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【トークイベントレポート】拠点オーナーさんと考える。居場所づくりと地域への関わり方

暮らしのサービスcircleでは、各地域の拠点オーナーさんと共にコミュニティ運営にも力をいれて取り組んでいます。

今回は、11月13日(月)夜に実施したトークイベント「香川県で拠点を創る人たちが、地域の拠点づくりを語る」でお話した内容について、イベントレポートをお届けします。


▼トークイベント概要

暮らしのサービスcircleでは、素敵なご縁が広がり、現在香川県で3つの拠点と連携させていただいております!
今回は、その3拠点のオーナーの皆さんに、拠点運営のご経緯や地域への想いをお話していただきました。

▼登壇いただいた皆さんのご紹介

・山田さん Private Chill Baseたまて(香川県三豊市
・藤倉さん GuestHouse 紫雲(香川県観音寺市)
・石井さん シェアハウスNAE(香川県三豊市)

香川のcircle拠点オーナーさん3名のご様子

▼拠点への想い

ー滞在拠点運営のきっかけや経緯は何でしょうか。

(藤倉さん)私はバイクでツーリングをよくするんですけど、ツーリングの中で出会う人の手が入っていない場所や景色がすごく好きなんです。

その中でも、今拠点運営をしている香川県観音寺市の夕日がすごく綺麗で。この景色がなくなってしまわないように、色々な人に届けたいと思ったのが最初のきっかけでした。

ツーリングをしながら色んな地域を巡る中で、やはり巨大都市ではない地域では、地方ならではの暮らしや素敵な場所がどんどん錆びれていってしまうんだなということを感じたんですよね。
縁があって現在の空き物件に出会ったこともあり、観音寺の夕日は何度も見る中で色々な人に届けたい景色だと思っていたので、ゲストハウスの運営を始めました。

(石井さん)私は、ここ香川県に移住してくる前は横浜でケーキ屋に勤めていました。将来、自分の店として古民家カフェを開きたいと思っていたんです。
そこで、まずは地域おこし協力隊として活動を始め、いろんな地域を検討する中で、ご縁を感じた香川県三豊市に移住しました。そして、古民家カフェ開業の舞台となる古民家探しを始めました。地域おこし協力隊で当時の担当エリアだったこともあり、その時に現在の物件を地域の方にご紹介いただいたんです。

香川県を選んだ理由は、寒いところが苦手なこともあり「瀬戸内海は暖かそうだ」という理由からでした(笑)
ただ、実際に移住してから、今拠点運営をしている財田町では雪が降ることを知って・・・(笑)
残念ながら冬は実際には寒いんですけど(笑)、地域の人に色々な場面でご支援もいただいていて、その恩返しをしたくて、今運営している「シェアハウス」と「古民家カフェ」の二拠点を、地域活性化のために運営しています。

(山田さん)私は、今運営している拠点の住所が実は自分にとっての”本籍地”でした。祖父の生家なんです。

私自身は生まれは名古屋で育ちは埼玉なので、幼いころはこの地には夏休みに遊びに来るくらいの頻度の関わり方でした。
社会人になり、色々な地域に関わる中で、ある時自分の本籍やルーツを知りたくなったんですよね。そこで、自分のルーツを探しにこの地に戻ってきたときに、祖父の生家の売物件の看板がでていて「自分のルーツが売られてしまっている!」とびっくりし、自分でこの物件を購入することを決断しました。

そういった経緯だったので、購入当初はどのように物件を活用するかは考えていなかったんです。自分が使わない時に他の方に利用いただけるようにしようと決め、拠点運営を開始しました。

なので、香川を”選んだ”のではなく、香川以外であれば拠点運営はやっていなかったかと思いますね。(笑)

ー拠点運営をするにあたってどんな想いがありますか。訪れる皆さんにはどんなことを届けたいですか。

(山田さん)私自身のルーツ探しの話もしましたが、「自分は一体どこから来たのか」ということを考えるきっかけになる拠点を作りたいと思っています。

最近は金毘羅さんのルーツは荘内半島にあるということを発信していたりするんですけど、今後も自分の歴史や周辺地域の歴史について発信できるような拠点になっていきたいと思っています。

(石井さん)当初は、滞在拠点であるシェアハウスの運営を、田舎だと仕事がないと生活が難しいという面で始めたところもありました。

ただ、今では全国から何も知らない街に人が訪れてくれるような拠点になってきたので、その流れを活かしたいと思っています。
地元の農家さんの農作業の手伝いや、古民家カフェでお試しでランチ提供するといったチャレンジなどもぜひしてほしいです!

