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言い訳『2023.10.14』
仕事を辞めて二週間が経った。
「何もしないと時間なんてあっという間よ」
お昼の情報番組を見ながら母に言われた言葉を思い出す。
もし私がこの間も仕事をしていたら、10/14外に出ていたし、朝早く出て夜遅くに帰ってきていた。そしてそれを、当たり前だと思っていた。
当たり前では無いんだと気付いたのは、辞めてすぐではなくここ最近だ。
転職サイトや雑誌を見ていても、前職では有り得なかった制度を、たくさんの企業が山ほど抱えて見せてくれる。
無いことが普通だと思っていた事、曖昧にされていたことがはっきりしている事。良い意味でギャップに溢れている。
そんな中、二週間で何を得られたかと考えていた。
仕事を辞めた人間に優しい人間と、そうではない人間がいるという事。
何人辞めようと回り続ける企業の現実。
仕事に追われ見えていなかった、いつもの大切な日常。
そして、
創作が楽しいものだった、と思い出したこと。
出勤中、休憩中、寝るまでの数時間。
社会人だった私は、この中で創作を考えては投稿して、コンクールの内容を書いて、修正した。
4・5月のうちはこなしていたこのスケジュールも、仕事が出来るようになるにつれ、精神的にも体力的にも難しくなっていた。
出勤中も休憩中も帰り道のバスも、睡眠に命を捧げないとやっていけない。
寝るまでの数時間は、若者らしくSNSや誰かへの返信に費やしてしまう。
私の創作意欲も、作品も、その日常の中には無かった。それに気付いた夏、転職サイトをインストールしたのだ。
私が仕事を辞めた理由は大きく二つ。
仕事環境が劣悪だったから。そして、脚本家になりたかったから。
前者は会社を辞めて新しい所で働きたいという理由になり得るが、後者はどうだろう。
後者は傍から見れば、仕事をしたくないに直結してしまうほどの、まだ見えない夢だ。
仕事をしたくないのは、ほとんどの人間が抱えている悩みだ。それでも給料が良かったり、良い労働環境なら、嫌でも続けるのだろう。もしくは新しく自分らしく生きられる環境を探すまで働き続けるだろう。
でも、私が転職活動を放棄したら「ただ仕事をしたくないやつ」だと思われる。脚本家になりたい、という夢は、肯定されるばかりの甘いものではない。そんなことはずっと分かっている。
ずっと辞めたかったけど、今辞めるつもりは無かった。
本音はこれだけど、本音と現実は違う。
誰も信じる人なんていないんだろう。
でも私の気持ちがここから変わらない限り、私が脚本家以外の新しい職を見つけることは可能なのかと心配になる。
生涯、やりたくないことには一切関わらなかった私に、やりたくないことを探すための努力が出来るのだろうか。
ポジティブな私は、まだ出てくる気配は無い。
私はまだ、自分のことを理解出来ていない。
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