第3話:心を奪っていくものの正体
ビジネス森はマネジメント山の裾野に広がっていて、いろんな動物達が登っていた。
そんな動物達は、ビジネス森に降りてきては
小さな小さな湖の冷たい水を飲んで喉を潤した。
ゴマスリさせたら世界一のサルや
サボることばかり考えてるシカや
意外にも細やかな心遣いのイノシシや
いばり散らしてるタヌキや
いつもおろおろ心配しているキツネや。
全く余談だけど、
動物は見かけによらない(笑)。
動物は見た目が9割じゃない(笑)。
そして、幸運にも偶然居合わせた時だけ
森の哲学者の話を聴けたんだ。
ただ、聴き方で、つまり、その聴く態度で
その動物の生き方や在り方は
哲学者にはすぐに見て取れた。
もっと怖い言葉で言えば、
見抜かれていた。
さらに言えば、それはその佇まいや空気で
哲学者だけでなく皆に伝わった。
哲学者は
『見えなくても伝わるもの』
という話をして
「見えてるものですよ」
と銀色の髪をふふんと揺らして、
銀色の眼鏡の端っこですーっと笑った。
空気とか雰囲気とか
人間の世界では組織風土、組織文化なんて言葉もあるね。
これは、結構シビアな影響力。
いろんなメンバーが皆で生きていくためには
それがとても大切だって話だ。
確かにそうだ。
タヌキの群れでは
PONがリーダーで、彼はいばりんぼう、
なんでも自分で決めていた。
ま、独裁的、高圧的ってやつだね。
他のタヌキはPONに何も言えなくて、
答えはいつもPONが出してくれる。
PONの言う通りにしてりゃ、楽。
タヌキ達は
自分でものを考えなくなってた。
彼らから伝わるものは
『どうせ』
どうせ、何を考えたってPONが決めるから。
どうせ、タヌキなんて。
どうせ、俺たちにはできない。
どうせ、やっても無駄。
立ち込めるあきらめ感が、
どんどん皆のがんばる心を奪っていた。
PONはPONで
「どうせあいつらは何も考えない!」
と、ぷうすか怒っていた。
タヌキ達はタヌキ達で
「どうせ考えても無駄!」
とうんざり顔で言っていた。
目に見えないのにお互いに伝わっていて
いつのまにか全体の空気になっている
「どうせ」文化。
がんばる心を奪っていくものの正体。
変な話、そこ共有できてるじゃん(笑)。
もっといい形に変えられるといいよね。
PONもタヌキの皆も、
お互いに考えてみるべきじゃないかなと、リスは思うよ。
はて、僕。
リスから伝わっている目に見えないもの
とは一体なんだろう?
そうやって、自分に声をかけてくる
もう1人のリスの話。
それはまた今度。
(続く)
◾️第2話はこちら
https://note.com/coach_eri/n/n37e95431e26a
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