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本のはなし

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読書記録や、本をめぐるエッセイをまとめています。
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#日常

女らしさについての雑感あれこれ

女らしさについての雑感あれこれ

ジェーン・スーさんと中野信子さんの『女らしさは誰のため?』を読んだ。

女性性やジェンダーについて論じる書籍は数あれど、これはカジュアルな対談形式で「女らしさ」を扱っているところがとても意義深いと思う。いまいち納得感を得られない項もあれば、「あー、それ! それよ!」とページに向かって叫びたくなる箇所もある。女子会に参加しているノリで「女らしさ」について考えられる。

とくに、社会から求められる「女

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小さい川さんから世界は開く

小さい川さんから世界は開く

双子の娘たち(5歳)が夢中になっている本、それは『長くつ下のピッピ』と『ルドルフとイッパイアッテナ』。

しばらく前に「もう絵本読んでくれなくていいからね!」と言われたものの、寝る前には少しくらい読み聞かせる。

次女は『長くつ下のピッピ』の主人公・ピッピのおてんばぶりに一目惚れ(一耳惚れ?)で、私がひとつの章を読み終えるまで決して眠りに落ちない。

どちらも小学生向けの本なので、文章のなかにちょ

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最近読んだ本たち(走り去った6月分)

最近読んだ本たち(走り去った6月分)

6月はいきなり台風による大雨に見舞われた、気がする。1か月も経つと記憶がおぼろげになるのが悲しい。

以前、5月は逃げていったと書いたけれど、6月は走りさっていった。手もとに一瞬たりともとどまらぬ時の流れ、どうにかならないものだろうか。

『出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記』 宮崎伸治

村井理子『本を読んだら散歩に行こう』のなかで紹介されていた一冊。もちろん私は出版翻訳家ではないけれど、読

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最近読んだ本(逃げていった5月分)

最近読んだ本(逃げていった5月分)

「2月は逃げる、3月は去る」なんていうけれど、4月も5月も、とんでもなく早足で逃げていった。もうゴールデンウィークがのっけからリズムを狂わせにかかっていたので、どんくさい私にはどうしようもない。

そんなこんなで、5月に読んだ本たち。

『むらさきのスカートの女』今村夏子

おもしろいのひと言。奇妙なスタートに心を持って行かれたと思ったら、そのままラストまで突っ走ってしまった。夜中の1時に読み終え

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