恋愛小説です。
過去の傷からクラスメイトに心を閉ざした嫌われ者が、新しい恋によって前を向こうとする痛々しい青春模様を書いている…つもりです。
春…起承転結でいう「起」のパート…
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#親友
【連続小説】初恋の痛みが消えないまま俺はまた恋をする第60話-夏が来る〜二人の協定
親友と好きな人が同じだった。そんな時、どうするのが正解なのだろう。
恋を取るのか、それとも友情を取るのか。そもそも自分でそれを選ぶのは傲慢なのかも知れない。
「協定を結ぼうぜ」
裕は貴志をまっすぐ見つめて、そう言った。貴志は固唾を飲んで、協定の詳細が語られるのを待った。
友情と初恋を天秤にかけているなら殴るぞ。裕の言葉が重い。
でも確かに裕の言うとおりだ。大切な想いを天秤にかけること
【連続小説】初恋の痛みが消えないまま俺はまた恋をする第6話-春、始業式〜裕②
始業式を終え、山村裕は保健室にいた。今日は始業式のみで解散し、明日は1日かけて実力テスト5教科をこなす。
本来ならさっさと帰って勉強をするべき日だ。貴重な時間を費やして、それでも裕が保健室に現れたのは進路指導室に呼び出された親友を待つためだった。
「美夏ちゃん今日は何時まで仕事?」
そのフランク過ぎる口調に養護教諭の黒澤美夏は苦笑していた。
「こらこら彼女じゃないんだから」
苦笑しながら