原田大作

ウォルト・ディズニーでプロデューサー→ザワット創業CEO→メルカリにM&A→ソ…

原田大作

ウォルト・ディズニーでプロデューサー→ザワット創業CEO→メルカリにM&A→ソウゾウVP→CEO→メルカリ経営戦略室Director→2回めの起業へ。千葉道場ファンドのフェロー。 Web3, DAO,NFT,マーケットプレイス興味ある人つながりましょう

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    猿たちの鳥肌のまとめ

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猿たちの鳥肌〜はじめに

はじめましての方に向けて、簡単な自己紹介と、このnoteの説明をば。 これは何か「猿たちの鳥肌」は、私が2011年にザワットというスタートアップを創業し2017年にM&A、吸収合併、消滅に至るまでの、事実に沿ったリアルストーリーをギュッとまとめたものです。インターネット系スタートアップで起業するとこんな感じなのかーとざっくり追体験できるかもです。小さな成功ケースと小さな失敗ケースがおり混ざった話になります。タイトルは、シリコンバレーのドタバタ事実小説「サルたちの狂宴」が好き

    • メルカリを退職し2度目の起業へ!

      ご挨拶 自分が創業していたスタートアップ「ザワット」がM&Aされる形でメルカリグループにJOINしてから約5年半、先日メルカリを最終出社(所属は7月中旬まで)し、2度目のスタートアップ起業をする修羅の道を選びました。直接ご連絡できていない方も多いのですが、本エントリーをもってご挨拶と代えさせてください。 個人事業のための会社は持っているのですが、いわゆる世界を変えるためのスタートアップとしての法人格はまだこれからです。いわゆるWeb3、Cryptoを扱う会社になりそうなの

      • 最終章〜メルカリとソウゾウ

        様々なドラマを乗り越えて、メルカリグループの子会社となったザワット。最後まで付いてきてくれた仲間と緊張しながら六本木ヒルズに移転した。メルカリのメンバーが優秀過ぎてザワット組のメンバーが果たして辞めないで残ってくれるだろうか、と心配していたのだが、カルチャーや仕事の仕方などが近しいこともあり、1人も辞めずに全員2年以上、メルカリで貢献してくれたことは嬉しい メルカリでは新規事業特化の子会社ソウゾウにアサインされた。しばらくはザワットも平行して経営していた。元々運営していたス

        • # 第19章〜メルカリによるM&Aと土壇場の大失敗

          海外のお客さまであれば光明があることは立証されたが広告チャンネルを潰されてしまったので、広告を使わず、垂直立ち上げができそうな仕組みを考える必要があった。そこで「スマオク セカイカート」というto B機能をステルスで急ぎ立ち上げた。簡単に言うと、他人のマワシで相撲を取る作戦だ。 日本のECサイトは越境EC対応を行うコストが高すぎて、これまで海外ユーザーの対応はスルーしてきているところがほとんどだった。海外から日本にしかない商品の型番や商品名を検索すると、海外のユーザーは日本

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        猿たちの鳥肌〜はじめに

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        記事

          第18章〜越境EC化によるPMF達成と成長

          越境フリマアプリ進化のβ版ができた。まずはWEBで開発したが、すぐにアプリじゃないとリテンションが厳しいことがわかり、2週間でガワアプリ化した。中国語は繁体語と簡体語、英語の3言語でスタートした気がする。それぞれの言語がネイティブなメンバーをインターンで採用し、海外の人がはじめてみても、おかしな表記になっていないように翻訳をしっかり行ったつもりでいた。しかし、ここに思い込みという落とし穴があった β版でテスト配信して数字を見ていくが、台湾で思ったように使われない。日本のリユ

          第18章〜越境EC化によるPMF達成と成長

          第17章〜お客様だけを見ろ、再び世界へ越境しろ

          組織崩壊を感じつつリソースがあった中での収穫物として、購入ランキング上位に日本人ではない名前の方が一定数いるというファクトの発見があった。取引情報を確認すると、いわゆる疑わしい取引や、偽物を売買しているような雰囲気でもない。なんならブランド品に混じって子供用品などを買っている人も混在している。はて、なぜ?まさか、やっぱり、怪しいのか!? そのようなお客さまに対して、片っ端からプロファイリングとヒアリングをしていった。すると、海外から日本に留学していたり、仕事で来ている、日本

          第17章〜お客様だけを見ろ、再び世界へ越境しろ

          第16章〜組織の拡大と崩壊

          全員営業宣言により大口の出品が増えてきた。さらにインターンと社員を採用して有力な出品が増える方法を模索した。ヒントはお客さまの課題解決とテクノロジーの駆使にあった。 正直、すでに競合アプリにブランド品をたくさん出品しているアカウントが増えてしまっている状態。それを全部自社のサービスに呼んでくるにはどうすればよいか。我々は全ての出品が欲しいが、お客さまとしては、新しいアプリをはじめる理由が少ない。そこで、「らくらく出品サポート」という機能を創業エンジニアが開発した。他のマーケ

          第16章〜組織の拡大と崩壊

          第15章〜明日から全員、営業です

          ブラックウィークを乗り越え、2.5億円の増資により、事業を加速する準備が整った。まずパツンパツンだった目黒のオフィスから、五反田の広々としたオフィスに引っ越しをした。起業して4年目でやっと、立派なちゃんとしたオフィスビルに入居できた。時間かかりすぎただけに嬉しかった スタートアップのオフィス事情としては、渋谷がビットバレーと呼ばれていたころから渋谷(特に道玄坂)が中心地だった。渋谷再開発のため賃料が安い時期はあったが、その後高騰、東に向かって恵比寿、目黒は物件が少ないし高い

