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発達障害の具体例/発達障害の特性が重なって起こったプチパニック!(息子の場合)

「今、パニックになった!」
息子(自閉症スペクトラム障害&注意欠如・多動症)からの電話

先月末の話です。

息子は友達の家に行って、楽しくやっているはずなのに…
「道に迷った」
「パニクッってる」
そんな電話を受けてしまい、花見どころではなくなった私でした。


特性その一:変化、新しい行動が非常に苦手

息子の友達は、つい最近までシェアハウスに住んでいました。
引っ越しをして一人暮らしになり、「泊りに来て」と息子に言ってこられたそうです。

変化、新しい事、やったことのない行動が、息子は非常に苦手です。
ビックリするほど緊張してしまう特性があります。
しかし、友達の家に行くのをとても楽しみにしていましたので、苦手意識よりも「行きたい!」という気持ちが勝ったのでした。

乗ったことのない交通機関、行ったことのない場所…
私ならワクワクするのですが、息子にはストレスが大きいようです。
更に追い打ちをかけるように、(行き方を友達からLINEで送ってもらっていたというのに)指定のバス停から違う行先のバスにパッと乗ってしまいました。

特性二:見ず知らずの人とのコミュニケーションが非常に苦手

バスを乗り間違えることくらい、誰にでもあり得るかと思います。
バスの運転手さんに何番のバスに乗り換えればいいのかを聞けば済むこと…
私は簡単にそう思うので、長い間、息子のことを不思議に感じていました。

いくら親子といえども息子の頭の中まではわかりませんし、完全に理解はできません。
ただ言えるのは、「見ず知らずの人、または好感が持てない人とは極端に話しかけることが難しくなる」という息子の様子が見て取れることです。

親しくない人とは話せない

特性三:行動がフリーズしてしまう時は静かだが、脳は噴火寸前!

どうしていいのかわからなくなると、息子は更におとなしくなり、固まってしまいます。ジッとして動けなくなってしまいます。
静かでジッとしているので、周囲からは変化がわかりにくいです。

が、頭の中は真っ赤な状態で、今にも爆発しそうなほどパ二くっているのだと、精神科医の話で知りました。

周囲からは気づかれにくいが脳は噴火寸前!

そんな状況の中、なかなかやって来ない息子を心配した友達が、息子に電話をかけてきたそうです。
ところが、いくら電話で行き方を説明されても、息子は言われた通りにできませんでした。

以下よりその理由を説明します。

特性四:ワーキングメモリーが弱く、短期記憶が苦手

発達障害の中の「ADHD(注意欠如・多動症)の特性の一つに、ワーキングメモリーの弱さがあります。

そもそもワーキングメモリーの役割とは?

「ワーキングメモリー」とは、入ってきた情報を脳内にメモ書きし、どの情報に対応すればいいのかを整理し、不要な情報は削除する脳の働きのことです。このワーキングメモリーの働きによって、瞬時に適切な判断をおこなうことができるともいわれています。

脳による情報の整理

例えば、私たちが会話できるのは、相手の話を一時的に覚えて(記憶)、話の内容から相手の内容をくみ取り(整理)、話の展開に従って前の情報をどんどん忘れる(削除)という作業を無意識に行っているからです。
このような情報処理の流れは、読み書き、運動、学習など、日常における様々な活動に関わってきます。

整理した情報の中でこれからも必要なものは、長期記憶するための脳の本棚へ移動させます。

★(ワーキングメモリーについては「LITALICO発達ナビ」の情報記事を参照しました)


特性五:聞こえていても聞き分けられない聴覚処理障害(APD)

聴覚検査では何の問題もなく、しっかり聞こえている息子です。
ところがガヤガヤザワザワとにぎやかなところにいる場合、話をしている相手の声が他の音と混ざって、非常に聞き取りにくくなります。

聞こえてるけど、聞き取れない!

いろんな音や声が聞こえている環境で、一般的に脳は、瞬時に聞くべき音と、聞かなくてもいい音を判断します。必要ないと判断した音は、聞こえてはいるのですが、聞いている人の意識には入らなくなるのです。
(精神科医の話を抜粋しました)
脳って、凄い!賢い!と思いました。

息子は脳内の「音の整理」が非常に苦手です。

にぎやかな場所での会話は聞き取りにくく、大勢の人の中でのディスカッションでは、「誰が誰に話しているかもわからなくなる」のだそうです。

視覚優位なので、電話よりもLINEやメールで

息子の特性を考慮すると、出来るだけ読んで説明できるような環境を作ることが必要になってくるかと思います。

道に迷った時、友達と電話でのやりとりでしたので、うまくいかなかったのでしょう。
結局は友達に(場所を間違えて下車したバス停まで)迎えに来てもらったそうです。今後何かあった時はLINEで連絡をとることになったそうです。

特性六:良い方向に活かすこともできる常同行動

慣れるまでに少々時間がかかると思いますが、繰り返し行う動作によって、習慣化できれば、息子のASD(自閉症スペクトラム)の「常同行動」が活かされるようになります。

同じことをズーっと、同じように続けていくことは得意なのです。

ですので、友達の家に行くことに慣れていけば全く問題ではなくなります。ただし、同じ交通機関を使い、同じ行き方の繰り返しになります。息子の場合は「いつもと違う行き方」はしないほうが無難です。

発達障害は人それぞれ、まずは知ることから

「発達障害」と一言で言っても、その状態は人によって異なります。
状態をしっかりと把握することが重要になってくるかと思います。

休憩しながら対処していこうっと…











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