詩「絵描き」
まだ基礎も
出来ていない筈なのに
あなたは
呼吸をする様に
それが
さも当然の事かの様に
つらつらと
抽象画を描いて行く
嗚呼
それは、ピカソ?
よりにもよって…
芸術というものを理解も出来ていない
幼くあどけない、あなたが…
様々なツールを使い
私の目の前で
白いスペースを隙間なく埋めて行く
無知で汚れなきアーティスト
無謀とは…
頭に鋭い痛みが走る
足が電流で燃え上がりそう
ちゃんと
絵の精神というものを
教育してよと目で訴える
人類史上最高難度のプログラム
でも
目の前で無邪気に繰り広げられる
脆さが
無垢で果てなき冒険が
ただ
ただ
羨ましかった
私には、もう
二度と
そんな絵は描けない…
(自分の座標が、自ずと中心から離れて行く、あの例え様のない焦りや苛立ちは、一体どこから降って沸いてくるのでしょうか?)
最後に
自由な
あなたのその筆で
(次元を超えて描けるものならば)
私の目の下の肌に
つむじ曲がりの涙を描いてね
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?