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「闇バイト」は犯罪!~その2

今回は「闇バイト」の実態、「闇バイト」に引き込まれないための見極めのポイントなどについて記載します。


|闇バイトの実態は?

警視庁が2022年中の特殊詐欺の実行役として摘発した少年153人の実態調査では、約3割が交流サイト(SNS)の「闇バイト」に応募していたという。

犯行への加担の経緯については、
「友人の紹介」:39・9% 、「SNS関連」:28・8%、「先輩の紹介」:20・3%
と、人間関係からの誘いこみが約6割を占めている。

また、特殊詐欺の「受け子」や「出し子」などの闇バイトをした人のうち、
 88・2%が「詐欺と認識があった」
と回答していたことに驚く。 

犯罪になるかもと思いつつも、「警察に捕まる危険はあるが、1回だけなら大丈夫」などと安易に考えている少年もいたという。

一方、グループから抜けられないように指示役から脅迫を受けていた少年は21・6%おり、「どこで生まれ、家族が誰かまで知ってんだぞ」などと脅されていたという。

警視庁は、SNSでの応募を減らすため「#BAN(バン)闇バイト」という活動を展開しており、公式ユーチューブで注意喚起動画を公開している。

また、株式会社ペンマークが「Z世代の闇バイトに関わる実態調査」を行った結果をみると
  大学生の約4割が闇バイトに勧誘された経験あり
とのことだという。

|闇バイトが関与する犯罪

闇バイトの内容と抵触する罪についてまとめてみると下表のとおり。

(一例であり他の法律に触れる場合もある。)

|闇バイトを見極めることができるか?

「闇バイトは犯罪」、「闇バイトに手を出すな」といわれているが、「闇バイト」は危険だが、見極めは難しいという。
もちろん、ヤバイ内容のバイトには手を出さないのが一番だが・・

最初から「闇バイト」と表示しているものは少なく、闇バイトとわからない例も多い。
闇バイトを見極めるために、以下のような点に注意することが必要だ!

①  甘い言葉に惑わされない
「高額バイト」「即日入金」「高額即金」「副業」「ハンドキャリー」「書類を受け取るだけ」「行動確認・現地調査」「親切丁寧にアドバイス」などの甘い言葉や表示に注意。
常識的に「楽」をして大金を稼げるアルバイトは存在しない。

②  アプリのインストールを求めるバイト募集
バイトに応募する際に匿名性の高いアプリのインストールを求められる場合がある。
しかしこれには要注意だ!闇バイトの可能性がある。

最近の闇バイト募集では「テレグラム」などの秘匿性の高い通信アプリを利用することが多いという。
犯人側にすると証拠を残したくないので、一定期間が経過すると通信履歴が自動的に消去されるアプリを使う傾向にある。

③  具体的な仕事内容や報酬(時給等)の記載がない
アルバイトの募集要領等に具体的な仕事の内容、時給などが記載されておらず、「簡単、短時間で高額、まずは連絡を」といった誘い文言だけの場合は特に要注意。これは個人情報を得るための“網”かも。

④  お試しバイト・・
仕事の内容の記載がなく「経験不問、まずはお試しで」といった募集も要注意。
お試しで集ったら「出し子だった」,「その後抜けられなくなった」という例があるという。

⑤  連絡先の電話番号が携帯電話だけ
バイト募集といいつつも連絡先が携帯電話やメールアドレスのみの記載。
中にはSNSの募集案内に記載されたURLなどにクリックして登録するだけというものもあるが、個人情報を収集し、抜けられなくするための手段だったりするので要注意。

⑥  募集元の住所や連絡先が明記されていない
社名や所在地などが記載されていない募集は要注意。

SNSの掲示板やメール配信のバイト募集で、特に高額バイト等の甘い言葉、仕事内容・時給が不明、連絡先等が明確でないような場合には「応募しない、電話やメールもしない」、つまり関わらないこと
職業安定法によって求人募集のルールが定められているのだ。

また、友人や知人からの「高額バイト」の誘いにも注意し、バイト内容等をよく確認すること。

|不安を感じたら・・

闇バイトと知らずに問い合わせをした、応募した、応募したが不安になったという場合には、すぐ最寄りの警察署、警察本部の総合相談センター又はヤング・テレホン・コーナーに相談を!

犯罪行為に加担してからではリスクが大きくなる。
もし、闇バイトで犯罪行為等を行ってしまった場合や抜け出せない、脅かされているというときもすぐに相談を!

警察相談ダイヤル:#9110(全国共通)

警視庁資料

|闇バイトに手を染めるリスク

闇バイトの主なリスクは、

① 犯罪行為者としての刑事責任を負う
「逮捕」→「取り調べ」→「刑事裁判」→「刑罰(懲役等)」

② 被害者への損害賠償責任が生じる
被害者から不法行為に基づく損害賠償請求訴訟を起こされ、損害の回復を行う責任が生じる。 

③ 社会的な制裁を受ける。
実行犯として報道されたり、前科がついたりということで、本人のみならず家族まで含んで世の中の批判を受けることになる。

④ 社会復帰が難しくなる。
逮捕され、名前や顔写真までニュースやSNSで拡散されることになるが、ネット上では半永久的に氏名や顔写真などの情報が残ってしまう。
その後の社会復帰が厳しくなるというリスクを負うことになる。

です。
  “ 犯罪グループは助けてくれまない。闇バイトは使い捨て!”

(イメージ:筆者作成)

|アルバイト募集に関する法律

アルバイトや従業員の募集に関する法律には、「雇用対策法」、「男女雇用機会均等法」、「職業安定法」等があり、雇用期間、男女均等雇用、応募する人の権利を守るためのルールなどが定められている。

例えば、ハローワークや人材紹介会社を通じてアルバイト等を募集する場合には、①業務内容、②労働契約の期間、③就業する場所、④始業及び終業の時刻、休憩時間と休日、⑤賃金 ⑥健康保険、労働者災害補償保険等の適用有無などの6項目を求人票に記載することが必要(職業安定法5条の3)。

アルバイトを探すときには上記の①~⑥について、きちんと企業側に確認することが必要。

また、実際の給料や勤務日数、仕事内容と違う好 (虚偽) 条件をインターネットや雑誌などで示して募集すると「求人詐欺」となり違法行為とされているのだ。

|おわりに

「闇バイトは犯罪」だ!!
SNSなどのバイト募集の「高収入」「週10万円補償」などに心を躍らせるかもしれませんが、甘い言葉の裏には落とし穴があるのだ。

アルバイトを探す場合には細心の注意を払うことが必要だ。
大金を得るというよりも健全な生活を送ることが大事だね。

参照;
警視庁Webサイト 

https://www.youtube.com/watch?v=0_GGmZDXUqY


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