【 #小説 #散文 】掌編小説 筋の通らない話が好きな変わり者たち
※「自動記述」の手法によって編んだ物語です。仮名から漢字への変換、明らかな文法間違いの修正など、原文より調整を行っています。解読不能な箇所がある場合も、可読部位を文字に起こして投稿します。
Ⅰ
明かりがともることはもうないのだろうか。夜の帳が降りたあと、ホテルのバルコニーから眺めた景色は、昼が世界を支配していた。鳥は貝に姿を変え、死の予兆すら感じ取ることはできない。まるで明日葉の香りが脳内を満たすかのようだ。
Ⅱ
集中していると首の根元が痛くなってくるらしい。頭はいまや中空の役立たずとなっている。布団から目を離すと靴下が雨を伴っていた。爪が宙に浮いていた。皿を持ってこよう。さすれば生活のリズムがことごとく整うだろう。
Ⅲ
骸骨は今日を統べる。支配を免れることはできぬ。肩の力を抜くのだ。地平線から煙が見えるだろう。あれは全てを司る傘の前触れだ。首を長くして待っていろ。
筋の通らない話が好きな変わり者たちの群れは、生えてくる優しさを欲している。もとより指は誰にも分け与えられるべきものではない。
Ⅳ
前頭葉に巣食う血脈を取り出せ! 取り出せ! 暗黒と対峙する勇気のある二十日鼠は、昨日に背を向けて道端の草を食んでいるようだ。
耳を澄ませ、風の音のなかに心音が聴こえてくるだろう。活力が見えてくるだろう。ノートの切れ端に書き留めよ。五線譜はその役目を放棄したがっていると。骨どもにその任を与えよう。解読と晩餐会、思惑の渦巻き。
【原文】
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