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おりたらあかんの読書ログ

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年間100冊を15年間続けてきました。でも、本当に知らないことばかり!というかアウトプットがまだ少ないなあと感じています。過去に読んだ本は「読書ログ」としてまとめてきたので、それ…
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#民藝

アアルト夫妻とフィンランドのデザインの魅力、そして日本との深い関係

アアルト夫妻とフィンランドのデザインの魅力、そして日本との深い関係

正直、アアルトというフィンランドの建築家のことを今まで知らなかった。
たまたまアングラ映画を見に行った時に「アアルト」という映画の予告編があって見たのがきっかけだ。

建築家と言えばガウディが個人的には好きなのだが、北欧という地域は俺にとって未知の領域であり、同時に踏み込んだら沼になる?ような予感がした。実際、今、その通りになっている。北欧の手工芸はテキスタイルをベースとして分厚い伝統を持ち、その

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早川ユミ「くらしがしごと」扶桑社  土着のフォークロア

早川ユミ「くらしがしごと」扶桑社  土着のフォークロア

「くらしがしごと」は陶芸家であり、柳宗悦とともに民藝運動の中心メンバーであった河井寛次郎の詩集「いのちの窓」の中の一節。著者をささえたこの一節が本のテーマになっている。

NO Art NO Life
成長至上主義から脱成長社会へ
そのパラダイムシフトにこそ人類の未来がある。
国や政府にたよらない「くらしのアナキズム」

単なる自給生活者ではなくその世界観をしっかり発信していることに価値があると俺

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松井健「柳宗悦と民藝の現在」吉川弘文館

松井健「柳宗悦と民藝の現在」吉川弘文館

学習院大学時代に白樺派の気鋭の美術評論家としてゴッホ、セザンヌ、ゴーギャンを初めて的確に紹介した柳宗悦。特に有名なのはウィリアム・ブレイクの神秘主義の研究である。彼はブレイクの中に大乗仏教の菩薩道と通底する普遍性を感じていた。こういう素地の上に「民藝という言葉の創造と発見」が展開される。李朝の白磁壺によって開眼された柳の「民藝の美」に対する感覚は実に直観的なものであったという。柳は学習院時代、師で

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