それでも若干マシなのかもしれませんが
自己否定感をなかなかぬぐえないまま、部屋の中で空回りする人も多いのかもしれません
僕も、市役所の生活支援課に就職して配属されれば、自己肯定感は持ちにくかったかもしれず、無力感にさいなまれることもあったかもしれません
まぁ、いずれにせよ、大成功した創作家も自殺者とかがでるほど、自己否定感に苛まれたのですから、ある意味、人間なんてみな同じなのかもしれません(いや、個人差が相当あるか?)
アマゾンアソシエイトにこのほどなったので、商品リンクは一応貼っています
一応、できる手は打っておかないとという感じです

おつきあいくださり、ありがとうございました。


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