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- リスキリング vol.17 - キーパーソンは誰だ??


2時間のロールプレイング

夏学期のネタをもう一丁。リーダーシップの授業でグループ・ディスカッションとディベートがとても楽しかったので。
テーマは、戦略的意思決定、組織運営、財務管理、生産効率改善。えーっと、、、なんだか難しい言葉が並びます。カタカナ英語はパッと頭に入ってこない時がある一方で、漢字って字数増えると威圧的ですね。あるいはお経かよっていう。

平たく言うと、ダメ会社を立て直す会社ごっこ。ブーなグループは出席点が減点ってところをモチベーションにさせています。

なかなかヒドイ会社と課題だらけの6つの部門

前提は中堅規模の製造業。6つの部門で構成されています。会社の主要戦略はコストリーダーシップ。そもそも価格競争頑張る会社ってキッツイですね。。。そんな戦略の中、2年連続市場シェアを失い、売上が20%減少。。。これにより、会社全体で30%のコスト削減を実施。さぁ、みんなで考えよう、という訳です。ただし、CEOの方針で従業員の解雇は禁止。(実社会と違うのはこの辺り)
なお、6つの部門はこんな設定・・・

Financial management: 売上20%減少、退職間近のスタッフ多数。 課題: 新人インターンが大半の業務を担当。解雇せずにコスト削減を達成する必要あり
Maintenance and repair: 機械の修理に海外から技術者が必要。課題: 部門のスタッフの技能不足。CEOは外注を提案。
Production: 85名の人員。生産ラインにボトルネックあり。課題: オペレーターのパフォーマンスのばらつきと生産ライン設計の問題。
Research & Development: 新しく採用した2名の研究者が不満で離職希望。課題: 研究者の業績評価システムの見直しが必要。
Marketing & sales: 売上20%減少。経験豊富な従業員が退職。課題: 新しいマーケティングキャンペーンの設計と人員のモチベーション向上。
Human Resource Management: 15名の人員中14名が女性で、産休が多数発生。課題: 人員削減が必要な状況で、産休による人手不足。

組織ボロボロじゃ~ん!そもそも、よくこんな状態でやりくりできてたなっていうヒドイ前提。

CEOは教授、我々はグループごとに部門に分かれます。私はProduction、製造部門です。社内最大の従業員を抱えてます。チームメイトからはマネージャーやりなよって言われたんですが、その前の発表でホームラン打って、頭の気が抜けてたのと、本音はディベートはまだ自信ねぇだろって尻込みしちゃって。。。こういうところ、ダメね。よっしゃ!っていけるようにならないと。

製造部門というのは、私の実キャリアではトンと縁のない世界。組織ってのも、分解していくと合理的になっているものの、その中の1つに収まっちゃうと全体が見えずらくなりますね

キーパーソンは誰だ??

製造部門の課題は生産性。ボトルネックが提示されてるから、人員配置を変えて最適化。この辺は勉強したことだから、難しいことではありません。けれど、それだけだと目標の改善率に全然足りない。。。(うまくできている)

それじゃってことで、開発部門に生産ラインを自動化して生産性上げようよってアイデアを出して。開発部門のマネージャーは中国人の女性で、いいわね、やるべきよって。なんとしても、いい評価に繋げないとねって言って、この辺りは東アジア人特有の“目標達成への強い意志”。他の国の人ってうっすいんすよね。で、じゃあ、開発よろしくってことで。

あとはトレーニングしてスタッフ個々のスキルを上げようって話も。これは、HR部門に言えばいいねって、“見えてきた感”がありました。(それぞれ具体的にどれくらい改善できるのか、煮詰められてませんでしたが)
ただし、トレーニングだ、自動化だってアイデアを出すけど、結局何をするにもお金が発生。ってことはファイナンスに聞かないといけません

ファイナンスのマネージャーはナイジェリア人の女の子。金縁メガネが手強さを強調しています。
案の定、彼女たちにも予算削減の縛りがあって、いくら裏付けした説明をしても、予算は割り当てられないの一点張り。。。“ニワトリたまご”の話は平行線にしかなりません
そこで、だったら、追加のお金をかけずに自分たちで解決するまで。自動化は中期の改善案にまわして、目先はトレーニングにフォーカス。
と思って、途中経過をCEO(教授)に話したら、人員配置変更もトレーニングの実施もHR部門の承認が必要とのこと。ウーン、まあそうか、、、もう、早く言ってよ。

社内調整する先のマネージャーたち。イメージね、イメージ

抜けていた承認作業

HR部門への承認は、問題ないだろって思ってました。会社にとって良いことするんだから。ダメっていう訳ないじゃんって。が、ここで誤算。各部門がHRの承認に殺到していたのです。加えて、マタニティーリーブでリソース不足の縛りがあるらしく優先順位をつけて対応するからって。さらにそのマネージャーは私の承認必須だからって。メンテナンス、マーケ&セールスと、各部門の陳情を聞くのに時間がかかって。チーン、結果、まさかの時間切れで承認取れず。。。

組織はシステム 

明らかに生産性が上がる施策が決済権者の多忙で承認取れないってなんだよ!大きな組織ってめんどくせぇな

途中までは、会社って部門部門で落としどころを見つけないといけませんよ、そのためにいろんな手法で優先順位の最適解を見つけましょうってのが趣旨だと思っていたけれど、違ってました。教授曰く、組織=システムであり、従業員はシステムに従わなければならない。つまり、組織運営するときは、ガバナンスが必要で、勝手なことしちゃいけませんよっていう。そこなんだっていう。正直、レイヤーも少なく、ダイレクトコミュニケーションの組織出身の私には抜けていた感覚なので、あとでじんわり、これは役に立ちそうってことがわかりました。

複数の部門があるような会社だと、根回しだなんだって”政治”的なセンスが必要なんでしょうね。

“目利き”の重要性

しかし、2時間があっという間。ディベートの時には、身を乗り出して援護射撃している自分がいました。結局、私たちはファイナンスにもHRにも歯が立たず、ディベートってレベルまでいきませんでしたが。

あるインド人のクラスメイトは、そもそもこんな課題たくさん抱えている会社なんて、辞めて他で働くよって。冷静、そして正論。さらに、私たちのアイデアに賛同してくれた開発部門の中国人の女性は、発表の時に、HR部門が承認した範囲の改善をやるのが私たちには精一杯ですって回答して、さっきの話と違うじゃん、なんだよそれって思っていたら、CEOからプロセスを遵守していてよろしい、正解って。

最終的には、クラスメイトの1人が、CEOを変えるのが一番良いソリューションだって言って、クラス全体が大爆笑。いいオチがつきました。

ロールプレイングを通じてクラスメイトを管理者として見てみたら、結局はパーソナリティーが80%、文化的、人種的背景は20%くらいの感覚で。それ故、なんちゃら人だからこういう傾向なんてのは、本当は気を付けないといけない。人を見る”目利き”は奥深くて、だから実に面白いものだと思います。

組織はシステムって話は良かったのと、授業の中で教授はもう1つ、ビジネスはGood partner を見つけることが大事って言ってて、これはホントに同感。1人でできることには限りがあります。

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