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好きな詩とか(2023)

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与え与えられるタペストリー

与え与えられるタペストリー

☆photopos-3259  2023.8.11

与えるものが
与えられる

愛も
憎しみも

光も
闇も

気づかないまま
与えるものも
否応なく
与えるものも

そこには
時空を超えた
つながりが生まれ
世界は紡がれ
織りなされてゆく

その多次元的な
タペストリーのなかで
わたしは
いまここにいて
与え
与えられている
それと気づかぬままに

※愛媛県内子町・小田深山渓谷にて

奇しき道をゆく

奇しき道をゆく

☆photopos-3222  2023.7.5

奇しきは
ひとの世

ひとの世は
ひとがつくり
ひとが生きる

奇しき世を
生きんとならば

奇しき道を歩き
奇しきときを生きることだ

奇しき道をゆけば
奇しき跡は刻まれる

生きるとは
奇跡とともにあること

ならば我は
奇しき道をこそゆく

※愛媛県内子町・小田深山渓谷にて

生と死の通底

生と死の通底

☆photopos-3184  2023.5.28

生から
死を見るとき
死は異界に見えるが

死から
生を見るとき
生こそが
異界に見えるのではないか

現実という
生の異界に
わたしの居場所はあるか

現実の底が抜けたとき
そんな想念のなかを
生きざるをえなくもなるのだが

夢と現がそうであるように
意識と無意識がそうであるように
そして
偶然と必然がそうであるように

死と生は
その相を異

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ポローニアスの娘

ポローニアスの娘

まだ誰にも踏まれていない1日を
彼女は無機質に歩く

けれども白線の上をゆくとき
見えない顔の下側が
朝鳥の歌声のように
愛くるしく揺れているように思えた

ちらと揺れる長いまつ毛の先に
光のかけらが射し込んで
目の下の薄く白い肌を照らす

白線は一層白んで
いよいよ谷底に落とさんとするけれど
そんなのどうだっていい事のように
彼女の脚は嬉しげに
転がるのをやめない

彼女の愁いが何なのか
きっと

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輝きの密度

輝きの密度

ただ

静かに

愛である

果てしのない肯定が

存在という場の

輝きの密度を

増していく
  

それは

繊細で美しく

しなやかで強い

決して

人を威圧することのない

柔らかな力