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うちの夫はゴッドファーザー
フィクションの中にこそリアルは息づき、日常の中にはファンタジーが潜む。
わたしはそれを、noteの文章の中に垣間見るのが好きだ。
だから啓発系の文章は殆ど読まない。
元々、言葉をたくさん紡ぐより、かわいい〜💖きらきらきら〜✨的な余韻で波及したいし、だいたい自分の世界に夢中で、あんまし説明とか聴いてない。
気付いたら、えーもうこんなページまで進んでたのー的な感じでいつも取り残されている。誰かと出かけてもひとりでどっかに消えがちである。本人に消える気はさらさらないのだが、夢中になっていて気付いたら、あれ、誰もいない、迷子になったぁと右往左往する。昔、三人でUSJに出かけた時も、心優しい友人二人は、わたしにわかるところで、語り合いながら待っていてくれた。
いい友だちを持った。
これまでは、マイナスからゼロに還るためにnoteを描いてきたけれど、これからは特に、わたしはわたしを面白がらせ悶えさせて、悦ばせるために、誰にも何にも役に立たなそうなことを描きたい。
おそらくわたしの好みは、若干アンダーグラウンドよりだと思う。
一風変わった独特な人や描写が大好物である。
早速だが、わたしの夫は今朝、イタリア人になっていた。
まだわたしも娘も寝ているのに、でかい声でずっと巻き舌よろしく的なイタリア語らしき言葉を連発している。
あまりにうるさいので、
「なんなん?それ。」と寝床から声をかけると
「昨日ゴッドファーザー観たから。」
と言う。
…なるほどね。
それから身体を起こして、プロテインを作っていたら、かなりの至近距離で再びイタリア語が耳に飛びこんでくる。
『カッタルィーナッ ボナセェールァッ』
…ん?
なんか気になるけど、気のせいかな?
今の違和感、なにかな?
…ま、いっか。
そのまま、再び延々と訳のわからないイタリア語を聴かされながら、朝の慌ただしい支度を終え、そのあとようやく待ちに待ったひとり時間を堪能した。
15時を過ぎ、布団の上で、真向法というストレッチをしていたら、なぜだか無性にこの出来事をnoteに描きたくなった。
描き始めると、腹が捩れるほどに笑いが止まらない。
あいつ、朝からいきなりイタリア人になったりして、悔しいけど面白すぎる。
そして、どうでもいいことを聴くために、わたしは仕事中の夫に電話をかけた。
「朝のイタリア語、何て言っとったん?」
「え?そんなんもう覚えてないわ。くうちゃん(娘)の支度が遅いから、そこに集中してイライラせんために言ってただけや。あんなん造語や。」
… 造語?
あの弾けるような滑舌流暢なイタリア語が、
造語…?
夫が、今朝何て言ってたか、記憶を辿って必死に思い出そうとする。
…
「カッタルィーナッ ボッナセェールァッ」
カッタルィー…
…あぁー…あぁー…そーゆうことだったのネ…
なんと、わたしがイタリア語だと思っていた言葉は、日々慣れ親しんでいる日本語だったのである。
“かったるい”その絶妙な愚痴を軽妙な巻き舌に乗せて。
まるでラップの世界、さぞ、気持ちよかったことだろう。
こうして朝のちょっとした違和感だったナニカは、スッキリと謎が解けた。
それにしても、夫の創造力には感服である。
さすが、日々、仕事でクリエイティブなものを生み出し、人を悦ばせているだけのことはある。
これぞゴッドファーザーである。
ちなみに、【ボナセーラ】とは、調べたところ【こんばんは】という意味であった。
まさか朝から、こんばんはとは…。
久々に腹が捩れるほど笑った。
身近にこんな変な人がいるのは、案外いいものである。
今回はそんな夫の良さに気付かせてもらえた、
『ゴッドファーザー カッタルィーナッ編』。
これからは、理解もせずウザがらないで、もう少し好意的な目で、その生態を観察してみようと思う。
ご覧いただきありがとうございます✨ 読んでくださったあなたに 心地よい風景が広がりますように💚