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【シンカケイコウホウ】Vol.5 どこまでが広報の仕事なのか(その1)

こんにちは。クロスメディアグループの濱中です。

今回は「シンカケイコウホウ」の5回目です。

2回から4回にわたって「シンカケイコウホウ」が目指したい広報発信のあり方についてお話ししました。

その広報発信を場当たり的ではなく、効率的に計画的に行う方法について、私の経験と発見をもとにお話ししていきたいと思います。

場当たり的な活動に感じた限界

以前にもお話ししたように、入社して1年目、2年目は「思いついたらとにかくやってみる」をモットーに活動していました。

自分のアイデアが思い浮かび次第、手当たり次第にやってみるという感じだったので、企画書に落とし込むこともなく、PDCAのPを飛ばしていきなりDから始めていました。

もちろん、すぐに行動にうつすことによって得られるメリットもあります。実際にやってからわかるということもありますし、スピード感をもって進められます。

また、私のような経験のない場合だと、仮説の質にあまり期待ができません。それであれば「まずはやってみてから調整する」方が、結果として良い場合もあります。

これは個人の経験の有無に限らず、ベンチャー企業の場合、会社としても業種としても、先例のないことに挑戦していかなければなりません。「とにかくやってみる」のマインドが大事なケースも多いかと思います。

しかし、こればかりでもうまくいかないのが現実です。ゼロイチで何かを生み出したとしても、それを長期的な効果につなげられないと「生み出すこと」自体に価値は認められません。

私自身、一年目、二年目の場当たり的な活動に対し、色々な側面で限界を感じました。

広報は他の部署とは違う時間軸で活動すべき

行動量の割りに、効果があまり感じられず、焦りと不安が募り、「これで本当に良いのだろうか・・・」と悶々とする日々。

ゴールが見えない霧の中で仕事をしているような状態が続き、きづいたことがあります。それは、広報活動は目先の短期的な成果ばかりを追っていてはいけないということです。

広報こそ、会社の誰よりも長期的な視野をもって、戦略的な思考をもたねばならないということを強く感じたのです。

もちろん、成長企業の場合、目の前のこと、短期的な効果を狙う活動も大事です。短期的と長期的、この両軸で活動をマネジメントしなければなりません。

しかし、本来広報活動は長期的にみて着実に会社を成長させる活動に注力すべきです。ほとんどの部署が短期間のうちに成果を出すことを求められて活動しており、ひとり広報の場合は、その時間軸に影響されがちですが、部署に求められている役割が違うのと同じで、成果を出す時間軸も他の部署と同じとは限りません。

「(商品・サービスを)つくる人」「売る人」たちが短期間で力を十分に発揮できるよう、広報が会社の長期的な成長を見込んだ活動を戦略的に行っていかなければなりません。

また、広報活動の「効果」をどのように捉え、自分自身でもどのように評価するかも非常に重要なポイントです。明確な目標数値があれば、広報担当者の行動の質と計画の解像度も高まります。自分自身の活動の意義を感じることができますし、広報部の存在価値を社内にも理解してもらうことができます。コストセンターほど、目標数値はもっておく必要があると感じています。

先ほどの考え方と同じで、「効果」に関しても短期と中長期でマネジメントする必要があると思っています。効果測定についても次回以降でご紹介する予定です。

広報に明確な定義と境界線はあるのか

自分で思いついたものはすぐにやったという話をしましたが、自分のアイデアだけでなく、他人から仕事を依頼された際も、とにかくすべてやってみた時期もありました。

私自身、広報活動を定義づけできていないことで、仕事の依頼をどこまで引き受けるべきなのか、どこまで自分自身の領域を拡げるべきなのかがわからず、「〇〇さんのためなら」という想いで依頼されたものは全て引き受けていました。

そうしていると、本来広報がやるべき仕事に注力できず、「何でも屋」のようになってしまっている自分がいました。改めて業務の整理をしなければと思いました。

新しく広報を立ち上げた人や未経験の場合などは特に、このような状況に陥りやすいと思います。

広報活動の定義づけがされていたり、活動内容もある程度決まっていると、社内からの「広報は○○をしている」という活動イメージも明確にもってもらえますが、そうでない場合、理解を得ることは容易ではありません。

私の場合もゼロベースでつくったこと、成長企業ということもあり、ひとつの領域に絞って活動するわけにはいかず、広報活動の明確な境界線がありませんでした。

どこからどこまでが広報の領域なのか、まわりにも十分に伝えられていないことで、

「これって、濱中さんにお願いしても良いの?」
「それって、広報の仕事じゃないんじゃない?」

私の活動を掴めなかったり、理解を得られないことも多々ありました。

広報の明確な定義づけよりも大事なもの

私がひとりで奮闘しているのをサポートしてくれるのは社長の小早川です。「シンカケイコウホウ」というコンセプトも社長との会話でみつけたのですが、先述のとおり、

・短期的、長期的な効果の両方を狙った活動をすること
・目標数値を具体的にもつこと

この二つの重要性に加えて、

・「シンカケイコウホウ」は、「ひとつの活動に絞って注力すること」は現実不可能であること
・業務内容を分類し、整理して優先順位を立てることで、色々な活動をしながら効果を出せる

ということについても、社長との会話の中で見つけることができました。

クロスメディアグループは成長企業であるために、枠にとらわれた広報活動をしていては企業を成長させられず、だからこそ、「シンカケイコウホウ」として「広報」の枠を越えた「広報」をすべきで、成長企業の広報にとって明確な境界線をつくったり、「これだけ」とフォーカスするのは現実的に不可能だということに気づきました。

一方で、明確な定義づけがされなかったとしても、絶対にぶれない広報活動の軸は定めるべきです。軸さえはっきりしていると、その中で活動領域を増やしたり、やらないことを決めることができます。そのうえで、絶対にやらなければならないことをすべて書き出して分類すれば、優先順位を立てることもできます。これが効率的な活動につながります。

次回は、そんな「シンカケイコウホウ」が何を軸にして活動しているのかという話と、広報活動をすべて目的ごとに整理すると大きく4つの領域に分類できたという話、そしてそれらをどう優先順位を立てて活動しているのかというお話をしたいと思います。

まとめ

今回は、漠然で場当たり的に行っていたため、なかなか効果を感じられず、悶々とする中、

・短期的と中長期的な成長につながる活動をすることが大事
・コストセンターほど目標数値を立てることが大事
・「シンカケイコウホウ」に明確な活動領域の境界線はない
・定義づけよりも、業務を分類して優先順位を立てることが大事

だということに気づいたというお話しをしました。

クロスメディアグループが唯一無二の会社であるように、どの企業も世界でたったひとつの独自性をもっており、だからこそ広報担当者は「シンカケイコウホウ」として、それぞれの会社の特長を活かしながら、変化に対応できる広報モデルを確立していく必要があると思っています。

次回は、私が「シンカケイコウホウ」として業務内容を分類した結果、どのように効率的になったかというお話をしたいと思います。より具体的なお話しになるので、楽しみにお待ちください。

今回もお読みいただきありがとうございました。次回もどうぞお楽しみに!


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