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心のなか

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嫌な思い出

嫌な思い出

私は記憶力がとてもいい。

あの教科書のあのページの左に書いてあったな
この答え先生が黒板書くときに字間違えたな
これ〇〇が凡ミスしたって言ってた問題だ

テストはこんな感じで、いつも成績優秀。

学生時代は、
自分の記憶力に誇らしさを感じていた。

しかし、社会人になってからはちがった。

あれ?〇〇にするってこの前先輩が言っていたのに、違う決定になっている…
先輩がチラッと言ったこと、やらなき

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コーポ石川101号室

コーポ石川101号室

パパとママは家族じゃなくて、
友だちになるんだけどいいかな?

いいに決まってる。
友だちのまなちゃんは家族より仲が良い。
毎日自転車で公園に行ってブランコ競争したり、まなちゃんのお家にあるシルバニアファミリーでおままごとをしたり、たまにはケンカもするけどお花をあげて仲直りをする。
パパとママも友だちになったほうが、仲良くなるに決まってる。

友だちになったら、パパとは一緒に暮らせないらしい。た

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クリスマスツリー

クリスマスツリー

17年前、私が6歳のとき
母とヨーカ堂に買い物に行った。
夕飯の材料や日用品もろもろ用事を済ませ、
エレベーターに向かった。

17年前のあのときは柱の横に赤い台が置かれその上にいくつかツリーが飾られていた。あの頃は珍しかった幹から青い光線が出ている白いツリー、簡単に飾れるコンパクトなツリーが並べられていた。その中で私が一番ときめいたのは、両手を広げてもキラキラが溢れてしまうほどおおきくてプリンセ

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大人になる

大人になる

23歳。いつ大人になるんだろう。

20歳になったら、社会に出たら、
結婚したら、出産したら、
いつか大人になれるんだと思っていた。

小さいときに思い描いてた大人。
大人ってすごい。
車が運転できる。
お酒って飲み物も飲める。
夜遅くまで起きてても怒られない。
宿題はないらしい。

大人はいつも正しくて
強くてかっこよかった。

でも、思っていたより大人は正しくない。
悪いこともするし、弱いし、

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たった6年

たった6年

私が父と暮らしたのは
たった6年。

父と母に手を繋がれ道を歩く。
私の手を引っ張り空中に持ち上げる。
父とでかけるときの楽しみだ。

家族3人でディズニーランドに行った。
ディズニーの帰り、
父と母が楽しそうに話している。
私はフルフラットにした後部座席で
ひざ掛けを持ち上げて遊ぶ。
後ろにいたトラックの運転手に
手を振ったら笑って振り返してくれた。
私のディズニーの記憶。

父は面白い。
変な

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宇宙の向こう

宇宙の向こう

宇宙の向こうはどうなっているんだろう?

幼稚園のとき
日本っていう星、アメリカっていう星があって
飛行機で行き来できるんだと思っていた。

どうやら地球は丸いらしい。
日本もアメリカも海でつながってるらしい。
嘘だ。丸いわけがない。
道はまっすぐじゃないか。
下を歩く人は逆さまか。

5歳の私は、地球平面説を唱えていたらしい。
まっすぐ歩けば
まなみちゃんのお家にも行けるし
アメリカにだって

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私の世界

私の世界

みんなが私と違う世界で生きてるなんて
知らなかった。

0歳。茶色の枠のすりガラスがある部屋で母を見る。3歳。幼なじみを叩いた隣のクラスの男の子から、仁王立ちで幼なじみを守る。足が震える。幼稚園のトイレに行くのがめんどくさくて、おしっこをしながら歩く。そのうしろを先生が雑巾掛けしながら付いてくる。4歳。クラスの男の子にみぞおちをパンチされ泣き、先生に抱っこされながらクラス写真を撮る。まだお腹が痛い

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私は、本が読めない

私は、本が読めない

私は、本が読めない。

レポートや書類など
必要な情報を読み取ることはできるが、
物語を読むことが苦手。
作者の気持ちを考えたら
一言一句大切に読まなくてはと思い
20ページ読んで力尽きる。

本を読みたいと思う日もあるが、
次に読みたいと思うのは半年後。
半年前に読んだ本の内容を
覚えているわけはなく、
また20ページ読んで力尽きる。

20ページでは何も起こらない。退屈だ。

中学生のとき、朝

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私がシンデレラになりたい理由

私がシンデレラになりたい理由

私はシンデレラになりたい。

幼稚園の発表会で
シンデレラをやることになった。
クラスの女の子たちは皆
「シンデレラをやりたい」と言った。
私は一人、魔法使いに手を挙げた。
担任の先生はとても喜んで
この出来事を連絡帳に書いて褒めてくれた。
家族中が私のことを優しいねと褒めてくれた。

ちがう。私は優しいんじゃない。
「シンデレラをやりたい」と言えなかった。

私はシンデレラになりたかった。

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綺麗だった夕焼け

綺麗だった夕焼け

電車を降りて改札を出た。
階段を下りようとしたとこで
夕焼けが綺麗だなって思った。
でもまあいいやって
いつも通り下を向いて家に帰った。

玄関の鍵を開けて1秒考えた。
やっぱり綺麗な夕焼けがもったいなくて
カメラを首にかけて自転車を走らせた。

橋の上に着いたときには
あの綺麗だった夕焼けはなくなってた。

悲しかった。

やっぱりなんて思わなければ
悲しい気持ちにはならないのに。
たぶんいつも

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