          第15章〜明日から全員、営業です

          第14章〜千葉道場と海外VC

          フリマアプリは広告でトライアンドエラーを重ねつつ、古物商の世界に入りEC的なアプローチも試していた。手数料10%で売上は立つものの、その売上はEC仕入れに回してフラッシュオークションの目玉商品の買付として利用し顧客還元していたため、実質毎月のバーンレートは上がる一方だ。広告を毎月数百万円使うだけで、前回調達したお金は一瞬で消えていった。当時、先行するフリマアプリなどの資金調達時のバリュエーションが業界のベンチマークとなっており、月間GMVの約10倍が時価総額という相場ができて

          第14章〜千葉道場と海外VC

          第13章〜古物商とフラッシュオークション

          スマオクは売上がすぐ立つということもあり、広告を少しずつ回してGMVがどうなるかを見ていった。しかし、またもや資金が足りない。どうやって独自の価値を作っていくか、悩んだ。 とりあえずピボット達成ということで、サイバーエージェント・ベンチャーズの田島さん(現ジェネシアベンチャーズCEO)が、追加で数千万円の増資を決めてくれた。そしてここで運命的な出会い。KDDI∞Laboのメンターとして参加していた千葉功太郎さんがエンジェルで参加してくれることになった。千葉さんとの出会いは、

          第13章〜古物商とフラッシュオークション

          第12章〜フリマアプリへのピボット

          自分たちのお客様を守りきれない設計、という苦しい状態を尻目に、巷ではフリマアプリというものが好調らしいという噂を聞いた。僕たちのサービスからモノの売買カテゴリーだけを切り出したようなアプリだが、なぜかクレカ決済が実現できているらしい。そう、当時はC2Cは商品一覧が曖昧すぎるゆえにクレカ決済を実装するのは非常に難易度が高く、一部特権的なマーケットプレイスが実装しているに過ぎない状態だった。実はWishScopeもβ版ではなんでもモノもスキルもなんでも売買の「フリマアプリ」として

          第12章〜フリマアプリへのピボット

          第11章〜最大の意思決定ミス

          振り返るとここで、大きな間違いを犯していた。シリコンバレーに憧れてスタートアップした僕たちは、気づかない間にシリコンバレー信者になっていたのだ。広告に1円もかけずプロダクトの力だけでアクティブユーザーが毎月120%増えていないと、プロダクトとして何かが間違っているという米国の偉いVCが言った発言をそのまま信じ込んでいて、まだ規模が小さいにも関わらずプロダクト改善のみに集中しすぎてしまっていた。 CTOから追加コメントいただいたので追記 当時、Facebook広告が日本で開

          第11章〜最大の意思決定ミス

          第10章〜マネタイズとグロース

          スマホアプリ化によって伸び始めたKPIだったが、VCに資金調達を打診してみてわかったのは、次の投資ラウンド(シリーズAと呼ばれる)を攻略するにはただサービスにユーザーがいるだけではなく、ビジネスモデルが検証されていることが必要だということだ。そこで当初から予定していたマネタイズのテストを急ぐことにした。 クラシファイドはフリマと異なりメディア事業なので、僕たちは米国の先行モデルの例に習い、求人広告でのマネタイズを試みた。例えば、「ゲームアプリの開発会社でインターン募集!」と

          第10章〜マネタイズとグロース

          第9章〜スマホファースト

          2012年5月には、待望のiOSアプリが完成した。当時のアプリはAppStoreのランキング上位にいかに食い込むかで毎日のダウンロード数が全然違う世界。初動を作るために当時オフィスでお世話になっていたVOYAGEグループや出資いただいていたサイバーエージェントグループにマーケティングの協力をしていただいた。今考えると50-100万/月くらいの予算感にもかかわらず、激安でサポートしてくれて感謝しか無い。無事にランキング1位を取ることができ、会員数も伸び始めた。 しかしここで大

          第9章〜スマホファースト

          第8章〜マーク・ザッカーバーグとの対話

          ユーザーの声を聞きながらサービスの改善に取り組む単調な毎日を過ごしていたある日、Facebookが主催するFacebook mobile hack Tokyoというイベントのお誘いを受けた。エンジニアのためのイベントだったのと、東京ミッドタウンのイベント会場で開催されるらしくご飯が美味しそうな気配があったので、気分転換がてらチームで参加してみることにした。会場には大勢のエンジニアが集まり、facebookが広めようとしているOpen graph API(だったかな...)を利

          第8章〜マーク・ザッカーバーグとの対話

          第7章〜β版公開とawabarの小さな奇跡

          クローズドβ版に大学生の投稿がある程度集まったところで、IVS Launch Padというピッチイベントのお誘いがあった。新進気鋭のスタートアップが数百人の経営者の前でプレゼンを行い、その日のうちに資金調達や事業提携がガンガン決まる、入賞すれば世間の注目も高まり、しいては採用に繋がるというもので当時は数少ないスタートアップの登竜門となっていた。 当然プレッシャーはかかるし、せっかくのアイデア・プロダクトを下手すると大手起業にパクられるリスクもなきにしもあらずだが、営業&PR

          第7章〜β版公開とawabarの小さな奇跡