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壮大な宇宙での「かくれんぼ」「三体Ⅱ 黒暗森林」

<SF(32歩目)>
新しい概念「黒暗森林理論」を理解して、壮大な「かくれんぼ」を考えてみる。

三体Ⅱ 黒暗森林 上
劉 慈欣 (著), 富安 健一郎 (イラスト), 大森 望 (翻訳), 立原 透耶 (翻訳), 上原 かおり (翻訳), 泊 功 (翻訳)
早川書房

三体Ⅱ 黒暗森林 下
劉 慈欣 (著), 富安 健一郎 (イラスト), 大森 望 (翻訳), 立原 透耶 (翻訳), 上原 かおり (翻訳), 泊 功 (翻訳)
早川書房

「32歩目」は「三体」の続編です。
1作目の「三体」が「三体理論」を軸としたものだとしたら、今度は「黒暗森林理論」と「面壁計画」を軸とした物語。

「黒暗森林理論」

文明存続のためにとれる最も安全な行動は「ひっそりと影を潜め、自らの存在を決して暴露せず、他の文明を見つけ次第相手を一掃すること」だというものであり、それらが実行された結果、文明同士の接触の証拠が見つからないというのが黒暗森林仮説です。

これってカンタンに言うと、見つかればやられてしまうので、「隠れている」ことが存続条件。見つけたら問答無用で破壊しよう!です。カンタンに見つかったら「オニ」ですね。

これが成立するのは、「異星人との信頼関係」が築けないからです。あるいは、安全に信頼を築く理論が無いことです。

これって、国家間の戦争の歴史と同様ですね。双方での「信頼」なしには成立しない。

「信頼」って、とても大切ですね。
この理論をもとに、またまた読ませてくれます。

「信頼」無い場合は、壮大な「かくれんぼ」をしないといけない。見つかったら「鬼」で済めばいいのですが、問答無用でやっつけられるとなると「かくれんぼ」も真剣です。

「面壁計画」

面壁計画とはまず、世界各地から数人の適切者(「面壁者」と呼ぶ)を選抜し、彼らに、一人で三体人の侵略を負かす計略を練る責務を授ける。

つまり、「面壁者」って、相手に「読まれない」ことが大切なことで、この段階で私たちの殆どは「ムリでしょ!」になります。

この「資質」って究極のコミュ障が必要であり、なんとなく「コミュ障」が多いSF者たちを惹きつけた理由にもなっています。

※私も、山岳部伝統の「コミュニケーション障がい者」の一人です。「コミュニケーション障がい者」が優位に立てる(ヒーローになる)って、なかなか無いこと故に、「コミュニケーション障がい者」に一気に火が付いた作品になっています。(笑)

好きなお酒を傾けながら、読み進めるのに最適な本です。
つまみは、是非「たたみいわし」を!!(「三体星人」って、私にとっては「たたみいわし」のイメージです!)

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