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猿たちの鳥肌〜はじめに

はじめましての方に向けて、簡単な自己紹介と、このnoteの説明をば。

これは何か

「猿たちの鳥肌」は、私が2011年にザワットというスタートアップを創業し2017年にM&A、吸収合併、消滅に至るまでの、事実に沿ったリアルストーリーをギュッとまとめたものです。インターネット系スタートアップで起業するとこんな感じなのかーとざっくり追体験できるかもです。小さな成功ケースと小さな失敗ケースがおり混ざった話になります。タイトルは、シリコンバレーのドタバタ事実小説「サルたちの狂宴」が好きで、あやかりました。初noteなのですが、試行錯誤しながら毎章1000-2000文字くらいの読み切りやすい記事をこれから小出しに全て無料で配信していきますので、気になる方はフォロー/スキ(♥)をお願いします〜

自己紹介

原田大作(はらだだいさく)@ginsakuです。昔スタートアップを起業していましたが、今はメルカリ経営戦略室の中の人です。千葉道場ファンドという起業家コミュニティも言い出しっぺの責任として、フェローという形でお手伝いしています。今は時間が作れたので、将来に向けて自分でもちょいちょい手を動かし始めているところです

やってきたお仕事
新卒でガラケーベンチャー企業→ウォルト・ディズニー・カンパニー社でプロデューサー→ザワット創業CEO→メルカリにM&A→ソウゾウCEO→メルカリ新規事業隊長(Head of Product - Newbiz ,Director)→メルカリ グループ経営企画室,Director。千葉道場ファンドのフェローを兼務
好きなこと
- 食べ物はインデアンカレー(大阪の)と太田胃散が好きです
- エレキベースを弾く。こっそりと月に1-2回はステージに立ってます。SWB-artist, Musicman StingRay, Fender Precision アメデラ, SoundTrade 特注Jazzベース
- シーバス釣り。自宅から30秒で即釣り可能な環境に住んでます
- ミュージカル鑑賞。早くコロナ去れ
- 子育て。2020年ベイビーの娘がいてテンテコマイしてます

このnoteを書こうと思ったきっかけ

メルカリという会社は非常に先進的で、仕事のパフォーマンスが下がる要因となりうる人生のイベントに対しては、全力で会社がカバーしてくれる福利厚生が豊富です。育児休暇の取得率が男性でも80%くらいあり、みんな2ヶ月は育休取得するのが当たり前。国の育児休暇のサポートには限りがあり、給料が30万円以上の方だと基本的に減給とならざるをえない仕組みになっていたりしますが、メルカリは国がカバーしきれない部分を福利厚生として補助してくれるので、育休を取得しやすかったりします。このようなダウンサイドリスクをカバーする福利厚生が他にもたくさんあります。(一方で住宅手当や役職手当など、個人の環境によるアップサイドの手当は無い)

2020年のコロナ禍真っ只中にはじめての子供が生まれたのですが、リードしていたプロジェクトや部下への権限委譲などを考えると非常にタイミングが良かったため、しっかりと育休を取りました

それまでの人生は「生産性の鬼気取り」で、仕事など自分のハマっていることに集中したくてヒマな時間も何らか作業してしまう面倒くさい嫌な奴wだったのですが、自分の子供はかわいいっすね〜!非生産的な時間がこんなにも幸せ度が高いなんて。大事なものに40歳手前で気づきました(遅すぎ)。会社のメンバーにも支えられて、かなりゆっくりと豊かな時間を過ごさせていただきました

一方で、幸いなことに2ヶ月もすると育児慣れもしてきて、ベビーは夜ちゃんと寝てくれるようになり、妻が専業なこともあり僕の役割は減ってきました。以降はヒマな時間が増え、仕事・誰かと話す・作業・アウトプットが好きな自分を再確認しました。死なない程度のお金と自由な時間があると心は平穏なのですが、日々進捗するものがないと周囲に置いていかれる危機みたいなもの=恐怖がある。何かアウトプットしたいな〜日々PDCA回さないとまじで自己成長止まるな〜と焦り謎にYoutubeチャンネル作ったり(収益化してBananas!が見れたものの赤字)不動産やったり(初心者にはめちゃ難しかったし、今の市場では勝ちにくい)して過ごしていました。しかし昔起業してスタートアップ経営していたころの生々しい野生の勘や、そもそもの記憶がだんだん薄れてきていることに気づき恐怖を覚えました。時の流れは早いものです。当時学生起業家だった若者も、今ではすっかり三十路のオジサン起業家になっていたりする(29歳だった僕がもう40歳間近なのだから、そりゃそーだ)