来てくれる方のチャレンジの土台やきっかけにもなれるように取り組んでいます!

(藤倉さん)場所的にもちろん地方ではあるのですが、色々なものが揃っていて生活はしやすい環境なので、リモートワークをしている方がゆっくり香川や四国を見ながら滞在できる拠点にしたいですね。

やはり海が近く夕日が綺麗なので、田舎特有のきれいな景色を見て、自分自身について考えるような時間を過ごしてくれると嬉しいですね。

ー拠点オーナーの皆さんにとって、”居場所”とはどういったものだと思いますか。

(石井さん)自分自身のこれまでの人生を振り返ってみると、仕事が中心ではありますが、自分のやりたいことが実現できるのが私にとってはここでした。なので、移住してきました。

ただ、全国から来てくれる皆さんの生活様式が新しいということを考えると、最近は移住がすべてではなく、仕事内容などに拘りすぎなければどこでも生活ができるようにはなってきていると思います。
自分が居たい時に、居心地が良いところにいるのがいいのかもしれないですね。また、それらの一番の決め手が結局「人」になるのかなと思います。

美しい景色や美味しい食べ物は、どれが一番というのはないような気がするんですけど、この人と話していると安心するという感情は、一人一人にとって特別なものなんじゃないかなと思っています。
そういう風に感じられるような「人のつながり」を作ることが、居場所をつくることで、私の役目なのかなと思っています。

(藤倉さん)縁もゆかりもなくても、「おかえり」「ただいま」を言える場所が居場所なのかなと思いますね。
戻ってきて、人と話して、「こういう事があったんだよ」と話せることで居場所になると思います。

加えて、地域の人が優しく迎え入れることができるのも、より素敵な居場所といえる要素なのかなと思います。

(山田さん)この前、友人が滞在しに来てくれた時に、「ここは何もしなくていいんだな」「完全にオフになれる安心感がある」と話していて、それを聞いた時に、自分にとってオフになれる場所もまた、居場所になりうるのかなと思いましたね。

(藤倉さん)あとは、帰る場所がわからない人たちに、「おいでよ」といえるような居場所でありたいという気持ちもあります。

私自身が、様々な地域を巡ってアドレスホッピングをしていた時に、「自分が以前いた場所に帰りたくはない。けど、自分が何をしたいかもわからない。」といって迷っている人を多くみてきました。
そんな方にも、「おいでよ!」と言えるような存在でありたいですね。

結局、どんな場所や地域だとしても、「人がどのように接してくれるか」で自分が帰りたい場所となるかが決まるように思いますね。
到着時間に遅れても、拠点のオーナーさんが待ってくれてたりするだけでも嬉しいですし!(笑)

ー重ねてになりますが、訪れてくれる人にどのような体験を届けていきたいですか。

(山田さん)朝日がきれいな場所なので、朝日を見て目が覚める経験を是非してみてほしいなと思います。

鳥のうるさい音と朝の自然光で目を覚まして、朝日が昇った後に、海が綺麗だなと感じる時間や、ぼーっとする時間を過ごして、心の余白が生まれる体験をしてほしいですね。

自分自身、地方での暮らしを始めてみて、「誰かと比べるのではなく、自分の基準で考えていかないと、人生は豊かにならない」と感じるようになりました。
都市に暮らし続ける必要性など、普段考えないことを一度立ち止まって考えるきっかけにしてほしいと思います。

(石井さん)山田さんのお話と同じように、自然が身近にあるので、山を見て毎日の山の表情の違いを楽しみながら、朝の散歩をしてみてほしいです。

散歩をしていると、白菜などお野菜を地元の人がくださったりします。
まるでミニお遍路的な(笑)体験も楽しんでみていただけると、人の温かさにしみじみすると思いますよ。

自然に対して想いを馳せると、時間が止まる感覚になります。時の流れが遅くなる体験をしてみてほしいです!

あとは、私がお手伝いできることは何でもお手伝いしたいと思っているので、何かやってみたいことがあれば相談してもらい、一歩踏み出せるきっかけを作っていきたいです
今まで出会ったことがない自分や、自分の興味の”苗”を育ててみてください!

