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2021年9月の記事一覧

走馬灯

走馬灯

しょーもないもんが見たい

予想を遥かに超えてきて

なんとも言えんもんが見たい

絶妙な配合で差し出して

ペンを持って

思考が踊る

ペンを振って

思考が旅立つ

次の戻りは

ふと我に返る時さ

薬指を遊ばせて

汗は吹き出さんばかり

破れかぶれの淡い記憶は

全てを照らす走馬灯となる

深い霧に 覆われた 世界のなかで

深い霧に 覆われた 世界のなかで

☆photopos-2572 2021.9.22

深い霧に
覆われた
世界のなかで
彷徨い
道をさがす
我らのために
あらたな
アリアドネの糸を

澱んだ空気に
縛られた
世間のなかで
目覚め
自由をさがす
我らのために
とらわれた魂を
解き放つ呼吸を

短い答えだけを
求める
社会のなかで
不断に
問いつづける
我らのために
智慧を導く
変幻自在の羅針盤を

※愛媛県久万高原町・四国カルストに

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逆光

逆光

世界の中心から離れて
愛を発音できなくなったけもの
果実、その芯を食うだけの祝祭を過ごす
甘さのあまりこいつは重く頭を垂れ
山河に刻まれた深い皺は
風の通り道をなす
「ありがとう」
それは愛から産まれた言葉ではなかったか?

眩しさは光源との距離に比例する
不均衡な言語を互いに照らし合い
認識している、という事実に導かれるようにして漏れる
きみは何という光だ!
この次元を満たしていくように手足を

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淡々と、燦々と

淡々と、燦々と

ある総体がぼくに語りかけてくる
かすかな震えを帯びて
最果ての光をつらぬくように
悲しみへの憧憬が波紋をなすように

ぼくの心はとても穏やかで
小鳥たちはちゅんちゅんと
可愛く鳴くので
感応して涙が溢れてくる
これを『生きる』と呼ばずに
なにを讃美し得るだろう

詩の言葉は記号ではなく
音楽である
よって詩をかくものの認識は
無限であり、虚無であり
言祝ぐことを赦さず
偽ることを赦さずーー
ぼくは

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まっさら じゃなくても いいじゃないか

まっさら じゃなくても いいじゃないか

☆photopos-2568 2021.9.18

ひとは
まっさらで
生まれてくる

と思いたいけれど
そうでもないらしい

でも
まっさら
じゃなくても
いいじゃないか

と思えば
それはそれだ

初期条件は
初期条件として
そこから
オリジナルははじめられる

初期条件にしても
オリジナルだったはずだが
そんなことは気にせず
そこからはじめる

あたらしい畑を耕して
じぶんで初期条件を
つく

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舞台

舞台

薄汚れた純白の壁に囲まれた
小さな部屋に篭りきり
書き殴った言葉も今は昔と
アルバムに綴じられたカビが語る

もう何もしないし何もされたくも無い
吟遊詩人の歌を聴かせてくれたなら
別れも告げずこの世の果てまで旅に出て
諦めと些細な期待を連れだって闊歩する

伝えたい事なんて独善的な告白で
バーガンディのシャツがお気に入り
足りないくらいがお似合いだから
余白に隠した陳腐な息吹を愛おしむ

何者にも

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青空

青空

悩んでも

空を仰いで

歩き出す

足取り軽やか

日進月歩

2007.06.28
赤川由衣

最速のうた

最速のうた

とのにをゆえようさ
からめにしをきぶたし
ちいちいようにしつく
はみがみとえもう
むめ!
むめ!
のゆれどものゆれども
みもふゆらむをふえ
らんむどのくるわい

えう

東京モグラ

東京モグラ

あらかた掘られた跡ばかり
東京モグラの時刻表

人脈金脈キャッシュレス
東京モグラの歓楽街

木曜ゴミの日エコバッグ
東京モグラの特売日

染井吉野は単一始源
東京モグラの没個性

誰かが死んだら振替輸送
東京モグラの無関心

顔を出したら取り締まり
東京モグラの自警団

崩落するまで掘り進め
東京モグラは絶滅種

遠吠えは彼方

遠吠えは彼方

遠吠えは彼方

応答せよ、大地の神

昨日の過ちをあるがままに

君と見た夏の夜空に

あの日の野心が未だ在る

溶け込んだ雑木林

都合良く美化された泥団子

隈なく探せ 

隈なく探せ

底辺を決めつけず

正当化を手放し

なにかを貫く

一貫性を疑い

リアリティーをぶち壊す

悔しさをばねに

苦しみを抱きしめ

5000回目の

はじめの一歩

何度だって繰り返す

いけるでしょう

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嘘

リラックスして燃え盛る

許可を下すのは自分自身

喜びのギフトそっと忍ばせる

幸せは意識の先

答え合わせは

自分自身の過去と今

くらいやがれ希望の光

吐き出してもきっと爽快な午後

井戸の底から涙そうそう

ハイタッチの丘で四重奏

君は誰かを愛し

誰かを嫌悪し

その誰かの仮面を被った

愛するが故に

罪の意識故に

時間は解決しない

いつだって未来は僕らの手の中

あるがまま

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どうか万物が愚かでありますように

どうか万物が愚かでありますように

どうか万物が愚かでありますように
そしてぼくはその中で
最も愚かでありますように

全然わかりません!本当に
なにを言ってるんですか、
あのモービルは
鳶が啄む薄暮の風景についてまわる
彼は孤独に倦んだりはしないのですね

どうか万物が徐ろに謎めいてゆきますように
対岸に琴線が見えたりします
雨は俄かに東にふりそそぎ
西には赤ん坊の波が押し寄せているようです

会話はいつもどこかキリのいいところで

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道すがら

道すがら

道すがら

もぬけの殻

ビビッドに

打ちのめしてくれよ

愛を込めて

断固たる凄みで

暗い星空 

ふと我に帰る

勢いだけの自分

強がりだけの自分

静かに押し返す

恥じることなく

奢ることなく

澄みきった絵画に

映写機で生命を

道すがら

もぬけの殻

今はきっと何かが足りない

だけど静かに突き返す

疑念や焦燥

まっさらな筋が浮かぶ

高く高く

高く高く

澄みきっ

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