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【書評】都市で暮らし、行き交う人びとに言葉遊びで想像を膨らませる|オ・ウン『僕には名前があった』|評・友田とん(代わりに読む人)
折り目正しく働く日々の通勤でふと「橋の上に上がろう」と「決心した人」、大勢が集められた講堂で自分は人なのだろうかと自問したり、罵り合いながらも、やはり人でありたいと願う人(「望ましい人」)、そうかと思えば、挫折を知らず「この世で最も背の高い家を建てよう」と決断した途端に、目の前を高い壁に阻まれる「凍りつく人」。オ・ウンの詩集『僕には名前があった』には、都市で暮らすいろいろな人が集まっていた。その日常の身近な言葉で綴られた詩はエッセイのようでもあり、また突如少ない字数で語られ