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#花綵列島
小満;第22候・蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)
生まれ育った地域はかつて養蚕がとても盛んな土地柄で、小学生の頃は隣もお向かいも裏の家も田畑と養蚕を営んでいた。
隠し部屋のようになっていて使うときだけ降ろす階段が、土間続きに設えられていて、それを不思議な感覚で登った記憶がある。登ると蚕室は囲炉裏や寝室のある一階の上ほぼ全てという広さで、そんな板張りのガランとした「お蚕さん」の蚕室に何度か入れてもらったことがあるけど、何百匹といる蚕が草を食む音に
穀雨 第16候・葭始生(あしはじめてしょうず)
「豊葦原の瑞穂の国」
「美し葦牙」と謳われた風土を持つ列島。人が住み始めた頃は湿地がとても多かったのだろう。
葦 芦 蘆 葭、、、たくさんの漢字を当てられ、「悪し」に通じるというのを忌み嫌われてヨシ 蘆 葦、、、となる。ややこしいが吉原は葦原だったのだ。
茅(かや)とも呼ばれるから 地方によって芒やオギなど陸生のものも使われるが、一般に茅葺き屋根も多くは葦が使われた。
武蔵野といえば雑木林
清明 第14候 鴻雁北(こうがんきたへかえる)
若い時見た いまの自分のどこかを作っている 忘れられない風景というのがあって そんな場所はいつか誰かに見せたいものでもある
候は「鴻雁北(こうがんきたへかえる)」 南から燕が渡ってきたら、雁が北へ帰っていく
人にも 帰りたい風景というのがあるのかもしれない
作庭の現場が丸一日空いた時に いまなら あの頃見たあの風景が観れるかもしれないと 飛び出していた
20年も前だから多少は変わ
清明 第13候・玄鳥至(つばめきたる)
万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれる也(暦便覧)
ここのところの作庭の現場が東京郊外なので よく車を走らせる
青山通りや 首都高 東名高速沿い 開発を逃れて残った林や公園で木々のみどりが一斉に吹き上がり ふわふわと風に和毛を揺らしている 桃色と緑が混ざった葉桜も 黄梅や連翹の黄色も ツルニチニチソウやハナニラの紫も 早緑の地に悦び溢れる 今年は躑躅や藤やアイリスの仲間も早い もう初夏