(藤倉さん)「第二の居場所」として見てもらえれば、と思います。
自分の仕事をしながら滞在して、夕日のタイミングで海に夕日を見に行って、今後の話を一緒にしたり、次のステップに進むための準備時間を過ごしてもらえればと思います。

リセットするための時間としても、夕日をゆっくり見てほしいなと思います。
ここの夕日は海に沈むので、海に沈む間に赤の反射が海に反射し、雲が紫になるんです。そのグラデーションをみて、「ああ、一日を終えたな」と思いながら自分と向き合うのがすごくおすすめです。

▼地域への想い

ー滞在拠点を運営している皆さんは、地域をどう活性化させていくかというテーマも常に考えられていることと思います。地域をどんな風にしていきたいですか。

(石井さん)「地域のアップデート」をしていきたい、と私は思っています。

地域おこし協力隊をしていた時に、「何か困り事は無いですか?」と聞いて回ったんですよね。すると、皆さん「困っていることはない」とおっしゃるんですよ。

言葉の通り、「困りごとはない」と捉えると、一見幸せなようにも感じますよね。地域のおじいちゃんおばあちゃんたちも、困りごとなく生活できる地域で、「めでたしめでたし」でいいのかもしれない。

地元の中学生とディスカッションしたときも、「何に困るか」とか、「30年後、地域や自分たちがどうなっていると思うか」と問いかけると、あまりそういったことは考えたことがないような様子でした。
それを見て、ああ、このままだとこの地域への希望がどんどんなくなってしまうんじゃないかなということを感じたんですよね。

未来に対してビジョンや希望がないから、動く理由もないし、困り事もないと感じるのだと。そう思ったときに、このままではこの街がなくなってしまうと考えるようになりました。
それはそれで幸せなのかな、と考えたりもしたのですが、お世話になったこの地域に、私がいる以上、できることをしたいと思いました。
そういう意味で、まずは「地域のアップデート」をしていきたいと思うようになりました。

一人一人の希望を持てるような地域をつくりたいこともあって、来てくれた方や地域の方の交流機会として、街づくりゲームみたいなものも開催しています。
この街には、何があって何がないのか。どんな人に来てもらえばいいと思うか。皆で街づくりをできる地域にしていきたいと思っています。

(藤倉さん)私も、拠点の開業準備をしている時に、様子を見に来てくれる地域の方から昔のお話を良くお聞きしていました。
その時に、「昔はよかった」「今後は寂れていくだけ」のようなネガティブな話をよくされていたんですよね。確かに香川はすごく暮らしやすく、生活コストも安いので、現状に満足している方が多いのかなという印象を少し受けました。

そんな中でも、「実はこんなことをしてみたい」と話してくれる地元の方もいらっしゃいました。ただ、「やってみたいけど自分にはできない」と思ってしまわれているような状況だったんですよね。

そこで、挑戦してみたい方を巻き込んで、実現できるようにサポートをしていこうと思うようになりました。
今は、一緒に地域の海に訪れる観光客を増やすために、キッチンカーの設置や運営をしようと考えて動き始めています。

小さな積み重ねではありますが、少しずつできることを増やせる街にしていきたいと思いますね!

(山田さん)地方創生と言っても、私が拠点を構えて運営しているのは香川の中でも半島の端っこの地域です。行政にはいずれ切り捨てられる土地なんだろうなと、覚悟しながら拠点運営をしています。

ただ、自分がちょっとでも何かしたら少しだけ延命できるのではないか、と思い活動しています。
地域にストーリーをつけることで、切り捨てられないようにできると思っているんですよね。
「昔、この地域ではこういう伝承があった」「本来こういう地域だった」など、歴史を深掘ると色んなストーリーが出てくると思っています。
この地域の歴史は本当に面白いですしね!

最初にお話しした”自分のルーツを探る”ということも含め、自分のルーツと地域のルーツを両輪で深掘っていき、来てくださる皆さんにも面白い歴史がある地域だなと思ってもらえるようにしていきたいですね。

▼トークイベントレポートまとめ

今回は、香川県で拠点運営をする皆さんにお話をお伺いしました。

皆さんの拠点運営への想いは、それぞれのご経緯もありながら、一貫して「素の自分」や「自然とのんびり過ごす」などの言葉がでてきていたような気がします。

日常の仕事での疲れや、今後の人生について考えたい方は、是非海や山を見てのんびりしたり、拠点オーナーさんとのお話しを楽しんでみてほしいなと思います。

興味のあるオーナーさんがいらっしゃったら、是非訪れてみてください!

▼登壇いただいた皆さんのご紹介▼ ※再掲
・山田さん Private Chill Baseたまて(香川県三豊市
・藤倉さん GuestHouse 紫雲(香川県観音寺市)
・石井さん シェアハウスNAE(香川県三豊市)


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