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#世界

歪んだ青い春

か弱き少年は
他人の嘴に突かれ
その姿を変貌させる
日々続く誹謗中傷に
心が耐え切れず
歪み切ってしまう
世界の破壊者に
為れなくても
小さな社会なら
壊せるだろう
青い春に散る花を
眺める事が出来なくても

カトリック・グラマー

Ⅿ87の六角ボルトを
捩じ切るブルーワーカー
セクシーな修道服を着て
夜の街に立つカトリック
貴方の様に為りたくないと
憎んだ父親の様に変わる
政治家の隠し子
世界の終わりを歌いながら
オレンジマフィンを焼く
グラマーなあの娘
俺は全てを愛している
心から本当にさ

ヒステリック・ワールドエンド

無敵と呼ばれたあの頃は
薬のやり過ぎで加減が利かず
やり過ぎちまっただけさ
単車で巧く走れない俺にはもう
何の価値もありはしないよ
世界の終わりと呼ばれた
不良が語った言葉は余りにも
虚しくて叫んでいる様にも聞こえた
幾つもの悲しみを抱えて
彼らは何処へ向かうのか
僕にはきっと分からない
幾つもの闇を抱えて
見えない明日へ向かうだろう
確かに輝いていた日々を殺しながら

アンフィスバエナ

双頭の瞳から
悲しみの涙を零す
アンフィスバエナ
溢れ出す涙が
川へ変わろうとも
人々の争いは止まらずに
異国の空が赤く燃える
異常な博士が愛した水爆が
世界を焼き尽くしても
憎しみだけは永遠に
残り続けるだろう
地球から人が居なくなっても

造られた世界

造られた世界で
細やかな夢を見る二人
祈りは天に届かず
遠く離れ離れに
造られた世界で
物を言えぬ子供達
言論は統制され
思考も統一される
皆が同じ意識の中で
効率だけを求められる
造られた世界は
誰かが作った
理想郷なのだから
社会が完全に壊れるまで
廻り続けるだろう
全てが幻想だとしても

心無き者

心無き者が
世界を乱す
莫大な資金で
心無き者は
孤独に笑う
革張りの椅子に
腰掛けながら
心無き者が
世界を動かす
気まぐれだけで
振り回される
無辜の民は
穢れた涙を零す
己の罪に気付かず

ナイーブ

傷付きやすい心を
隠して貴方は
今まで生きて来た
少しずつ壊れながら
ひび割れた精神を
元には戻せず
貴方は絶望する
素晴らしきこの世界で

バランタイン

孤独は誰の心にも
咲き乱れて
何れ枯れてしまう
花吹雪の様に
絶望は心を静かに
蝕み腐って
やがて死んでしまう
何も残せずに
そうだろうバランタイン
君は何でも知っていて
何も話してくれない
世界を祝福したならば
君は去って逝くだろう
季節外れのそよ風みたいに

ありふれた死

それはそこらに
散らばっていて
普段は皆が
気付きやしない
何時の間に
触れてしまったら
もうそれで
お別れなのさ
ありふれた死が
巷に溢れてる
この世界は今も
美しく燃えている

欲望のラバーダック

海を渡るラバーダック
異国の空はまるで
永遠に繋がるフィルムのよに
途切れる事も出来ず
繋がっていたんだ
ゴッドファーザーの様な
煤けた世界は何処にも無くて
僕は退屈しているんだ
このまま世界を回っても
僕は廃棄処分されるんだろう
ならばその直前に
欲望を叶える事にした
博士の異常な愛情を
全世界に降り撒く事を

ザ・ワンダー・オブ・ユー

背に睡蓮と髑髏の紋々を
背負う若者の夢は世界平和
今日も絡んで来た相手を
片手で地面へ殴り倒す
半端に生きてんじゃねえと
啖呵を切り街を練り歩く
刃物ではすられても
銃で弾かれても若者は
世界平和を夢想していた
純粋過ぎるその思考が
時に生き方を否定しても
若者は其れしか出来なかった
組長直々の特命を受けて
名前も知らない相手の命を
弾いて鬼火と囁かれようとも

街外れの悪魔と

秘密の契約を
交わしたならば
街外れの
悪魔と共に踊ろう
乾き切った世界を
嘲笑いながら
猛毒の雨が降る中
悪魔と共に踊ろう
全てを裏切れるならば

灰色のペンキ塗り

年中変わらず
オーバーオールを
あの人は着てた
消したブラウン管から
宇宙サルビアが
話し掛けても
壁に灰色のペンキを
あの人は塗り続ける
気違いだと誰かが
馬鹿にして笑っても
気にする事はせず
やがて全て塗り終えた時
世界は灰色を失くした
永遠の常闇の中に

狂い喜び乱れ舞う

ほんの少しの間違いが
重なり合う事で
優しさに溢れた悲劇を
生み出してしまうなら
知らない誰かが
狂喜乱舞してその日を
祝い祀るのだろう
世界を憂いに染めながら