いちめんの鰯雲
音楽ってすごいと思う。その曲を聴いている間、教えてくれた彼のことをどことなく感じる。繰り返すたびにからだに馴染んでいくメロディーになんとなく夕暮れが寄せてはかえすようで、やさしくなれる。
ということで、最近はずっとoasisの、champagne supernovaを聴いている。部屋を真っ暗にして夜に聴くと心の底をゆっくり揺らされるみたいな心地になる。そう言っていたからわたしもそうやって聴くことにする。
いつからかもう秋になっていて、夜風にわたしも編み込まれてしまう。
秋の夕方はよく干した洗濯物の香りがする。秋の午後はどこもひだまりの香りがする。秋の朝は、どこまでも歩いていける気がする。秋は、とても香ばしい。
帰路につく。見上げればどこまでも鰯雲が広がっている。
たんぽぽの綿毛になって、秋の風にだきしめられて、どこまでもとんでいきたい
いちめんの鰯雲
信号で止まった真横の車のなかのプードルと目があいつづけてる
いちめんの鰯雲
秋はほぼ水曜日と日曜日で出来てるし
街灯がいつもより背が高い
いちめんの鰯雲
帰り道のその先へむかっていく。
23.0926
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