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80'sの詩

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80'sの詩をまとめてみました!!読んでいただけたら、嬉しいです☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ 宜しくお願い致しますm(_ _)m♡♡♡
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#芸術

詩「或る秋の一コマ」

詩「或る秋の一コマ」

秋の景色の隅々には神が色付けした色彩が宿る
赤と黄色の落ち葉を踏みしめると
私の身体も秋の一部となり心も躍る

黄金色の稲穂の海を
哀しみの風が通る
左右に揺れる稲穂を見て
憂秋の涙を流す
(一筋の涙は決して秋だけの涙ではないのです。)

私の瞳の中でミレーが筆をとり色をつける
いつの間にか人工的な悦びに酔いしれる
各人間の秋の深みを再度知ろうとする
瞳の中の色が更に弾けた
(美しいと思う感性は時

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詩「作品」

詩「作品」

君は
喜びも哀しみも掬いあげ
見事な花を咲かせる
芸術という名の

沢山の感情を肥料にして
人生を美しく咲かせる
嘘までも とびきりのエッセンスになる
けれど
君の隣に僕は居なかった

僕は君の悲しみという感情の一部に溶けていった
そして
君が作り出した絵の具の一色となった
僕がしたことは 君の無垢な心に傷をつけたことだけだった
それまでも 君は作品に変えた
君の悲しみは一定の温度で燃え続けていた

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詩「夜の額縁」

詩「夜の額縁」

暗い窓の先に
真っ黒な物体が
道路に ごろりと落ちていた

胸がざわざわして
一体 何事かと
夜の額縁を覗き込んでみたら
黒い水溜まりだった
(身を乗り出した私の姿は、冷たい夜の芸術の一部となる。)

いつかの 苦悩して
煮詰まっていた
私の抜け殻が
夜の先にうずくまっていたのかもしれない
(この街は、たおやかな人間が居て初めて完成する。)

詩「あなたの筆先」

詩「あなたの筆先」

何度も躊躇い憂いた跡
線が小さく
か細く震えていた
魂の軌跡
時にはダイナミックに…
たまに無の状態になり
精を憑依させ
細かく
特に
細かく
繊細に描いていた形跡
言葉以外に伝わる手段がある
芸術とは静かなる霊魂の記録だ

内なる喜びが解き放たれ
ひと匙の苦しみも垣間見える
耐え難い苦痛すら歓喜に変換している

それが切り取られた
あなたの
ほんの一部だけだったのだとしても…
私は繋いできた物語

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詩「絵描き」

詩「絵描き」

まだ基礎も
出来ていない筈なのに
あなたは
呼吸をする様に
それが
さも当然の事かの様に
つらつらと
抽象画を描いて行く

嗚呼
それは、ピカソ?
よりにもよって…
芸術というものを理解も出来ていない
幼くあどけない、あなたが…

様々なツールを使い
私の目の前で
白いスペースを隙間なく埋めて行く
無知で汚れなきアーティスト

無謀とは…
頭に鋭い痛みが走る
足が電流で燃え上がりそう
ちゃんと

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詩「街」

詩「街」

隣には
人がいるのに
温度なんて、感じやしない
無機質な
白い塊

ここでは

顔が歪んでいる
乾いた声で笑い
女の叫び声が耳をつらぬく
男は、静かに吐き出している
ここでは
言葉は暗号で
ちっとも
生きてなんかいない
ずっと
僕は、耳を塞いで
黙っているだけ

あの
銀や灰色の建物と一緒に
人もオブジェになってしまった
同化したがったのだろう
止めるものは、誰もいない

ここは
空が遠くて

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