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医師を変えて本当に良かった!(2)

息子が事業所で起こしたパニックに対しての精神科医師の有難い対応と、
それに伴って事業所の所長さんにも発達障害に対する理解が得られました。

昨年6月、所長さんから私に電話がありました。

「息子さんが椅子を階段の上から下に投げてしまわれました!」


……私は一瞬で地獄に突き落とされたような気持ちになりました。

「これが会社やったらクビや!いったい息子はどうなるんだろう…」
「どれだけご迷惑をおかけしているのかわからない、すぐに謝りに行かなくては!」

すぐに事業所に謝りに行ったところ、所長さんは息子の行動をただただ驚いておられました。

「おとなしい○○くんが、まさかこんな事をするとは思いませんでした。」私はひたすら謝りました。

所長さんは怒っておられるのではなく、これからどうすれば良いのかな…と考えておられる様子でした。


翌日精神科へ行き、息子が事業所でパニックを起こし、お弁当箱や椅子を投げてしまった話を医師にしました。

医師の反応は私の想像とは違っていました。非常に憤慨されたのです!


「ASD(自閉症スペクトラム)の代表的な特徴には急な変更に対処できないことがあり、そこにADHD(注意欠如・多動障害)の特徴も加わってパニックになるというのは事業所側はわかっていて当然ですよ!」

「発達障害の人を受け入れている場所なのに、あまりにも知識がありません!」

「息子さんがかわいそうです!」

私は医師のお言葉が意外でした。まだ事業所に対しての謝罪が不十分かな?と感じているくらいでしたので…しかし、熱いお心が嬉しかったです。


所長さんのご説明と息子から後で詳しく聞いた話では、その日は想定外の出来事や急な変化が多々あり、

息子は相当辛いのを我慢していたようです。

コミュニケ―ションがとりにくい息子がどうしても話さないといけない場面があったのですが、その相手が耳が不自由な人だったり、知的障害がある人だったりで、うまく意思疎通ができませんでした。

そして周囲にそれを言えるスタッフが見当たらず、最終的にパニックになってしまいました。

発達障害でない人には「そんな些細な事で!?」と思われることが、発達障害の人にとっては大問題だったりします。


その後、事業所はお休みさせていただき、精神科にいらっしゃる臨床心理士さんからカウンセリングを2週間に1回受けました。

認知行動療法という方法で、息子の感情の動きを本人が客観的に見るようなワークを家で行いました。

そして本人の意思で、来月から事業所に少しづつ通うことが決定しました。嬉しかったのはその直後です。


事業所の所長さん自ら、精神科に足を運んでいただきました。医師と臨床心理士さんの3名のそれぞれの専門の方が集まって、真剣に息子の今後について話し合いをしてくださいました。私と息子も同席しました。


まず臨床心理士さんがA4用紙3枚にびっしり書かれた経過報告と、事業所に対しての要望を読まれました。

所長さんは真剣な面持ちでメモをとりながら聞いてくださいました。

また、医師のほうからも
「連携していって、変化があればその都度話し合ってやり方を考えていきましょう!」という言葉がありました。

息子が事業所でいやすいようにと色々な案が出ました。

その中で、「少しでも息子が我慢するような(パニックの前兆)心の状態になったら、カードを出してスタッフにお知らせして、場所を変えてもらう」という項目がありました。


次の日に所長さんから私にメールが来ました。
早速そのカードを作ってくださって、画像で見せていただきました。


自称「ポンコツ」の息子のために、医師をはじめ、臨床心理士さんと事業所の所長さんの大人三人が

心から真剣に取り組んでくださって、感激です!本当に幸せに思います。


たおたおです。よろしければプロフィールもご覧ください。


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