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さて、エンジェル投資先の某若手スタートアップCEOに、なぜ僕なんかのアドバイスがほしいのか、と訪ねた際に「原田さんは新規事業と起業の失敗の大辞典みたいな人なので、僕が同じ失敗をしないようにアドバイスがほしいです」と言われ、なるほどwと思ったことがあります

たしかに僕がスタートアップ経営者として仕事をしていたのはたったの6年ほどなのですが、その日々は非常にエキサイティングで、地獄のように辛かったけど、毎日楽しかった。それであれば、次に再び自分がスタートアップする時に同じ失敗を繰り返さないように、時間があり、いち会社員に戻ってしまってスタートアップ脳が薄れた冷静な頭である今こそ、Retrospectiveしておこうと思い、完全に個人向けに文章でまとめはじめました

実際書いてみると、せっかく書いたものを自分のためだけに保存しておくのももったいないなぁという気分になったものの、もうだいぶ昔の話なので、今更こんなの公開しても時代が違って誰の役にも立たなかったり、ただのセンチメンタルな自己満足で終わるんじゃないかな...昔の話とか投稿するの、超ダサいな。未来語ろう。と思い留まって自分用のメモとして残しておくつもりでした。が、ビジネス大好きな人々が集うFacebookでニーズ確認投稿をしてみたところ、想像以上の反響がありました

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たしかに、大成功した会社の成功ストーリーはたくさん本があるけど、「なんとかギリギリ不時着した不甲斐ないスタートアップの話」って世の中にあんまり出てこない。でも大半のスタートアップがそんな感じだろうなぁと思い、それをオープンに残しておくことには一定の価値があるのかもしれない。

今、スタートアップで挑戦している皆さんに少しでも学びがあったり、どこかの誰かにエンタメとして楽しみを提供できる可能性があるなら、書いてみようかなーと重い腰を上げて筆を執った次第です。ということで、なるべく個人のプライバシーや機密事項には触れないように書いていますが、基本的に事実ベースの生々しい起業ストーリーを、ここに残そうと思った次第です

ただの昔話で終わらないように、未来へのアクションに繋がる導線も用意したうえで、スタートしてみます!

僕は文章のプロではないし、他のnoteの民のように引き込める文章が書けるわけでもないので、読みにくい部分も多いと思います。薄れゆく記憶をさかのぼって書いたので、もしかすると若干、事実を間違えている箇所があるかもしれない(事実と違うぞ!という部分がもしあれば、悪気は無いのでツッコミお願いします。修正します)。

見出し案

概ねこんな感じ。途中で見出し名は変わるかも

序章
第1章〜起業前夜
第2章〜創業メンバー集め
第3章〜シェアオフィスBOAT
第4章〜エンジェル投資家
第5章〜いきなりアメリカへ
第6章〜初期ユーザー集め
第7章〜β版公開、IVS・awabarの奇跡
第8章〜マーク・ザッカーバーグとの話
第9章〜スマホファースト
第10章〜マネタイズとグロース
第11章〜最大の意思決定ミス
第12章〜フリマアプリへのピボット
第13章〜古物商の世界とフラッシュオークション
第14章〜明日から全員、営業です
第15章〜TSUTAYAと米国VC
第16章〜組織拡大からの組織崩壊
第17章〜お客様だけを見ろ、再び世界へ越境しろ
第18章〜マーケティングの限界とステルス事業
第19章〜メルカリによるM&Aと土壇場の大失敗
第20章〜メルカリとソウゾウ、そして吸収合併

note初回はこんな感じでよいのだろうか?とりあえず公開ポチッと。

それでは、序章からご覧ください


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