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半世紀前の記憶は、甘いのか?苦いのか?「眠れる記憶」

<文学(111歩目)>
歴史大河ドラマのような作品が好きな人にはもちろんですが、文学としていろいろな要素が入っていてとても参考になります。

眠れる記憶
パトリック・モディアノ (著), 山﨑美穂 (著)
作品社

「111歩目」は、パトリック・モディアノさんのノーベル文学賞受賞後の作品。

「1941年。パリの尋ね人 作品社」「さびしい宝石 作品社」と同様に心の機微が素晴らしい。

この作品には、「眠れる記憶」「隠顕インク」の二篇が収められている。

モディアノさんの作品に通じる、ふと関心をもった人物を「探す旅(作品へ)」によるもので、「記憶」というあいまいになるものに焦点を当てています。

半世紀という月日が経つとどうなるのか?
経験がないのでわからないのですが、「ファーストネームさえろくに覚えていない女性と半世紀近く前に交わした言葉」。
こんなものが色鮮やかに蘇ってくる世界は想像力、創造力を喚起させて、すべてを混沌にしていく世界ではないか?と感じました。

「思い出したくない記憶」もあるとは思う。
でも、「思い出したい記憶」もあると思う。

このバランスが、次の作品になってほしいと思いました。

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