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#少女
エガオが笑う時 第6話 絶叫(2)
「凶獣病っていうのは常在菌の突然変異なんですよ」
魔法騎士は、淡々と語り出す。
ヒグマは、巨大な右腕を振り下ろし、その爪で私を裂こうとするが、大鉈の柄でその攻撃を受け止める。
強い。
恐らく獣人の姿であった頃よりも何倍も力がある。
このままでは潰されると即座に判断した私は大鉈を傾けて力を逃し、相手の体勢を崩させ、その腹に蹴りを入れる。
ヒグマの身体はくの字に折れ曲がり、唾液を吐いて膝を
エガオが笑う時 間話 とある少女の視点(5)
エガオ様と再会したのはそれから半月後のことだった。
停戦条約が結ばれて教会に下りてくる支援金が大幅と言うほどではないが少なくなった。3食は食べれるものの大所帯を養うのは少な過ぎる。
私は、再び斡旋所に通いながらひもじい思いをしている弟達に甘いものを食べさせてやりたいと思い、王都でも評判の良いキッチン馬車にお菓子を買いに行った。
私は、心臓が止まりそうになる。
エガオ様がそこにいた。
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